星の髪飾り

星の髪飾り

2007/11/03
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【ねえ、お母さん。お父さんが死んだ後、真沙母は辛かったと思う・・・その後私は、お母さんが生まれ育った大谷の家で暮らす事になったの】


 山肌におりなす雪占は、自然の息吹をたっぷりと吸い込んで、柔らかく光る。
多希子を育てることになった良子は、いつも朗らかな笑顔を絶やさない働き者だった。 多希子はザルを持って畑に向かう冴の後ろをついていった。 鶏小屋の前にやってくると、モンペの紐を結びなおした冴は、よいしょ!と言って腰を屈めた。                    
「タッコ、生みたての卵だに。ぬくといに」                 
「ふんとだ!ぬくとい」
 新入りに驚いた鶏は、突然コッココッコと騒ぎ出し、羽や糞が付いた棚に避難した。      

「ああびっくり! 卵の当番になったタッコだに・・・どうぞよろしく。 明日からは驚かんでいいでね」             

 豚小屋では、三頭の豚が大きな鼻を鳴らしていた。 おまけのような尻尾をつけた子豚が、格子の隙間から鼻を出した。                         
「く、く、臭い!タッコは卵が落ちるで、鼻をつまめん・・・」               

                                 photo by しば桜さん







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最終更新日  2007/11/03 09:21:28 PM
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