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densuke369 @ Re:同様の事件・子供の「仲良し」同士に要注意!(06/20) これが、真相かもしれないですよ。でも作…
alex99 @ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…
May 14, 2004
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ひさ子さんはノリノリが渡米した10年前からお世話になっている人で、彼女のことをMommyと呼んでとても大切にしている。Daveという素敵な旦那さんがいたが、昨年の暮れに亡くなった。Daddyと呼んで慕っていたDaveがいなくなってから、私達はとても淋しい思いをしているがひさ子さんはそれ以上に悲しんでいる事を私達は知っている。毎年、母の日は彼女の家に何か持っていっていたけれども、今回はDaveがいない分やっぱりちょっと寂しかった。

例年のごとくサプライズにしよう、と彼女に連絡していなかったので家に着くとひさ子さんはおらず、娘のテリーと彼女のガールフレンドがいた。テリーはちょっと変わっていて、心は優しいけれども偏屈な人。もう42歳ぐらいだけど、見た目も心も(頭も・・・)とても子供で話していると楽しいけれども、時々耐えられない時がある。止めてくれ、って言ってるのに犬を「ほら、Mにキスしてあげな~」と顔に近づけてきたり(動物は好きだけどさすがにキスはできない私)、塩は嫌い、とかいって市販のものは散々食べるくせに自分が作った食事には塩を絶対入れないだとか、野菜を一口も食べないだとか、どうでもいいことなのに口調がなぜかきつくなったり・・・。凄くコンサーバティブで新しいことは絶対挑戦できないタイプの頑固なアメリカ人である。10数年付き合っていたボーイフレンドのジムがいたが、結局ゲイとして女の子のパートナーと最近付き合い始めた。本人はずっと悩んでいたけれども、ジムもちょっとゲイの気があったらしくどんなにテリーが結婚したいと思っても決してプロポーズしなかった。ジムも心は優しいけれどもちょっと変わっていて、テリーをずっとガールフレンドとして大切にしていたけれども体の関係が一度もなかった、とか聞いた。そんなことはどうでもいいが、そんな不安定でよく分からない付き合いがもともと気が不安定なテリーをますます不安定にしたのは言うまでもなく、その付き合っていた10年間、バイのテリーはゲイとして生きるかそれともジムとの将来を期待するかずっと悩んでいた。

それで私達がテリーと会った時、彼女はまずノリノリに向かって「Brother,私決めたんだ。もうジムは待たないの。振り切ったんだ。」と言った。テリーと知り合って3年ぐらい経ったが実はそのセリフは過去に既に2回聞いた。だから、あっそう・・・、とあんまり驚かなかったが、心から新しいパートナーの彼女と上手く行くように、心で願った。

ひさ子さんはショッピングモールから後数時間で戻ってくるから、と言われてノリノリと私は取り合えずダイニングテーブルについてテリーとそのガールフレンドと話した。ガールフレンドは体が大きいものの雰囲気はテリーとよく似ていて、はっきりものを言うし口調がきつい。性格は悪くなさそうだけど、ちょっと変わっている。ま、お似合いかな、と私は思っていたがノリノリはちょっと戸惑っているようだった。

話題はもっぱら私達のベイビーの話になった。6ヶ月にしてはお腹が小さいとか、ベイビーレジストリーを作ったかとか、新しいアパートの話とか、生まれるときの夏の予定とか。で、男の子だったの、女の子だったの?、と聞かれたので確実に男だと答えると、姪っ子しかいないテリーはかなり喜んだ。

その時、ふとガールフレンドが、最近何か変わったことないの?、と聞いた。私はノリノリが仕事のことでも話すかと思ったら、ノリノリは突然この前ゆーゆーに聞かせる為に買った太鼓の話をし始めた。

それで太鼓を聞かせていて胎動の反応もすごくいいんだ、って話をするとテリーもガールフレンドも私達の話に理解を示そうとするどころか、突然「何言ってるの?!ベイビーが寝るのに必要な音楽をずっとかけなきゃいけないでしょうが。」「クラシックが頭にいいんでしょう、今から始めないともう遅いよ。」「そうそうもう遅い。」とか勝手なことを口々に言ってきた。ノリノリは場を合わせようと「そうだよなぁ~、そんな音楽でしか寝れなくなったら・・・」と苦笑いをしたが、人の気持ちも知りもしないくせに「もう遅い」とか言った彼女達のセリフに私はかなり頭に来た。妊娠した事もないくせに、調べた事もないくせに、何てこと言うんだ。「That’s none of your business!」と叫ぶところだったが、彼女らが変わっているのはもう最初から分かっている事、子供相手に切れてもしょうがないとぐっとこらえた。

