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「あの梅の木は」 第3話
「これ、梅じゃなくて・・・」
「どう見ても サ・ク・ラ だろ」
「・・・・・・・・・・」
香織 香織?
「香織!」
「あ、!呼んだ?」
「ああ、3回もな・・・どうだ?」
「さくら みたい・・・」
「みたいじゃなくて桜そのものだろ、幹の模様だけでも分かるだろ?
違いがさぁ・・・」
それには答えず香織も上着からスマホを取り出す。
「あたしは、合格祝いだからこそ梅の花を・・・と思って撮ってた
はず・・・」
香織は視野に異常な接近を感じる
目の前、直近に裕也の顔が・・・ちょっと引きながら
「何?この近さ・・」
言い終わらないうちに、裕也の唇が香織のに重なる。
「う!・・・」
「何よ、急に・・・」
「香織のその真剣な眼差し、特に眉間にしわを寄せたとこ、そそる
んだ・・我慢できなくて」
「何よ、人が探し物してるときに・・・勝手に・・あ、また!」
今度はちょっと長めのキス。裕也がメニューで2人を隠した。
唇が離れても香織の指はスマホの画面の上で動かない。
「ほら、何か探してたんだろ?」
裕也が顎をしゃくるように香織を促す。
香織がキリっと裕也をひと睨みして操作を続ける。
「あんなことしたって、ことはアルコール・・・」
「うん、昨夜はアルコール摂取量ゼロです」
「仕方ない、今夜は裕也んち行くわ」
「ホント!?やったー!!」
「ほんと、子供なんだから」
言いつつ、香織も俯きながら白い歯を見せた。
「あったわ、これ!・・・」
指で画像を拡大して覗き込む。
「ほら、やっぱり梅の花よ!」
彼女のスマホは、ひったくられるように裕也の手に移った。
「ほんとだ、確かにこれは梅の木・・・」
「でしょ、裕也のがおかしいのよ・・・」
「それは無いだろ、同じ日に同じ場所を撮ったんだぜ」
ふたりのスマホに保存されていた「梅の木」も「桜の木」も
同じ日付。
都内の高校だと合格発表は 3 月初旬なので、梅の花は咲いていて
不思議はないし、東京の桜の開花は例年だと3月中旬以降から
だから、咲いてなくてもおかしくない。
「これ、一体どうなってる!?」
2人が同時に驚き、声が大きく響いた。
幸い店内に2人以外の客はいなかったが、オーナーの耳には
届いたようだ。
「あの梅の木は」 第12話 2026.05.04 コメント(2)
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