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ふたり組みの女子大生。とある街を歩いておりました。女の子ふたりで歩けば、話もはずみます。交通規則もきちんと守り、清く正しく道の右側を歩いていたのでございます。…と、突然ひとりのお方が、何も言わずにスーッと道の左側へ。「え、え、何。なんで。どうして。何故?」あわてて後を追いかける、もうひとりのお方。「し、静かに。○○○大学ですわよ、ほら。」「は?」「○○○大学です。目を合わせてはいけませんわ。犯されます。」…犯されるって……。確かに向こうからは、大学生らしき人影が。でも、やさしそうなお方なのですが…。偶然とはいえ、たいへんお気の毒な殿方でございました。
2007.11.30
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あと10歩あるく間にあなたが振り向かなかったらサヨナラ言おうそう決めていた今日は満月ふたつの影が追いかけっこしている…10歩めで立ち止まる私あなたは振り向かない消えていく背中消えていく足音「さよなら」小さく言った私の言葉もあなたには届かないあなたの笑顔が好きだったあなたの少し照れた笑顔が大好きだった「ごめん」そんな言葉聞きたくなかったのに…
2007.11.30
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彼が通う耳鼻科の近所で、事件発生。さっき出て行ったばかりの彼が、帰ってきた。「やべぇ。警官がいっぱいいてさ。怖くて入れねぇ。」「は?…もしかして、行かずに帰ってきた?」「だってさ、捕まったらどうすんだよ。」何か後ろめたいことでもあるんですか、あなたは…。「後で行く。」「…さっさと行きなさい。」彼女はやさしく、背中を蹴ってあげたのでした。一時間後。心なしか小さくなって帰ってきた彼。ボソッと一言。「お巡りさんに、手引かれちゃったよ。」「ん?…どういうこと?」何故か離れた場所に車を止めさせられた彼は、終始警官にぴったりと寄り添われ、まるで幼稚園児が横断歩道を渡るときのような扱いを受けたとか。んー。その昔を思い出すような、遠い目は止めなさい。
2007.11.29
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寮でのお話でございます。お嬢様がお集まりになる女子大といえども、各部屋に浴室を付けるわけにはまいりません。当然、お風呂は大浴場。女性だけと思うと、だんだん警戒心も恥じらいも、薄れてまいります。ある日のこと。あるお方、男性顔負けの正々堂々とした態度で、浴室にお入りになられました。とそこへ、天をも裂くような怒声が。「前をお隠しあそばせ!」聞き間違うわけがございません。美しくも麗しき寮監長のお声。あっけにとられたそのお方。同時に何かが頭をかすめて…。それはなんと、寮監長様が投げられた“石鹸”だったのでございます。「…、…。」「…せ、先生。お下品でございますわよ。」
2007.11.28
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「見て見て、このお店。行きたいねぇ。」彼女の手には、先日出たばかりの“ミシュランガイド東京”。輝かしい光を放っている。どこで手に入れるのか、朝のニュースで取り上げられていた話題のモノは、次の日には必ず彼女の手の中に納められているのだ。「いいね。今度行ってみる?」「…大丈夫?」「大丈夫じゃね?……あ、いや、ちょっと待って。この頃眼が疲れてさ。…うーんと。」「いやいや、疲れ眼じゃないから。数字、ダブってないから。見たまんまだから。」「ギョエ!誰が食うの、これ。…というか、誰のためのガイド?」「そんじょそこらの方々よ。」「……。」そして二人は静かに表紙を閉じたのでした。
2007.11.27
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