と、その会話の直後にテリーが「で、名前は決まったの?」と聞いてきた。

それはあんまり聞かれたくない質問だった。と、いうのはDaveが亡くなった日、テリーは「もし、ベイビーが男の子だったらDaveって名づけてよ・・・」と泣きながら私達に頼んだのだった。私はそれを頼まれた時、冗談じゃない、私のベイビーなのになんでDaveって名前を付けなきゃいけないのよ、関係ないでしょうが、とかなりぶちきれていた。そういうことを一回頼まれてしまうと、約束していないのに他の名前を付けるのにとても罪悪感があった。名前を考えた時はいつでもテリーの顔が頭に浮かんだものだったが、それでも日本人としてゆーゆーに誇りを持ってもらいたいので迷わず日本語の名前をつけた。

いつかは言わなければいけないことだったので、私達は思い切って「うん、名前ね、決まったよ。YUXXXXって言うんだ。」と紙にスペルと漢字を書いた。

すると紙を見て、ガールフレンドは「ふーん、ちょっと違うね。」と言い、テリーは「随分違うね、発音できないからもういいよ。」とスペルを読もうともしないで「アメリカの名前ないわけ?いいよ、のりジュニアって呼べばいいでしょ。」と切り捨てた。

私はかなり頭に来て「なによ、読もうともしなかったじゃないっ」と叫んだ。私の名前だって、ノリノリの名前だって発音できるくせに、なんだその態度は。本人がまだ私のお腹にいるから、適当なこと言って。その最初から名前が日本語だから、読もうともしないって態度なんなわけ?そのアメリカの名前が当然、って態度はなに?

ひさ子さんが来るまでこんな会話が続くなと思い、私は横のノリノリに「ね、お昼ご飯食べにいこう。ひさ子さん帰ってくるまで時間あるじゃん、それまで外行こうよ。」とさっさか家を出た。朝早く出たので、昼の時間にまだなっていなかった。とにかく車をダイナーまで走らせて駐車場に止まったが、こみ上げてくる怒りで言葉に詰まって動けなかった。ノリノリは「ああいう考えの人にまともに怒ったってしょうがないだろ?気にするなよ。」と慰めてくれたが、それでも彼らの失礼な態度に、おなかのゆーゆーの為にいろいろ考えてあれこれやっている私自身としては耐えられず、気を落ち着けるのにしばらく時間がかかった。

ひさ子さん抜きで彼らに会いたくなかったので、私達はドライブをして数時間つぶしてようやく彼らの家に到着した。

全く連絡してくれればいいのに~!と笑っていたけれど、ひさこさんは私達が持ってきた花をとても喜んでくれた。Daveが居なくなってね、亡くなった直後より今のほうがもっと悲しみが増してきて良く泣くようになったのよね、とぽつりと言った。ノリノリが一番心配していた事だ。でも学会の活動が忙しいらしくなんとか元気にやっているようだった。それからベイビーの話になり、あれやこれやと話して、テーブルの上に置いてあったゆーゆーの名前の書いた紙を見て、いい名前じゃない、と言ってくれた。

どんな意味なの?と聞かれたので、「人と人を繋げて、そして人の繋がりの流れをつくっていく、っていう感じの意味かな。」とノリノリと私の解釈を一生懸命説明した。テリーも側に居たので英語でも説明した。

するとテリーは「それはとってもきれいな意味だね。きれいだよ・・・」と返事をした。「発音はなかなかできないけど(おいおいトライしろよっ)、でもその名前ならルルーとかで呼ぶかもしれないけど、名前の意味は本当に素敵だと思う。」と言って横のガールフレンドもそうだね、と笑った。私はその言葉を聞いて、やっぱり日本の名前をつけて良かった、と心から思えた。





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Last updated  May 14, 2004 01:06:36 PM
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