misty247

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2008.04.28
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カテゴリ: 私の歩いた山と道

水をわたり また水をわたり

春風 江上のみち
おぼえず 君が家にいたる

 上のは「胡隠君を尋ぬ」(こいんくんをたずぬ)という漢詩で、通っている詩吟教室でこの詩を習った。そして、この詩を読んでまっ先に浮かんだのが金剛山の春のカトラ谷で、また、金剛山の春のカトラ谷を歩くときは、いつもこの詩が頭に浮かぶのである。
 ただ結句の「君が家にいたる」はカトラ谷にあわないから、「おぼえず麓の道にいたる」とでもしたいところである。ところがそうすると、「花」と「家」で揃っていた脚韻が「花」と「道」であわなくなる。漢詩には難しいルールがあって、簡単にはいじらせてくれない。それでカトラ谷を歩くときの後半はいつも、「家」と韻の同じ漢字で何かぴったりなのがあるだろうかと、韻の詳しいことも知らないままにあれこれ推敲して、おぼえず麓に辿りつくのである。

 宵の空に星のともるように、ニリンソウが青草の上に白く咲きだして、カトラ谷のお花畑はもうオープンを迎えていた。去年の写真をみると満天の星空さながら、白と緑が半々ぐらいまで花が咲いていた。これからが花盛り。ヤマシャクヤクも咲くだろうか。
 5月上旬、また訪れたい。カトラ谷を歩き、またカトラ谷を歩き。


▲ニリンソウ咲くカトラ谷のお花畑('08.4.28)

 この日は水越峠から丸滝谷に入り、途中で石ブテ東谷に入った。石ブテ東谷は、今年の冬に少しだけ踏み込んだだけで、まだ奥まで詰めたことはなかった。
 入り口は垂直の滝で、ロープがかかっている。しかし、下から見て最後のムーブがいかにも厳しそうだったので、左の土手道で巻くことにした。そこから先は、実に面白い谷道だった。滝も景色も様々。丸滝谷のように広く開けたかと思うと、妙見谷のように両側に岩が迫るところもあった。途中あまりに狭くなったので、尾根に抜けるべきかと迷った。少し先を踏査すると明るい広場に出て、この谷道の表情の豊かさに驚かされた。
 谷間から見える頂はまだずっと先だ。いったいどこまで続くのかと訝りながら、どんどん詰めていくと、やがて水が切れて、最後の詰めの急斜面になった。あまり歩かれることのない谷道だから、この辺り、急斜面に靴幅1つ分のサブ・コースが縦横に通っていて、どれが本コースか判らない。そのどれもが、ためらいと迷いの踏み跡であることは、2度目に来てはじめて見抜けること。
 正面から攻めるのは足元が崩れて進めないから右の尾根へ逃げた。しかしそこも大差ない斜面だった。掴める木を頼りに登りきると、ようやく尾根筋らしき道に合流した。少しいくとケルンがあった。おそらくこの谷の取り付きを示すものだろう。窪みを逸れずに真っ直ぐ詰めるのがルートだったようだ。


▲石ブテ東谷終端のケルン

 少し行くと見覚えのある地に出た。今はなくなったが、丸滝谷コースは、最後に木に吊ったワラジが迎えてくれていた。その丸滝谷ゴールの場所だ。


 大日岳でランチタイム。そのあと神社で拝んで、カトラ谷を降りた。井戸が水道に変わったことを知った。カトラ谷は崩壊地の少し先に橋が架かって、また歩きやすくなっていた。
 黒栂谷を登ってセトへ。青崩を横切って石ブテ西谷へ。今回は石ブテの東西往還コースだ。
 石ブテ西谷は何本かのロープが無くなったような気がする。難易度が上がっていた。すべての滝に難儀しながら下った。滝の連続する西谷は、やっぱり手強い。大過なく無事に林道までおりてほっとした。
 大堰堤の両側斜面にはヤマブキがたくさん咲いていた。見上げていると、葛城の山頂が少し紅くなっているのが見えた。ツツジだ。ひと目百万本の季節がまたやってくる。  <終>





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Last updated  2008.05.01 14:02:01
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