日記

2004.07.24
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息子と娘と一緒に、シュタイナー・シューレで行われたコンサートへ参加した。

このコンサートは、「パリの夢」と題されていた。

パリから、ヴィン・ファムさんというヴァイオリニストが招かれているからだそうだ。

この方は、9月にはサントリーホールでも演奏されるらしい。

クラシック音楽には、まったくもって疎い私。

サントリーと聞けばビールしか思い浮かばない。

クラシックを聞けば、眠くなるだけだというのに、

子供連れてコンサートなんか参加しちゃって大丈夫なの!?

と、不安を抱えつつの参加だったのだが。


コンサートは、先日授業が行われた教室の向側にある音楽堂で行われた。

音楽堂は、天井が高く、古いパイピオルガンに、木製の長椅子、

壁には、シュタイナー自身が描いたという色鮮やかな絵が二枚飾られている。

何だか、小さな教会と言った感じだ。


親子連れが10組以上、すでに着席していた。

私たちは、初めてのコンサート参加だったので、

子供が飽きても、すぐ外に出られるよう、後ろの方に席を取った。


バイオリンとピアノの演奏の前に、

子供たちのためのコンサートと言うことで、フランス語の絵本が朗読される。

フランス語の響きが、とても素敵。(意味は、まったく分からないが。)

娘も、真剣に聞き入っている。

息子は、おもちゃで真剣に遊んでいる。


そして始まる、バイオリンとピアノの演奏。


美しいハーモニー。

何だろう、このバイオリンの音の突き抜けるような感覚。

指の動きまでよく見えるほど、すぐそばで演奏されるバイオリンの音色は、

脳ミソが、弦の一部になって、揺さぶられているかのように、

体中に響く。

しかも、一流の演奏家だけあって、音のぶれなど微塵もなく、

一つの流れとなったバイオリンの音色が、

体を揺すぶって、頭のてっぺんから突き抜けていくようだった。


今、まさに、私の脳からα波が、出まくっているに違いない・・・・

と言う感じだった。


スピーカーから流れてくる、音とはまったく違う音の迫力、そしてその美しさ。

飽きて居眠りするなんて、あり得ない。

このクラシックオンチの私が、聞き惚れてしまう。


ふと、娘を見ると、娘も、バイオリンの演奏を食い入るように見つめ、

真剣に聞き入っている。

息子は、相変わらず、おもちゃで真剣に遊んでいる。


演奏も中盤に差し掛かると、

「アンパンマン見たいよ~~~!!」

と、飽きて騒ぎ始める子供もいたが、

娘は、不思議と演奏に釘付けだった。

息子は、音楽に合わせて左右に揺すぶられ、ご機嫌になっている。


そして、演奏が終わるまで、娘は、真剣に演奏を聞き続けることが出来た。

初めてのクラシックコンサートにして、上出来すぎる。

私は、脳ミソごと洗濯機に入れて、ガラガラと洗ってもらったかのように、

演奏終了後は、リフレッシュされていた。


「面白かった?」

と、娘に聞いてみたところ、

「うん、バイオリンの音って、きれいだね!!」

と、とても喜んでいた。


最初は、最後まで聞いていられるか心配であったこのコンサートだったが、

こんなにも、娘が真剣に聞いていられたというのは、

やっぱり、本物の生の音だったからなんだと思う。

どんなに素敵な演奏でも、スピーカーから聞こえてくる音では、

1時間も集中力を持続させることは、子供には難しい。

そして、きちっとした音ではなく、時々ぶれてしまうような演奏では、

やっぱり1時間も聞き続けるに耐えない。


子供にこそ、本物の芸術を・・・と言う意味を、

今日、身をもって体感できた。


こんなド田舎に住んでいて、こんなにも素晴らしい演奏を間近で聞く機会に恵まれ、

本当によかったと思った1日だった。







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最終更新日  2004.08.02 09:13:40
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