日記

2002.09.24
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今の私の愛車を購入する前は、紺色の丸っこいマーチに乗っていた。このマーチは、私の友人により、「シゲオ号」と名づけられた。なぜ、シゲオなのなかと言うと、少々長い説明が必要になる。

バコッ!!
鈍い音が車の前面でしたので、ハッと目を上げると、私のマーチは、大型トラックの後ろにスッポリはまっていたのだった。
ど、どうしよう、トラックの運ちゃんに怒られちゃうーパニクッていたら、トラックは何事もなかったように走り出し、姿を消してしまったのだった。
何だ、たいしたことなかったんだ、とお気楽に考えた私は、そんなことすっかり忘れて、家路を急いだ。
・・・が、家に着いてビックリ、マーチのチャームポイントともいえる、丸っこいボンネットのカーブ真ん中がボッコリへこんでいたのである。
修理に出せば、何万円も取られてしまうと考えた私は、無謀にも自分で修理することにした。それが悲劇の始まりだった。
まず、へこんだ部分にパテを塗りこみ、元のカーブを復元させようとした。が、傷口が、縦・20センチ×横・10センチ×深さ・3センチと、大きかったため、私の用意したパテだけでは埋め切れず、しかも、速乾性だったために、デコボコの不形成のままそれは固まってしまった。

大丈夫、色を塗れば目立たなくなるはず・・・・とマーチ用の紺色のスプレー塗料を吹き付けてみれば、その色は、自分のマーチより、若干明るい色合い。故に、マーチの傷口を一段と目立たせてしまっただけだった。
そして出来上がったのは、ベンツなら、あのマークが立っている、ボンネットの中央一番目立つところが、デコボコのピッカリ光る紺色となった、悲しげなマーチの姿だった。
友人からは、
「ハナクソつけてるみたい。」
と、大いに笑われ、
彼氏(今のだんな様)のお母さんからは、
「あなたの車の近くには、駐車したくないわね。」
とまで言われた。
私は、
「私の紺のマーチは一目でわかるから、これでいいのだ。」
と天才バカボンのパパのように強がってはいたが、悲しみに打ちひしがれていた。

「この車、アゴ割れてるから、シゲオだね。」
「シゲオって?」
「ミスタージャイアンツ長島茂雄、いわゆるひとつのですね・・」
なんて、モノマネまでつけていた。
そうして、私のマーチは、シゲオ号と呼ばれるようになったのだった。

「・・・2万円でどうでしょう?」
と言った、彼の後ろに後光が指していた。
こんな車に、2万円も出してくれるなんて。
即答OKで、シゲオ号と私は永遠の別れとなったのだった。
あの車をもう見なくていいと思うと、妙に晴れやかな気分だった。
やっぱり、いくら大雑把な私でも、恥ずかしかったのだなと、そのとき初めて気がついたのだった。





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最終更新日  2002.09.25 08:30:59


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