※ 前回の「花瓶」に「その1」と付けたが、原作ではないかという「そのような名のある道具ではありません」という小噺を入れていた。それを省いたので「その2」は無し。
【粗筋】
「ああ、もうやだ……」
杉の花粉症でくしゃみが止まらぬ親父が、飛騨高山に開いた寿司屋。入口に暖簾を出すだけで大騒ぎ、隙間から花粉が入らぬよう目張りをする。これを見ていた客が、職人を叱って騒いでいるのかと勘違い、目張りと、入る時はそっと入れと言われると、こだわりの店だと思う。くしゃみを我慢しながら握るのが、見ているとすごい集中力だと感動するが、食べてみても違いは分からない。もう一つ頼むと、くしゃみが始まってとても食べられない。客が怒って出て行ってしまう。こんな調子だが、ひどい花粉症の男が、この寿司屋が花粉症だと聞いて、ここなら断られないだろうとやって来た。しかし、くしゃみの連続でとても握れない。その後て来た客は親父が握るのを笑って見ていたが、横になると楽だというので寝転がって握るのを見ると帰ってしまう。これではとても商売にならない。出前を頼まれても外には出られない。
「お前さん、何とかおしよ。3時過ぎには届けますって言ったんだから」
「3時過ぎ……いや、もう過ぎ(杉)は沢山だ」
【成立】
春風亭昇太の創作落語。くしゃみが強烈で、聞いていて楽しい。花粉症の人が聞いたら身につまされるだろうが、その楽しさが落語の魅力。
因みに、私は目やにがひどくて医者に行った。翌年また同じ症状、医者が「花粉症ですよ」……なぜ去年言ってくれないのって言ったら、去年学会で発表になったのだそうで……大学時代、季節にくしゃみが出て、就職後も実家に帰るとくしゃみを聞いた近所の人が、あ、カズさんが帰ってるって挨拶に来た。どうやら私は花粉症の先駆者らしい。その医者が花粉症ですよって言った時から、手洗いうがいなどの対策を講じ、それからは出なくなった。
落語「ま」の33:松曳き(まつひき) 2026.09.27
落語「ま」の32:松操美人生埋(まつの… 2026.09.26
落語「ま」の31:松と藤芸妓の替紋(ま… 2026.09.25
PR
Keyword Search
Comments
Freepage List