レムリアからの転生旅行者

レムリアからの転生旅行者

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

神坂俊一郎

神坂俊一郎

Freepage List

Sep 21, 2025
XML
テーマ: Paris/パリ(891)
カテゴリ: 世界の中の日本



2006年の凱旋門賞の風景です。

ディープインパクトの映像が〆となった前夜祭翌日の凱旋門賞は、 11 35 分ホテル集合だったのですが、 1 時間ぐらい途中で遊ぶつもりで 9 時過ぎにはホテルを出ることにしました。

ついでに、昨夜お土産にもらったものの、半分以上フランス語のため読むに読めない上に分厚くて重く、持って帰るにも困る競馬雑誌を厄介払いにフロントに贈呈したところ、買えば日本円で 1000 円以上するせいか、後で返さなくてよいのかと聞き返されました。

そのフロントで、日本人夫婦が今晩遅くなるが大丈夫かと、昨日の私と同じ質問をしていたのですが、聞くとはなしに聞いていますと、その夫婦、夜中の午前 1 時半のつもりで明日の 1 時半と言ったら、フロントは、午後 1 時半と取って今晩は泊まらないのかと聞き返し、ちぐはぐのやりとりになってしまいました。

思わずしゃしゃり出て、「ミッドナイトの1時半だ。」と説明したら、フロントの係員もその一言で納得した模様で、その夫婦には、 24 時間フロントには誰か待機しているから大丈夫と、昨日私が受けた説明をして安心させておきました。

ホテルを出て、どこか店でも開いていたら覗いてみようと思ったところ、日曜日でみんな見事に閉まっていました。
 観光に行かれる方は、キリスト教国では、ほとんどの店が安息日である日曜日は休業であることを知っておいてください。

凱旋門賞が開催される 10 月の第 1 日曜日は、ユダヤ教の祝日でもあり、私が泊ったホテル周辺はユダヤ人街だったため、お供えにするのか、日本のハヤトウリのようなウリと、なんだかよくわからない草を編んだ束のようなものが露店で売られていました。

ラファイエットデパートの近くまで歩いて行くと、スーツとツーピース姿の日本人らしい若夫婦に、英語で日本人かと聞かれたのでそうだと答えたところ、彼ら道に迷っていて、免税店の場所がわからないとのこと。近くまで案内して行きました。

そんなところに免税店があったか、どうも記憶になかったので帰りに確かめたのですが、HIS発行の地図が微妙に間違っていて、私の教えた場所は通り1本分ずれていました。まあ、数十メートルの差でしたし、広い通りに面していると教えてその通り自体はあっていましたから、無事たどりつけたでしょう。

その若夫婦、そのまま競馬場に行っても大丈夫な上品な服装でしたから聞いてみると、やはりロンシャンに行くとのこと。でも、その前に免税店でお土産を買い込むのがいかにも日本人観光客です。

更に歩いて行くと、オペラ座の横では、何とも不似合いなリクルートルックのような背広上下の日本人の若者の集団を見かけました。

彼らもロンシャン行きのようで、地下鉄乗り場を探して右往左往していたようで、教えてあげようかと思ったのですが、無視されたので、今度は教えませんでした。

結局スクリブに 1 時間半前には着いて暇を持て余したので、オペラ座近くのスターバックスに入って、 1 時間ぐらい座っていました。

すると、乳母車に子供を乗せた日本人の若夫婦が入ってきたのですが、なんと彼らもロンシャンに行くつもりなのです。

しかも、先刻の夫婦やにわかリクルートルック軍団と違って T シャツにジーンズ姿なので、おいおい、まさかその服装のままで行くんじゃないんだろうな、と余計なお節介で注意したくなりました。

私の心配は的中し、当日のロンシャン競馬場、日本の競馬場の内馬場の公園に遊びに行くかのような服装の子連れの日本人がいっぱい入場して、顰蹙を買うことになりました。


集合時刻の 30 分前になってから、昨日通りかかったヴァンドーム広場はまだ徒歩で行っていなかったことを思い出し、散歩してみることにしました。

ヴァン・クリーフ・アーペルも、ブシュロンも改装中でしたが、有名ブランド店は外から見るだけでも興味深いものがありました。(先立つものがありませんので、入る勇気はありませんでした。)

帰りにリッツホテルの前を通りがかると、今回の凱旋門賞のスポンサーである有名ブランドコングロマリット、ルシアン・ヴァリエール(昨夜のドン・ペリニョンのモエ・エ・シャンドン、ルイ・ヴィトン、カフェ・フーケ等は皆彼らが所有するブランドなのです。)のオーナー一家が、凱旋門賞のマークをつけたベンツSクラスで出発するところでした。

