ミモザ日和

2010.03.22
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2010年本屋大賞ノミネート作品も2冊読むことができました。


『横道世之介』吉田修一

80年代、田舎から東京に出て一人暮らしを始めた世之介。
とらえどころのない性格なのに、読んでいるほうも親しみを感じてしまう。
後に友達の一人が、「世之介に出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。 たぶん何も変わりはない。
ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世には大勢いるのかと思うと、 なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる。」と語る、これに尽きるのだと思う。
80年代の話の途中、関わった人たちの視点で描かれた20年後の話にとび、そこで世之介の未来を知ってしまい、衝撃を受ける。
一方で、関わった人たちの将来に少なからず影響を与えていたことも知ることができ、そこがこの作品の深みを出しているように思う。
読んでいる私も、読み終えるのがもったいないような、さみしいような気持ちにさせられた。
最後のページは、予想外にだーっと涙が溢れて止まらなかった。




『植物図鑑』有川浩

「植物図鑑」といっても図鑑ではありません。
でも見開きに植物の写真が載っていたり、巻末には野草レシピが載っていたり、図鑑の要素も十分具えている。
甘い恋愛小説と植物図鑑の見事な融合。
私にとって、野草を摘んで料理するストーリーはツボ。
ツクシ、タンポポ、ノビル、セイヨウカラシナ、イタドリ、ノイチゴ、ヨモギなど。
実体験と照らし合わせながら、楽しく読み進めた。
この本を読むと、お散歩に出かけ、野草を摘みたくなると思う。
特に春のこの時期に読むのがおすすめ。
恋愛小説としては、私にはちょっと甘すぎた。少女マンガのような世界。
でも、 「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」
川端康成のこの名言を、「女々しい」と言いながらも実感し苦悩する主人公を応援する気持ちになれた。


『植物図鑑』の冒頭に出てくるのがヘクソカズラで、私もあんまりな名前、と以前日記に書いたことがあったため( こちら )、この時点でもう好みだとわかりました。

野草料理もたんけんたいでよくする( こちら )ので、目がキラキラ。
セイヨウカラシナの胡麻和えやタンポポの天ぷら、今春も早く食べたくなりました。



あと、久しぶりにたくさん泣いたのは、

『チッチと子』石田衣良

そこそこの小説家の父とその息子、カケルの心温まるストーリー。
10歳のカケルの言葉には何度も泣かされた。
父(チッチ)が自信を亡くしたときに、励ました言葉。
事故で亡くなった母(ママッチ)を大切に思う気持ち。
私も小学生になる息子がいるが、カケルみたいな優しい子になってくれたらなぁと思った。
カケルがこんな風に育ったのは、チッチが小説を書きながらご飯を作り、愛情をたっぷり注いでいるからだと思うし、亡くなったママッチも素敵なお母さんだったんだろうな。
親子のストーリーというだけでなく、出版業界の裏話を垣間見れたのもうれしかったし、恋愛も織り交ぜてあって、とてもお得な1冊のように思う。



『パレード』吉田修一、『森に眠る魚』角田光代 は怖かったけど、読み応えのある作品でした。
特に『森に眠る魚』は色んな母親が出てきて、子育てのこと、ママ友のことなど、考えさせられると思います。



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Last updated  2010.03.22 21:29:46
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