【粗筋】
離婚したことを回りに知らせずにいてトラブルも起こる。そこで結婚式のように、離婚式をやろうという業者が出来た。招待状を受け取ると悩む。
「何を着て行けばいいのかしら」
「お葬式じゃないから洋服にするわ」
「ワンピースなの」
「いいえ、当然セパレーツでしょう」
「お祝いは幾らかしら」
「お祝いじゃないわよ」
「じゃあお香典なの」
「やっぱりお餞別でしょう」
「何て挨拶するの」
「おめでとう、ではないわね……ご愁傷様……」
「そうね……この度はどうも、とんだことで……」
「やっぱりお葬式ね」
「さぞかし、さっぱりなさったでしょう」
「お風呂上りね」
本番は仲人の挨拶、二人の馴れ初めから離婚に至る経緯までなので、かなり長い。乾杯は水杯、料理は犬も食わないような物、鯛の御頭無し、切り干し大根、デザートに湊川の菊水煎餅……これは楠公父子の別れに因む。友人代表の挨拶で、旧婦の友人は旧郎の悪事をあばき、旧郎の友人がそれを否定するので、一触即発の空気に……旧婦の挨拶で、喧嘩にならぬよう、「私が至らぬばかりに」と言うので、旧郎が「とんでもない、よくやってくれていた」と言い出した。互いに相手をかばって、これではなぜ離婚するのか分からない……というので離婚式を辞めて宴会に……集まった友達が涙を流す。
「夫婦の情にもらい泣きですか」
「いいえ、うれし泣きです。今度は杯に本物の酒が入りますから」
【成立】
芝山まじめ作、桂米丸が演じた。
【蘊蓄】
谷崎潤一郎が他に女を作った時、佐藤春夫は谷崎の奥さんに同情、面倒を見ていると子供まで佐藤の方が父親だと思うようになる。「秋刀魚にがいかしょっぱいか」の「秋刀魚の歌」はその心情をうたったもの。やがて谷崎と離婚して佐藤と再婚するが、新聞広で広め、式は離婚式から結婚式を続け、谷崎が媒酌人を務めた。
落語「ほ」の27:牡丹灯籠(ぼたんどう… 2026.08.05
落語「ほ」の26:牡丹茶屋(ぼたんぢゃ… 2026.08.04
落語「ほ」の24:ホタルの母(ほたるの… 2026.08.02
PR
Keyword Search
Comments
Freepage List