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小説「ゲノムと体験が織りなす記憶」 第 11 話
青木氏との話を進める上で、皆さんのお耳に入れておきたいことがあります。
皆さんは「神通力」という言葉を耳にした事がありますか?
少しだけお話しましょう。
「神通力」(時間の部)
1秒を広げて、無限に広げて、その中を出入りできたなら、
過去と未来を繋げて時の輪を作り、自在に往来する。
未来を知ろうとする知恵の光は時計回りに進み、過去を知ろうとする知恵の光は反時計回りに進む。
時計回りに進む光の意思を「先導智」(せんどうち)と言い、反時計回りに進む光の意思を「過導智」(かどうち)と言う。
これらの意思を自在に使える力は「神通力」の一つと言える。
「過去」に関して、人は行く事は叶わなくとも、歴史的事実を
書物で識り、今に残る建造物や旧跡を訪ねて「ここであんな事があったのか!」と往時の出来事に思いをはせて登場人物たちを偲ぶことさえ可能ですね。
その魅力は、往時の出来事を変えることが出来ないからだと思うのです。
勿論、新しい資料が発見されて多少の変化が生じることもあり得るが、そのことで過去を知りたいという欲求が損なわれることはなく、むしろ反対に「だから歴史は面白い」となるのでは?
それに対して「未来」はどうでしょうか?
「過去」と違い、遺跡も書物も当然、存在しません。
そうなると、先を想像することになる。
まことに人という生き物は、なんと「知りたがり」なのでしょう。
ここまでの話の最中に、皆さんの頭には既に「SF物の小説や映画」が登場している事でしょうね。
そして、ここで絶対に欠かせない「現在」が浮上してきますよ、うん、それはもう絶対に外せない。
我々が生きている「今」だから?
それは勿論そうなんですが、「現在」は「過去」と「未来」の「出発点」であると同時に「回帰点」でもあるからでしょう。
面白いですねえ、「過去」も「未来」も両方とも行ってみたい。けれど帰って来れないと不安? 否、「現在」がないと「過去」にも「未来」にも行けないだけでなく、帰って来れないと「困る」わけですね。
人間の「知りたい欲求」が詰め込まれたSF物の映画、ウケるはずですね。
それでは、次回は青木氏の
「さて、君の故郷はどんな街なのかな?先ずそれを聞かせてくれるかい」
に応える僕の話から始めることにします。
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