これは… 私の周りでも 
似たようなことが ありました

積み上げる為の 時間は 重く
崩れる時に はずされた 足場は 
あっけないほど 軽いんですよね (2007/01/15 05:14:38 PM)

星の髪飾り

星の髪飾り

2007/01/15
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そこに、自分でせっせと掘った慣れの落とし穴があった。 繰り返される作業に

手抜きや余分が加わる時、賢明から容赦なく追放される。 

 生地見本依頼書
 備考欄: 小林様、今年もよろしくお願いいたします。 
      毎回ですみませんが、お客様に再確認していただく為、
      上記の生地サンプルを直送でお願いします。 
      納品日が近く、先方の上川様は少々神経質な方とお聞きしております。 
      お忙しい中、お手数おかけしますが至急でお願いします。

 ところが裕子がメーカーに送った依頼書は、この数日後、こともあろうに生地見本と一緒に

上川の手元に届いてしまった。 備考欄の一言が積み重ねた努力という建築を破壊した。

長い信頼関係で繋がっていたメーカーの担当者が不在の為、至急の文字に気を効かせた

別の社員が、ご丁寧に生地見本に依頼書を入れて送ったのだ。 


 仕事は打ち切られた。

「風雅」のクレームは、たちまち課内から社内へひろまった。

「インテリア課の信頼をなくした」

「最近、各営業所からの仕事が減った」

 当然のことながら、覚悟していた針の上で一月を過ごした。

それから間もなく、まるで冷めたインスタントラーメンを口に運ぶような何とも複雑な

空騒ぎの送別会。 それを最後に裕子は仕事から去った。 

十二年という年月があっけなく幕を閉じた。 



 引き際から体調も崩れていった。

季節の変わり目と言い聞かせながら、残務に悔いなく明け暮れる日々の中、二つの神経は

バランスを崩した。 自律神経を司る「活動」「休養」が乱れ、軽率の落とし穴に同行した。

けれどもそれらの症状は以前まったく無かったわけではない。 

傲慢のコートと肩書きの帽子を脱ぎきれない顧客。 接客業は互いに相手を選べない。 

子どもが親を選べぬように。 

必要以上の緊張と不安に遭遇した時、信号は黄色から赤に点滅する。

聴く側に判りにくい業界用語で実態を不透明にする、まるで一部の政治家がするような事を

仕事で真似て、外から追放された者もいた。 やはり去って行った彼女の信号は赤だった。

 それでも多くの躍動の源泉は、共に撰んだあの灯りの下で、あの家具に寄り添って、

あるいは疲労を脱いだリビングで、閉めたカーテンのひろがりを見て一瞬でも温もりを感じ

疲れが癒され、時に明日の充電のコンセントになるならば・・・・きっとそれらだった。


 裕子の信号が壊れた。 

歪みは熱も持たずに、身体のあちこちにフルコースでやってきた。

ただこの出来事が、あの若者達との出会いに繋がることを、裕子は未だ知らない。


                 撮影 kitakitune05さん





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最終更新日  2007/01/15 06:07:49 PM
コメント(14) | コメントを書く


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落とし穴…  
うりゃ1960  さん

こんばんは(^^)  
nanako0725  さん
大好きだった仕事を辞めたときは、何をしていても現実が受け止められなかったのを覚えています。
今、考えると全ての出来事は未来へ繋がっていて、今が素晴らしければ過去は「経験」と言う財産になることに気がつきました(^^)
物語の裕子さんも、きっと素晴らしい生き方をするのでしょうね(^^) (2007/01/15 07:05:26 PM)

一寸先は闇  
会社で50歳代の社員がつぶやいた。
「俺の人生、今となっては何も残らなかった。」
彼は課長だったが、部下の交通事故の責任を取らされて平に格下げされて左遷されてやってきたのだった。そこで、私も一事。「なあ~に、私だって前の会社の名前は言えないが同じような状況さ。しょせん使い捨ての人生さ。」----とね。 (2007/01/15 07:50:15 PM)

そうなんです  
kitakitune05  さん
墓穴を掘る、そう言うことですね!!
みんな経験することじゃないだろうか?
ですから、思うときは言葉を置き換えて考えるようにしてます。

