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May 6, 2008
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岐阜・徳山ダム:本格運用 課題山積のまま

 徳山ダム(岐阜県揖斐川町)は5日午前1時40分、本格運用へ移行する基準となる貯水位391メートルにまで下がった。4日には、ダム湖そばで旧村民らがコンサートを開き、沈んだ村をしのんだ。約1500人の故郷を奪った徳山ダムだが、現段階で利水の見込みはなく、愛知、岐阜、三重3県と名古屋市は苦しい財政の中、巨額の事業費負担を続けなければならないなど、問題をはらんでいる。

 徳山ダムの本格運用で岐阜、愛知県と名古屋市が得る水量は毎秒6・6トン(岐阜2・6トン、愛知2・3トン、名古屋1・7トン)。当初計画の15トンから大幅に下方修正された。高度成長時代の計画は、社会構造の変化などから「水余り」を生んだ。

 人口増が進む流域最大の名古屋市で過去10年の水道の給水量を比較すると、97年度の約3億1913万トン(約224万人)に対し、07年度は約2億9677万トン(約234万人)。工業用水も96年度の約2732万トンから06年度には約2387万トンと、ともに減少した。愛知県でも傾向は同じだ。名古屋市水道計画課では徳山ダムの水について「上水は渇水対策、工水も水質向上のために必要」と強調する。

 一方、岐阜県では、簡易水道から上水道への切り替えが進んだことから水道水の給水量は微増。しかし、流域の西濃地区の自治体は揖斐川に取水口を設置していない。同地区の地下水利用対策協議会(178社)によると、使用する工水はほぼ地下水で、1日平均使用量は約24万トンと01年以降ほぼ横ばい。同協議会の担当者は「地下水はきれいで水温が一定。半導体の洗浄などを行う西濃地区の企業に不可欠で、ダムや川の水には替えられないのでは」と話す。

 岐阜大の富樫幸一教授(経済地理学)は「渇水対策が強調されているが、過去には農業用を融通してもらってしのげた。長良川河口堰(ぜき)の水も余っている。ダムを造るより、水系で取水の仕組みを作り直すことが重要だった」と指摘している。【石原聖】

 ◇地元負担2000億円--利水分、約20億円ずつ23年間
 ダムの総事業費は85年には2540億円と見込まれたが、環境対策などを理由に03年に960億円増額され、最終的には3350億円になる見通し。

 国負担分1733億円と、発電事業を担当する中部電力、Jパワー(電源開発、東京)の負担分490億円を除いた、東海3県1市の負担額は、利子を含めると総額2000億円を超える。負担は治水分と利水分に分けられており、東海3県(名古屋市はなし)の治水分の負担額は計581億円で、11年度までに支払い終える予定。



 また、ダムの水を木曽川や長良川に流し、愛知県や名古屋市が利用できるようにする導水路を建設する計画もある。事業費は890億円で、3県1市の負担はさらに480億円増える。現在、導水路の建設場所確定に向けた調査が進められ、国土交通省中部地方整備局は15年度の完成を目指しているが、市民団体から「ダム湖の水は水温が低く、生態系に影響が出る」との批判が出て、中部地整は長良川では支流に放流する案も検討している。【稲垣衆史】

 ◇「山のにおい、懐かしい」--旧村民らコンサート
 ダム湖を望む高台に旧徳山村民がふるさとをしのぶ場として作られた徳山会館で4日、旧村民らがコンサートを開いた。

 現代津軽三味線奏者の徳山弦泉=本名・清水憲(のり)=さん(51)ら旧徳山小櫨原(はぜわら)分校の同級生らが企画した。徳山さんは村の思い出をつづった「揖斐川上流」など7曲を演奏。「揖斐川上流ふるさとよ 村を離れていく十年 山のにおいが懐かしい」との歌声が湖面に響いた。

 徳山さんは「完成したダムの姿を見ることなく亡くなっていった人たちに思いをはせながら演奏した」と話す。「昔のままの風景が頭をよぎった」という旧村出身で同館勤務の長屋昭二さん(71)は「『ダムはいらなかった』という議論が続く限り、私たち旧村民は救われない」と話した。【鈴木敬子、宮田正和】

 ◇地盤沈下で住民ら転々
 湖底に沈んだ旧徳山村の466世帯はすべて移住を余儀なくされた。うち331世帯は、揖斐川町、本巣市、北方町の県内5カ所に集団移転した。

 その一つ、文殊地区には79世帯が移転、83戸が建てられたが、地盤沈下のトラブルに見舞われた。

 水資源機構は、06年までに31戸を約1キロ以内へ、17戸を別の土地へ再移転させ、4戸は現地で地盤沈下対策を行った。

 残る31戸にも被害が出ているが、機構は「沈下量は許容範囲内」と移転措置はとらず、補修で対応。不公平感が生じている。

 機構は昨年11月、再移転した48戸分の跡地の一部をインターネット上で売りに出したが、買い手はなかった。跡地約2万4000平方メートルの利用方法は決まっていない。



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 ◆徳山ダム完成までの経緯◆

1957年12月 国が揖斐川上流域を電源開発促進法に基づく調査区域に指定

  71年 4月 治水、利水を含む多目的ダムとして実施計画調査開始

  76年 9月 国がダム事業実施計画を認可



  87年 3月 徳山村を廃村、藤橋村に合併

  89年 3月 旧徳山村全466世帯の移転契約が完了

  95年12月 国、学者や首長、議員による「ダム建設事業審議委員会」設置

  97年 2月 審議委員会が早期完成を答申

  98年12月 国が未買収地強制収用を認定

  99年 3月 反対派住民がダム事業認定取り消しなどを求めて提訴(1、2審とも住民側敗訴、上告棄却)

2000年 3月 本体工事着工

  01年 5月 県収用委員会が強制収用裁決

  03年 8月 水資源機構が1010億円の事業費増額発表。後に増額を960億円に圧縮

  03年11月 木曽川への導水路計画公表

  04年 7月 事業費増額や利水の下方修正を含む実施計画変更認可

  06年 9月 試験湛水(たんすい)開始

  08年 4月 試験放流開始

==============

 ◆徳山ダムと導水路の3県1市の負担額◆

       利水分      治水分 ダム計  導水路

愛知県    460(189)  65  525 318.4

岐阜県    592(275) 419 1011  29.7

三重県    ---(---)  97   97  13.1

名古屋市   430(206) ---  430 120.6

3県1市計 1482(670) 581 2063 481.8

 ※単位・億円。利水分のカッコ内は利子を除く額

毎日新聞 2008年5月5日 中部朝刊

http://mainichi.jp/chubu/news/20080505ddq041040006000c.html





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Last updated  May 7, 2008 01:22:20 AM
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SNOW BLIND @ お疲れ様! LIVE楽しかったですね。 私はアンディの…
Ayako8906 @ ダートラ 熱いメッセージありがとうございます。 …
SNOW BLIND @ ダートラ最高!! 先日のBIG CATでのダートラのLIVE行きまし…
Ayako8906 @ >みかど☆みやこさん こちらこそ、書き込みありがとうございま…
みかど☆みやこ @ Re:Captain Geki Rock 765(01/02) あけましておめでとうございます!&カキ…

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