時間 15 分前にはスクリブに戻りましたが、まだ送迎バスは来ておらず、昨日と同じフランスギャロの係員に、集合時刻前に来てくれてありがとうと感謝されました。

他に人がいなかったので彼と話していると、日本の旅行社が大量にバスをチャーターしたため、バスの手配が追いつかず、まだどのナンバーのバスが来るかわからず困っているとのことでした。

それから彼に、フランス人、いや大抵の国の人は、自国の馬が外国で走るのをわざわざ応援に行ったりはしないが、今回、日本人がなぜ大挙して押し寄せて来たのだと聞かれたので、サッカーのサポーターみたいな意識なのでしょうと答えたところ、ふーん、そんな考え方もあるのかと、感心していました。

この時点で 4 千人を超えると言われていた(実際は 7 千人以上だったと思われます。パリの日刊紙などは、 1 万人を越えていたと書き立てていましたが、それはちょっと多すぎると思いました。)ディープインパクトサポーター、思わぬ影響を与えたものだと呆れていると、競馬場で更に驚くことになりました。

時間を少し過ぎてバスが来たので乗り込んで出発。今年は、昨年置いてけぼりにした人々(私に言わせれば、 15 分以上遅れて来るのが悪い。)に抗議されたのか、ちゃんと名簿をチェックして確かめていました。

また、ウェスティンホテルを回ってシャンゼリゼ通りから凱旋門を目指しましたが、例年のごとく渋滞し、凱旋門ロータリー通過までに 15 分以上かかりました。

ふと見ると、シャンゼリゼ通りにトヨタの店がありました。

ヨーロッパでは、日本では不評のレクサスハイブリッドの宣伝を大々的に展開しており、クリーンイメージを前面に押し出して注目は集めているのですが、実際売れたのはヤリス(日本でいうヴィッツ)のディーゼルモデルばかりであったのが皮肉です。

前年は、そのまま競馬場まで大渋滞だったので、ずっと寝ていたのですが、今年はこの点も研究したのか、高速に入って一つ先のポルト・ドートイユのインターまで行ってから逆戻りしたため、意外に早く、 12 時半頃には競馬場に着きました。

まず入り口で仰天、何と日本語の案内板が出ているではないですか。

11 年前に初めて訪れた時は、一般客、特に日本人は客とも思わぬような扱いをしていたロンシャンが、まさかこれほど親切に対応してくれるとは、と感激しました。

つまり、日本の競馬の地位も、それだけ向上していたのです。

例によって、直ぐランチタイムで、会場に入って行くと、ドミニク氏とともに、昨年のフェアウェルディナーの時同テーブルで大分話したフランスギャロの秘書のマルチナ女史が出迎えてくれたので、握手して挨拶しました。
 フランス勢には、私はスーパーマンのムッシュ×××(私の姓)で知られていたのですが、その理由は、英語で国際折衝ができるだけでなく、競馬の裁決委員もでき、映像伝送システム等の IT 関係にも詳しく、馬に乗って調教師、騎手に対する技術指導までできる人材は、海外には全くといってよいほどいないからでした。

例によって、日本人は集団を形成、昨夜もちらっと噂には聞いたのですが、今年は日本人が大挙押し掛けているからと、日本語の馬券買いの手引き用紙を、フランス・ギャロの依頼で作ったことを話してくれました。
それだけでなく、何と日本語の場内アナウンスまでされており、更に驚きました。

恒例のランチバイキングでしたが、料理は、明らかに前年の方が良かったように思えて少しがっかりしました。(ただし、デザートのケーキは今年の方が美味でした。)

席上、今朝早朝行われたスプリンターズステークスは、オーストラリアのテイクオーヴァーターゲットが勝ち、香港のサイレントウィットネスは 4 着だったことを知りました。

食後早々にスタンドに移動すると、ここでも日本語の案内が書かれていました。

そのため、間違えて日本人記者席の方に行ってしまったところ、係員、私が日本人であることはわかったため、そのまま記者席に案内してくれましたから、割といい加減です。

記者席は、がらがらで快適でしたからそのまま居座り続けたいところでしたが、それもおかしいので一旦外に出て、頼まれていたディープインパクトの単勝馬券買いに挑戦してみました。

ところが、合計 140 ユーロ分の単勝馬券を、 JRA 作成の用紙を見せて買おうとしたら、全く通じませんでした。

フランス的といったら怒られますが、いくらちゃんとした用紙を作っても、窓口に指導が徹底されていなかったために通じなかったようで、笑えました。

そこで、英語で 7 レースの 1 番の単勝馬券 70 枚、計 140 ユーロだと言うと、今度は何故か 70 ユーロ分の単勝馬券が 1 枚出てきたので、 2 ユーロ 70 枚と言うとようやく通じましたが、窓口の若い女性、 1 枚ずつ分けて買ったことに呆れていました。

