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densuke369 @ Re:同様の事件・子供の「仲良し」同士に要注意!(06/20) これが、真相かもしれないですよ。でも作…
alex99 @ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…
May 17, 2004
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ノリノリと私は今までフルサイズのマットレスに一緒に寝ていた。これは、私が学生の時に引越しした人から中古で買った品物で貧乏学生の私には十分使えるものだった。ノリノリは貧乏学生時代、どこかで購入したかた-い布団ベットで何年も過ごした。一緒に暮らすようになってから、ノリノリの布団ベッドはソファになり、私のマットレスが二人の寝場所になった。私達二人とも、そんな感じの人から安く買ったりどこかの安い商品だったりの家具にとても慣れていて、二人でいる限りあんまり贅沢な品は買っていなかった。

そこでマットレス屋に行って、フルサイズよりもう少し大きいクイーンサイズのマットレスを見に行った。マットレス屋さんのセールスマンは、見慣れない高級なマットレスたちを目の前にしてまごまごしている私達に「まぁ、取り合えず寝て見なさい」といろいろなマットレスに横にならせてくれた。

随分寝心地がいいマットレスだったが、値段を聞くと$1200です、とか$1800です、とかもう手のつけられないような金額を言って私達はがっかりした。すると上手な彼は「うーん、予算が$500ならこんなのがあるけど。」と、端っこのコーナーに連れて行ってくれた。

あれだけ寝心地のいいマットレスで横になった後でそのマットレスに寝てみると、私はなおさらがっかりした。

その寝た感触っていのは、ノリノリと私が寝ているマットレスと全く同じ感触だったのだ。あぁ、私はこんなマットレスで6年間も寝続けていたんだ。どんなに新しいマットレスでも、今寝ているマットレスと何にも変わりが無いんだ…。

そう思うと、今お金が多少なりとも学生の時よりはあるというのにそのお金をまた学生の時と同じ様なマットレスに費やすのにかなり抵抗が出てきた。そして自分が今まで「頑張って貧乏していたんだなぁ」ということをしみじみ感じてしまった。自分のしてきた苦労とかいろいろなことが思い出されて、たかだかマットレスを買いに来ただけなのにかなり感傷的になる。多分、ノリノリも同じ気持ちだっただろう。

そんな様子を見込んでセールスマンが「あっちにね、アウトレットがあるけど、見てみるかい?」と言う。実は私達が入ったマットレス屋はたまたまアウトレット店だったのだけれども、この店、アウトレットの方は店内中ほどに配置してあるらしい。私達が最初に寝たのは入り口の近くのものだったので、アウトレットと言うよりは新品だったに違いない。

次に私達が寝たのは、$800の硬めのマットレスだった。その寝心地のいい事…。マットレスを包んでいる布やクッションはソフトで心地が良く、でも寝てみると硬めですっきりする。セールスマンはそのブランドマットレスの中のスプリング構造を丁寧に説明してくれて、どれだけ丈夫であるか教えてくれた。(これは、ゆーゆーがちょっと大きくなってマットレスの上でトランポリンして遊んでも大丈夫そう・・・)ちなみに元値は$1700(!)でワールドクラスのブランドである。あんまり心地がいいので、セールスマンと話しているというのに私はうとうとしてくる。予算が$500だった為、ノリノリと私はその心地いいマットレスで横になりながらその余分な$300分なんとか安くなったりしないものかと真剣に悩み始めた。二人とも当然のごとくさっきの$500のマットレスに戻る気は起こらず、セールスマンに他に無いのかとか色々聞く。しぶしぶと奥の倉庫に入っていた$600のマットレスを試させてくれた。彼が言うには、少々安価にはなるけれども質のよさはさっきの$800と殆ど変わらないということだった。それに寝てみたが、硬さは良くてもいまいちあのソフト感が無く、ノリノリも私もあんまり満足できない。あぁ、良品の素晴らしさを知ってしまうってほんと、罪だよなぁ。

結局いろいろ話した挙句、$800以下にはできないけれども$50相当のラテックス製枕二つと同じく$50相当のマットレスフレームを値段に込みにしてその私達の気に入ったマットレスを売ってくれるとそのセールスマンは言った。私は頭の中で手持ちのクレジットカード達にどうやって分配して返済していくかくるくる計算しながら、うーん、やっぱりもうこれを買うしかない!と心に決めていた。高い買い物だけれども、ノリノリも私も、そして生まれてくるゆーゆーも間違いなくそして後悔なく(例えこの店員が上手に売っただけだったとしても)このマットレスでこれから長い長い間快眠できるに(また遊べるに)違いない。買うぞ~っ!


一昨日、ついにそのマットレスがうちに配達された。古いマットレスがあった場所に早速置いて横になってみると、この寝心地といったら・・・あぁ、なんて贅沢なんだろう。こんなものが買えるようになってありがとう!うん、もうなんでもいいけどありがとう!と誰に感謝するわけでなく喜びにひたるしかない。ノリノリも私も何回も横になってこのささやかな贅沢を満喫した。

古いマットレスは日本人学生などがよくチェックする掲示板に宣伝を載せて売りに出す事にした。私のマットレスは古いけれども、広さがあるし、きちんと寝床になるので貧乏学生にはそれでもささやかな贅沢だ。ノリノリと私が辿った道をまた新しい誰かがきっと歩んでいく。そんなスタートに立ったこれから花開く人を、この古いマットレスがまたしっかり見守っていくんだろう。その人にも違う贅沢を手に入れる未来が来ますように。





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Last updated  May 19, 2004 05:30:48 AM
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