信じていた会社、朝出勤したらその実態がなくなっていた、あんなに頑張ったのに、加害者になっていた。
怒りの向け場所無かった事も・・・
当たれる人、近くにいて良かったと思う、祐子さん。 (2007/01/15 08:17:41 PM)

緊張感!  
ひろ主任  さん
読んでいて物凄く緊張感があります!ドキドキしてしまいました...これは仕事、とくに接客業をしている者にとっては、いつ降りかかるか解らない現実っていうのを思い知らされます。
僕は、スーパー業界なんですが、毎日が緊張です。
小さなミス、伝達、管理を怠ると、いつでも落とし穴に落ちますよね。
第9話...裕子さん頑張ってほしいです(><) (2007/01/15 10:09:02 PM)

Re:落とし穴…(01/15)  
恵 香乙  さん
うりゃ1960さん
>これは… 私の周りでも 
>似たようなことが ありました

>積み上げる為の 時間は 重く
>崩れる時に はずされた 足場は 
>あっけないほど 軽いんですよね
-----
そうですか、よくあること・・であってはいけないんだろうけど、ネ。 人間だから。 そこからどうするか?にかかるんだろうか。 (2007/01/15 10:50:13 PM)

Re:こんばんは(^^)(01/15)  
恵 香乙  さん
nanako0725さん
>大好きだった仕事を辞めたときは、何をしていても現実が受け止められなかったのを覚えています。
>今、考えると全ての出来事は未来へ繋がっていて、今が素晴らしければ過去は「経験」と言う財産になることに気がつきました(^^)
>物語の裕子さんも、きっと素晴らしい生き方をするのでしょうね(^^)
-----
そうやね、過去からすれば今は未来やったわけやし、未来からしれば今か過去になるんやもんね。
裕子さんは? さて、どうなるんかな。 (2007/01/15 10:51:46 PM)

Re:一寸先は闇(01/15)  
恵 香乙  さん
ずうじゃじじいさん
>会社で50歳代の社員がつぶやいた。
>「俺の人生、今となっては何も残らなかった。」
>彼は課長だったが、部下の交通事故の責任を取らされて平に格下げされて左遷されてやってきたのだった。そこで、私も一事。「なあ~に、私だって前の会社の名前は言えないが同じような状況さ。しょせん使い捨ての人生さ。」----とね。
-----
50歳代、一番戦力になって頑張ってきた方がたかもしれないですね。 「使い捨て!」私もこの言葉を使ってことがあります。 今、ずうさんのコメントを読み、思い出しました。  (2007/01/15 10:53:48 PM)

Re:そうなんです(01/15)  
恵 香乙  さん
kitakitune05さん
>墓穴を掘る、そう言うことですね!!
>みんな経験することじゃないだろうか?
>ですから、思うときは言葉を置き換えて考えるようにしてます。

>信じていた会社、朝出勤したらその実態がなくなっていた、あんなに頑張ったのに、加害者になっていた。
>怒りの向け場所無かった事も・・・
>当たれる人、近くにいて良かったと思う、祐子さん。
-----
怒りの向け場がない、あってもあたれないってありますね~。 あたっちゃいけない場もあるし。 
ん? 裕子さん未だ誰にもあたってないと思うけれど、
過去にさかのぼってる流れだから、雄二君や竜也君のことかな? みんな経験することかもしれない。 多かれ少なかれ、、山あり谷あり(^^) (2007/01/15 10:59:30 PM)

Re:緊張感!(01/15)  
恵 香乙  さん
ひろ主任さん
>読んでいて物凄く緊張感があります!ドキドキしてしまいました...これは仕事、とくに接客業をしている者にとっては、いつ降りかかるか解らない現実っていうのを思い知らされます。
>僕は、スーパー業界なんですが、毎日が緊張です。
>小さなミス、伝達、管理を怠ると、いつでも落とし穴に落ちますよね。
>第9話...裕子さん頑張ってほしいです(><)
-----
そうですよね。 主任さんは特に責任ある立場、挟まれているポジション。 それでたまに、私のような天然のオバサンも客の中にいるんだろうから、、。 
ありがとうございます。 裕子さん応援してください。 (2007/01/15 11:04:06 PM)

