misty247

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2011.06.07
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カテゴリ: 点字・点訳
 7才になるまでは、頭の中に言葉も文章もなかった。あるのはイメージだけ。ママの袖を引っ張るとき、ママには他のところを見ていてほしくなかった。他のどこでもなく、私だけ、私の顔だけを見てほしかった。それこそがコミュニケーションだと思っていたからだろうか、ママには絶対にそうしてほしかったのを覚えている。

 『かもめの叫び』には、たくさんの主張が、ときに明瞭に、ときに控え目に書かれてある。なかでも、手話を認めなかった社会に反省を促すことは、終始、強く記されてあり、この本の主題のようである。
 ある晩、ミュージシャンの伯父のフィフーが、家に来てギターを弾いていた。この日の記憶は鮮明だ。家族みんなが聞いており、伯父は私にもギターを聞かせたいと思った。彼は私にギターのネックの部分を噛むように言った。言われた通りにすると、彼はギターを弾き始めた。振動が体全体に響きわたった。私はネックから口を離せなくなってしまった。高い音も低い音も、どんな小さな震動も体の中に入り込んでくるのだ。私の内側で演奏しているのだ。
 聴こえないけど、かもめは音楽が大好きで、クラシック、ジャズ、ビートルズとコンサート会場に出掛けて音楽を楽しんだ。
 音色は、足から音を感じる。ピアノ、ギター、ドラムスは音を掴めるが、ヴァイオリンの音はチャッチできないという。空高く舞い上がっていく音で、大地に向いていないから。
 それが昂じて、後にはディスコ通いに。
 思春期の頃は、耳の聞こえない仲間たちと、ディスコに出掛けるのが大好きだった。他人の迷惑など気にせず、音楽をフルヴォリュームで思いっきり感じられる場所だ。スピーカーに体をくっつけ、リズムに合わせながら体を揺らしながら、夜じゅう踊った。

<つづく>





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Last updated  2011.06.07 23:22:42 コメントを書く


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