星の髪飾り

星の髪飾り

2007/12/17
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 散らし寿司を食べ終わった姫たちは、誰からとも無く「高校三年生」を口ずさんだ。
座敷の賑わいが静まった頃、良子がケーキを持ってやってきた。
「わあ! 丸いケーキははじめて見るに」
「バラのお花の上に、ほら!仁丹が振り掛けてあるに! 」
「これはお砂糖で作った真珠だに」
「おばさん、包丁いらんでね。 切らんでいい。 おてしょ(小皿)もいらん」
 多希子がそう言うと、良子は「いらんの?」と不思議そうな顔をした。 多希子が目を見開いて大きく頷いたので何か魂胆があると思い、良子はにっこり笑って部屋を出て行った。
襖が閉まると、みんなの顔が真ん中に集まった。 注目された丸いケーキは、桃色のバラの花と波模様の白いクリームに、銀色に光る粒がふりかけてあった。

「いい?切らんで食べるんだに。 よーいドンで食べるんな」
「えっ?・・・切らんで突っつくの? 」
「切るとケーキが別れて行くでね。 だから一つのまんまを、みんなで一緒に食べるんな」

 集った姫は、多希子が仕掛けた最後のハラハラに、口を噤んだ。





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最終更新日  2007/12/18 03:42:43 PM コメント(6) | コメントを書く


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