Re:「世代」 8  シグナル(01/15)  
男前のお姉さん さん
慣れからくる怠慢。緊張感のない毎日が続くんじゃない。いっつも、気を付けていて、ほんの少しのズレが招く勘違いや、ミス。それが怖いんだよ。
間違いで済まない・・信頼を無くす。それは一瞬にして訪れるもの。
確認作業は 何回しても多いと言う事は無い。
仕事ってそういうもんだと思うよ。
特に私の場合は 命に関わるもんで・・・ (2007/01/16 12:16:23 AM)

Re[1]:そうなんです(01/15)  
kitakitune05  さん
恵 香乙さん
>kitakitune05さん
>>墓穴を掘る、そう言うことですね!!
>>みんな経験することじゃないだろうか?
>>ですから、思うときは言葉を置き換えて考えるようにしてます。
>>
>>信じていた会社、朝出勤したらその実態がなくなっていた、あんなに頑張ったのに、加害者になっていた。
>>怒りの向け場所無かった事も・・・
>>当たれる人、近くにいて良かったと思う、祐子さん。
>-----
>怒りの向け場がない、あってもあたれないってありますね~。 あたっちゃいけない場もあるし。 
>ん? 裕子さん未だ誰にもあたってないと思うけれど、
>過去にさかのぼってる流れだから、雄二君や竜也君のことかな? みんな経験することかもしれない。 多かれ少なかれ、、山あり谷あり(^^)
-----
前日のこれ
”悲鳴は、夫秀明の背中にぶつかり直ぐにヤマビコとなって帰ってきた。”
そうかなと、読んだのですが、
読み違いですか? ごめんなさい!!
(2007/01/16 07:22:18 AM)

Re[1]:「世代」 8  シグナル(01/15)  
恵 香乙  さん
男前のお姉さんさん
>慣れからくる怠慢。緊張感のない毎日が続くんじゃない。いっつも、気を付けていて、ほんの少しのズレが招く勘違いや、ミス。それが怖いんだよ。
>間違いで済まない・・信頼を無くす。それは一瞬にして訪れるもの。
>確認作業は 何回しても多いと言う事は無い。
>仕事ってそういうもんだと思うよ。
>特に私の場合は 命に関わるもんで・・・
-----
そう思う。 人の命をあずかるお仕事、怠慢、うっかり!は許されないものね。 介護もようや。 これから
介護する人が高齢化する。 確認を重ねても「ズレ」ってある。言い訳はできないし、辛いところやな。
(2007/01/16 11:00:16 AM)

Re[2]:そうなんです(01/15)  
恵 香乙  さん
kitakitune05さん
>恵 香乙さん
>>kitakitune05さん
>>>墓穴を掘る、そう言うことですね!!
>>>みんな経験することじゃないだろうか?
>>>ですから、思うときは言葉を置き換えて考えるようにしてます。
>>>
>>>信じていた会社、朝出勤したらその実態がなくなっていた、あんなに頑張ったのに、加害者になっていた。
>>>怒りの向け場所無かった事も・・・
>>>当たれる人、近くにいて良かったと思う、祐子さん。
>>-----
>>怒りの向け場がない、あってもあたれないってありますね~。 あたっちゃいけない場もあるし。 
>>ん? 裕子さん未だ誰にもあたってないと思うけれど、
>>過去にさかのぼってる流れだから、雄二君や竜也君のことかな? みんな経験することかもしれない。 多かれ少なかれ、、山あり谷あり(^^)
>-----
>前日のこれ
>”悲鳴は、夫秀明の背中にぶつかり直ぐにヤマビコとなって帰ってきた。”
>そうかなと、読んだのですが、
>読み違いですか? ごめんなさい!!
-----
ああ、確かにぶつけてる。 やまびこになったけれど。
男性はそうそうWIFEにぶつけられないから、そういう点では男は辛い。だから男なんかな
(2007/01/16 11:02:25 AM)

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