January 18, 2005
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カテゴリ: 哲学。
阪神大震災、と、言葉に出したり文字にするにもまだ勇気が要る。
平気な時も有れば、自分がその単語を発音するのを聴くにも耐えない時も有る。

もう、10年になるのに・・・。


今まで、人並みに多感な、そして人並みに幸せな人生を送って来たわたし、
失恋や傷心、心に痛手を負う経験も人並みに有ったけれど、
これほど思い出に怯える経験は、あの震災が初めてだ。

あれが最初で最後で有って欲しい、
あれ程のつらい怖い思いを、もう一度経験してちゃんと生きて行く自信が無い、
と弱気になったり、

結論の見つからないまま、あっと言う間に10年経ってしまった。

地震後のボランティアが一段落した頃、
大きな耳が持ち上がり顔が変わる程の湿疹が全身に出来て、
とうとう、母に問い詰められ、わたしは地震後てきぱきと水や食料を補給して、
ボランティアもしていたが、その強さが切れてしまった事を認めざるを得なかった。

もう一つ、2年半も隠していたブルルの存在も、結婚・アメリカ行きを考えている事、洗いざらい話した。

強く賢い長女で有る事、それから、親孝行をして生きていくつもりだったのに、
それが叶わなければ両親を傷つけるばかりか、愛情も失うと思って疑わなかった。

泣きながら、しゃくりあげながら話すわたしの肩を抱いて、
母もまた、声にならない声で泣いた。

湿疹は引いていたが、その時には、夜は地震の夢で寝られず、何故か電車にも乗る事が出来ず、

わたし一人の手には負えなくなっていた。

精神科にも通った。

自分への理想が高過ぎる、と、訳の分からない事を言われて、
何を言われても「じゃあ、どうすればいいの?」と、
余計頑張ろうとして、自分を痛めつけていた。


でも、あれは結局無理をしていただけで、わたしの本当の強さでは無かった、
強がってボランティアなんかして、後でこんな事になるなんて、
自分で自分をを知らないなんてなんて恥ずかしい、わたしの克己の精神はどこへ行ったんだ?
いや、それともそんな物も最初から存在しなかったのかな、などと思っていた。

夜うなされる夢は決まっていて、
顔の見えない人(不特定)にいつも、「あなたが大丈夫です、って言うから任せたのに、
どうして今頃怖い夢をみたりするの?」
「自分はそんなに強い人間だとでも錯覚していたの?凄い自尊心だね!恥ずかしくないの?」
としつこく訊かれて、
「ごめんなさい!!」と自分の叫ぶ声で目が覚めた。


その余波で、今でも自分の我慢の限界が判らない。

初めから我慢なんてしないわ、という人間にはなりたくないし、
我慢する事で強く、自分を向上出来る事も有ると思う。

でも、我慢し過ぎるとどうなるか、も解って、自分に手加減をしてあげなくては、と、
ふと思っては、またそのボーダーラインが自分で引かれずに悩む。


そんなこんなの繰り返しの10年だった。


地震に限らず、悲劇的な災害に遭った人ならば、こんな風に悩んで生きて行く事も、
命が助かったんだから、と、有り難い宿命として受け止めて生きていくのだろうか?


10年で、少しだが気付いた事も有る。

世界各地の天災を、津波で有ろうが土砂崩れで有ろうが、他人事に思えない。

9-11だって、天災では無かったが、生でテレビで見ていて涙が溢れた。

あれが震災と違うのは、責任者がどこかに居て、あれをわざとやった、と言う事。

隣人を愛して罪人を許しなさい、という高尚な精神を持っていないわたしは、
もし手元のボタン一つでその責任者を殺せるのなら、迷わずに押して居ただろう。

震災時は一時的な絶望と沢山の命の喪失に囲まれながらも、
そういった憎しみの気持ちは、見回しても無かった。


もう一つ、今だから思うのは、ブル乃助の事。

天災の中を怯える我が子を、もしも命を無くしたら、と言う事を、
想像するだけで文字通り胸が痛くなる。


震災前はお水はエビアンしか飲みません、というような高飛車で嫌な女だったわたし。
震災で自衛隊の配給してくれたお水が勿体無いのでそれで歯を磨いては
口を濯いでトイレに直接流していた。

だんだん、前のように物質的になって、「OPIがぁ~」なんて言っているが、
困難に立ち向かった時、自分を不幸だと思う前に、あの時の事を思い出す。

それで,まやかしでも強さを奮い立たせる事が出来るのなら、
それはそれでいいんじゃないか、と最近は思っている。







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Last updated  January 20, 2005 11:44:30 AM
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