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2006/05/29
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カテゴリ: 個人図書館
野火





●岩波文庫、新潮文庫、他
●読了日:1996年2月11日


戦争小説はこの『野火』を始め、『ビルマの竪琴』やら『輝ける闇』やら有名どころはだいぶ前に読みました。

どれも共通して言えるのは、「感覚の麻痺」です。
戦争中は麻痺しなければ到底やっていけないような状況だったのでしょう。

私の祖父は海軍だったので、陸軍ほど辛い目を見ていないようですが、色々とあったようです。

『野火』の中で印象深いのは、主人公がひとりで東南アジアの陸地をさ迷ううちにめぐり合い、行動を共にするようになった兵士が、ふと、肉を調達してくるところです。

敗戦の色濃く、食べるものなんて無く、自分も何らかの病気に冒されている中で、その男はどこからか肉を見つけてきては、腹の足しにするようになります。

肉を持ってくる男はもちろん、主人公も、読者さえもそれがどこから来た肉なのかうっすらわかっているのに、あえて口にできない、不気味さ。

戦争小説って、こういう精神的内面の闇が全体的に浸透しています。

主人公が最後にとった行動が正しかったのかそうでなかったのか、また果たして主人公は「そうしたのか」、思わずうなってしまいます。






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最終更新日  2006/05/30 07:15:13 PM
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