ミモザ日和

2010.02.22
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吊り橋の「ゆれる」映像と、兄弟間の「ゆれる」心理描写が重なって、とても繊細に、心の奥深くに訴えてくる映画でした。



最新作『ディア・ドクター』のDVDも早く観たくて、珍しく新作のうちに借りました。
その前に、図書館で予約して『きのうの神さま』を読んでおくという徹底ぶり。
しかし、『きのうの神さま』は原作本ではなかった。。



『きのうの神さま』は「映画の時間軸では語りきれなかった、様々なエピソードや人々の生き方を、この本の中で蘇らせた」アナザーストーリーズ。

この場合は映画を観てから、本を読んだほうが面白かったかな、と思いました。
私も映画を観終わって、もう一度本を読み返した箇所もありました。

5編のばらばらだったストーリーが、映画の中のそれぞれの登場人物なのです。
こういうパターンに出合ったのは初めて。

映画も本も、どちらもより深いところまで味わえて、
最初に本を読んだときよりも、映画を観終わってもう一度読み返したときのほうが、感動が倍以上に膨れていました。



映画『ディア・ドクター』( 公式HP )は、1500人のうち半分が老人という小さな村の、たった一人の医師をめぐるストーリー。
患者の女性に付き合った嘘がきっかけで、自らが隠し続けてきた嘘も明らかになる。

今回も『ゆれる』同様、心理描写に心揺さぶられました。
風に揺れる稲穂、溶け出すアイスクリーム、雷空など、映像的に訴えてくるところが鳥肌立ちました。
繊細で美しい映画です。


(以下、少しネタバレ含みます。)
患者女性の「診ていただくとよくなったりもしたんですよね。バカですよね。」の言葉が印象的でした。
だれが嘘を知っていたのか、嘘をついたことは悪だったのか。
嘘が明らかになったとき、神様のように崇められていた医師に対する村人の変化や、立場を守ろうとするあまりにつく嘘。

嘘が明らかになった”現在”と医師が村にいた頃の“過去”が交互に描かれていて、その人物の時々の心理と嘘が浮き彫りになっていました。

実際、何が嘘だったのか、だれにもわからないのかもしれませんね。


『きのうの神さま』の中の一遍、『ディア・ドクター』は全く別のストーリーで、映画の医師の弟目線から書かれています。
医師に憧れるようになった生い立ちが細かく描かれているので、映画の中の「嘘」がいかに生まれたのかも想像できます。

『1983年のほたる』は患者女性の娘が小学生の頃のストーリー。
映画では東京で医師になっているのですが、
「全く変わりばえのしない人たちと、全く変わりばえのしない風景を見て、お姉ちゃんたちが過ごしてきた後を全く同じようにたどるのは、わたしはいやだと思っている」小学生の憧れや嫌悪感が色濃く出ていて、私は冒頭のこのストーリーが一番好きです。


他の短編も、映画の中の看護婦の過去を思わせる作品や、研修医の未来を思わせる作品になっていて、合わせて見てみると面白いです。






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Last updated  2010.02.22 21:58:11
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