mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2007年11月10日
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暗闇を引き裂く赤い閃光、高速で移動するアルテミスの身体を包む赤いオーラが尾を描き
月光に照らされたその軌跡はあたかも彗星のように映る。

ゲートキーパーの巨大な姿を肉眼で捉える事が出来る位置に達するとアルテミスは空中で停止した。
その足元には淡いピンクの魔方陣が浮かびあがり、アルテミスを足場のように支えている。

「レッドストーン!障壁展開!」

『イエス、マスター』

額の宝玉が少し煌き、アルテミスに答えるとアルテミスを包むオーラが球体状に広がり、群がる魔獣達を跳ね除ける。
この時点でアルテミスはレッドストーンと呼ばれる赤い宝玉をほぼ使いこなしていた。
それは、レッドストーンがアルテミスをマスターと呼んだことがなによりの証拠である。

そして、多くの人々の覚悟と秘められた想いがアルテミスにレッドストーンを受け入れさせた。

「レッドストーン、目標補足できる?データを送って」

『オーライ、ターゲットロック』

「うーん、大きいだけじゃないみたいね。コアとなる欠片から大量の魔力が放出されている」
「展開された魔法障壁は四重構造、周りには召喚された魔物の群れ」
「ぶっちゃけ、接近戦はこちらが不利ね。消耗戦になったら私の体力の方がもたない」
「どうせ、再生機能も完備してるはずだし……」
「決めた、あれしかない。一気に決めましょう」
「あの初めて彼方に触れた戦い、マシンインターに放ったあの魔法で決めるよレッドストーン」
「レッドストーン、超長距離射撃モード!」

『オーライ』


同時に額の宝玉から大量の魔力が溢れ出し、背中に生えたオーラの翼が左右六枚に広がり始めた。
そっと瞳を閉じるアルテミスの気は高まり、魔力が槍を伝わり先端に凝縮される。
槍の尖端には巨大な魔方陣が光り輝き、その円周上に魔力により五つの火球姿を現した。
アルテミスがゆっくりと瞳を開けた時、巨大な五つの火球は互いに螺旋を描き巨大な魔獣へと光の軌跡を描きながら突き進む。
魔法の発射による反動に飛ばされそうになるが六枚の翼により支えられる。

その衝撃は轟音と共に次々と障壁をガラス細工のように打ち砕きゲートキーパーに直撃した。
衝撃と高温により肉は削げ落ち、苦痛に満ちた表情を見せる巨大魔獣ゲートキーパー。
しかし、その恐るべき再生能力は火球の持つエネルギーと衝撃と高温に耐えた後、直ぐに元の形へと戻りつつあった。
そして、アルテミスを確認すると全身から暗黒のオーラを噴出し球状のエネルギー体を作り始めた。

「見えたよ。ゲートキーパーのコア、これで決めるよレッドストーン」
「全力全開!マキシマム・メテオ・バスターーーーーーーー!」

アルテミスの声に反応するように、真っ赤なオーラが槍の尖端に集まりだす。アルテミスの身体、額のレッドストーン、そして周りの
魔獣達、天空、大地、全てのありとあらゆる所のオーラがアルテミスの槍に集約されていく。
それはまるで天から降り注ぐ光の雨のように優しく強い光がアルテミスの意思の元に集う。

「シューーーーーート!」

槍の尖端に輝く魔方陣の前に集まったオーラの球体が、先程の五つの火球の軌跡を辿るように轟音を発しゲートキーパーに突き進む。
その威力は先程の五つの火球を足してもなお倍以上。
その勢いは一切衰えず、反撃をするはずの黒いオーラと球体もろともゲートキーパーを飲み込んだ。

パキン!

その音は、ゲートキーパーの内部で力の源となるレッドストーンの欠片が砕け散る音であった。


赤石物語
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



蹲るザードフィルが聞き取れない声で呟きながらどうにか立ち上がろうとした時、世界全体が震えるような振動と轟音に包まれた。

「な、何事だ」

「これ程の魔力、どんな化け物が現れたんだ」

ガラテアとセシルスが驚きの表情を隠さない。もっともこの場にいる全ての者達が今までに感じた事のない異様な魔力を肌で感じていた。

「まさか、これ程の魔力を秘めた客を呼び出す事になるとは流石に予想外だったな」

この言葉に一同が身構える。言葉の主は先程まで膝をつき苦しんでいたザードフィルであった。
しかし、その表情は先程までガラテア達と交戦していた時のような禍々しさが消えている。

「花火、随分待たしたな。なんとか奴を燻り出すことに成功したようだ」

言葉と共に指差した空中には、もう一人のザードフィルが追放天使の姿を現し翼を広げ空中に浮遊していた。

「さぁ、レッドストーンの欠片は消滅したようだ。もう他のゲートキーパーの偽石に魔力は供給されない」
「剣聖達が魔方陣を破壊するのも時間の問題だ。観念してもらおうか赤い悪魔よ」

ザードフィルがもう一人のザードフィルへ揺さぶりをかけるが赤い悪魔と呼ばれた方のザードフィルはにやけるばかりである。

「いったい何がどうなってる」

ガラテアが混乱の声を漏らす。そこへ花火が進み出て二人のザードフィルについて説明をする。
つまり、前回の赤い悪魔との戦いの結末に異次元へと流されたザードフィルと赤い悪魔はエリプシャンの村の事件により再び現世へと戻ってきた。
その時、トリーシャとその姉妹を救出するために赤い悪魔へ憑依したザードフィルは皮肉な事に自らの宿敵、赤い悪魔を肉体に取り込み
その後の行動を共にする事となった。
当初、この邪悪な悪魔を自らの中に封印することにより安心していたザードであったが、その邪悪で巨大な意思の力に次第に肉体と精神を
奪われていくことに気づき、過去の戦友であり共に現代に蘇った花火達と共に赤い悪魔の完全消滅を企てていった。
しかし、同じ肉体に共存する宿敵に気づかれず作戦を遂行するには至難を極め更に自体を複雑にしていったのは自らの身体だけでなく精神
までも赤い悪魔に支配されつつあったことであった。そして、もう一人のザードフィルの狙いが過去の戦いで失った自らの肉体を異次元から
再び取り戻す事と発覚したのをきっかけに再び宿敵である赤い悪魔との決戦のため、花火と同じく現代に蘇った剣聖sakezukiと連絡をとり
今回の内戦を利用して赤い悪魔の企てを阻止することとしたのであった。
もちろん、ザードフィル本人が赤い悪魔に完全に支配されているなら自らと共に葬るように依頼していた。

「さぁ、ここからが本当の祭りの始まりだな。赤い悪魔、いや『明けの明星』と呼ばれ神よりもっとも愛された熾天使、光の大天使長…ロシペル」

「……」

ザードフィルの言葉に対し、ロシペルは反応を示さずただ無言で宙より見下すだけであった。
しかし、ザードフィルとロシペル以外の全ての者達は自分が今聞いたことへの理解ができず困惑の表情を見せるだけであった。


<あとがき>

随分時間が掛かった割りに大味な展開に物凄く反省しています><;
でもソロソロアップしないと殆どの読者が忘れてしまうのでw
さて、インフレ気味のアルテミスのパワーはどうなるのでしょうか?

ロシペルと神話のルシファーを同一的な扱いにして良いのか?
ますます暴走気味ですがこのまま年末まで突き進みますb





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最終更新日  2007年11月10日 19時55分00秒
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