うたたねの店

うたたねの店

2004/05/16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
お昼にさちこと会う約束をしていた。

4月から東山魁夷展を開催しているのだが、来週の日曜日が最終日である。
外に出ると雨だった。
ごうごうと音がするくらいの雨。何の音だろう?
傘をさしていても後ろから横なぐりの雨つぶが降り注ぐ。
雨の日は雨の日の良さがある。
私は気持ちがすこしモヤモヤしていたので、その雨が私を清めているような気分がして気持ちがよかった。
海をひっくり返したみたいに気持ち良いくらいの降り方だった。


大込みだった。
目が覚めるような発色。氏らしい色づかいと構図だった。
構図を平凡なものにすることにより、より一層自分の気持ちを素直に出せるのだとか。

北欧にしばらく行った後に描いた、大晦日の京都の絵が印象的だった。上から見たような絵で、家のやねが画面一杯にたくさん描かれている。あらためて日本を描こうとしたという氏の気持ちがあらわれている作品だった。
氏は自身を風景画家だけれど、人を描きたいと言っている。
人にこだわりたいから風景を描くのだと。
確かに風景の中に人の生活だったり、人の足跡が見えるような気がしてしまう。温かい感じがするのだ。

絵と一緒に氏の言葉が添えられていて、その文章がまた素晴らしい。しずかなしずかな、穏やかな絵が多かった。
日頃のサビがとれて気持ちが穏やかになっていくのを感じた。
最後の方に唐招提寺の襖絵(ふすまえ)の展示があった。
その迫力に驚いた。

それぞれ思いを込めて描かれたものだった。
海を描く為に、山を描く為に日本全国をスケッチして模索したというエピソード。私は絵の前に立っているだけで、ちょっとした危機感さえかんじた。
ざざざと波の音が聞こえてきそうだった。
本当にまるでその場所に海が、森があるかのよう。

来週はもう一度、姉と一緒に見に行こうと思う。

それは氏の人柄かもしれないと思う。

*
さちことお昼を一緒にするのは久しぶりだった。
色々と私の周辺の話をする。
N君とバッタリ会った話、海外に行くことになった人の話。
一緒に考えてくれたり、怒ってくれたり、納得してくれたり。
さちこに話すと気持ちがすごく落ち着く。
きっと私の還る場所なんだろうと思う。

いつも平穏な気分にさせてくれる彼女。
私は彼女に会うと、世界がどうなっても大丈夫だろうな?と思う。
しばらく自分がずっと遠くに旅をしていて、ただいま、と彼女の前に帰ってくる感じがする。





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最終更新日  2004/05/17 11:59:46 AM
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