1 レース発走前に頼んだのですが、ロンシャンの発券機、 1 枚ずつ発券用のマークシートを機械に挿入して発券する方式のため、 70 枚の馬券の発券が終わったらすでに第 1 レースは終わっていました。

しかし、これで当面の用事は済んだので、本来のパリ会議参加者用のスタンドに移動し、席を確保して 6 レースまで見ました。

この時、ランチで隣席した日本の関連団体の職員の奥さんとまた隣になり、しばらく話をしましたが、旦那さんが離れた席に座っていて私が隣も変なので、第 6 レースが終わったのを機に席を譲って私は一般スタンドに降り、場内の雰囲気を味わうことにしました。

日本人観光客、にわかリクルートルック勢、全く日本の競馬をそのまま持ち込んだような子供づれ、わけがわからず参加したような団体客、金子眞人ホールディングスの馬主服を着たアベック、それから拍手喝さいで迎えられていた和服姿の男性女性と、いろいろいましたが、服装はともかく、マナーはよく、列を作って順番を待ち、文句を言わないおとなしい観客という印象でした。

実際、平気でゴミを捨てるアメリカ人や、人の迷惑顧みず煙草を吸うフランス人のお客よりよほど紳士的でした。

では、日本人何が問題だったかですが、ロンシャンの場合、メンバーズスタンドでは、スーツアンドタイが万国共通(日本を除く?)の常識ですが、一般席でも、ドレスコードこそありませんが、カジュアルではないことが常識なのです。

ですから、Tシャツやジーンズは不適当で、スウェットシャツも感心しません。

フランスの一般客を参考にすると、ジーンズではないズボンに、ネクタイは不要ですが襟付きのシャツ、そして、必ず上着を着用することです。
上着は、ジャケットでなくても、ブルゾンでもジャンパーでも何かは羽織っていれば、問題はありません。

当然というか、半ズボンもNGですが、民族衣装や、スコットランドのキュロットは、正装として許されます。

アメリカでは、例えばケンタッキーダービーを例にとりますと、スタンドはスーツアンドタイ必須ですが、それ以外なら、Tシャツだろうが半ズボンだろうが平気ですし、イギリスでも、ロイヤルアスコットやダービーの時のエプソム競馬場以外なら、メンバーズスタンドはアメリカと共通のスーツアンドタイ、一般席(シルバーリング)は、カジュアルな服装や、少々みすぼらしい格好でも許されます。
 なお、ロイヤルアスコットやエプソムでは、ドレスコードがホワイトタイですから、シルクハットにフロックコートが必要となります。
 これ、流石に貴族以外は持っている者は少ないので、入場する者は、皆貸衣装に並ぶことになります。

しかし、このイギリスのシルバーリング、もろに差別待遇で、スタンドに入れないのは言うまでもなく、パドックにも近づけないのです。

メンバーズ領域に入るためには、日本円にして 3 千円ぐらいの入場料払わないといけませんから、当然かもしれませんが。

子供づれについても、高級レストラン同様、メンバーズ領域では正装でもしていない限り入場を拒否されます。

海外の競馬場、メンバーズスタンドについては、社交場であり、子供が入るべき場所ではないのです。

子供連れで入りたければ、走路内の一般席で我満することです。



問題の凱旋門賞ですが、ディープインパクト入場では大いに盛り上がった日本人サポーターでしたが、レースが始まり、直線半ばでディープインパクトが一旦先頭に立った時が最高潮、ゴール前に交わされると途端に沈黙し、ゴール時は1着のレールリンクの馬券を買っていたであろう少数の外国人客のみが歓声を上げ、日本人は一部が悲鳴を上げていたものの、場内全体が異様な沈黙に包まれた不思議な雰囲気でした。

日本人サポーターの落胆が大変なものであったことは肌で感じられましたが、この点でもフランス、いや他の国のファンも、度肝を抜かれたのではなかったかと思います。

でも、マナーのよい日本人ですから、勝者を称えることは忘れていませんでしたし、国内の競馬場と違って敗者にヤジを飛ばす人もいませんし、記念馬券のためもあり馬券を捨てる人もいませんでしたから、日本代表の一員として日本人のマナーを心配していた私としては、取り越し苦労であっただけでなく、むしろ日本ファンのマナーを誇ることができる結果だったと安心しました。(前述のごとく服装と子供を除く。)

 なお、ディープインパクトの競走に関する、翌日の国際会議に出席する海外の裁決委員たちの講評ですが、騎手の騎乗のまずさが無ければ楽勝したのにもったいないとのものでした。
 これ、武豊君には悪いのですが、私自身、最初に馬が行きたがったのに下げた点と、直線前での仕掛けが早すぎた点の 2 点は彼のミスだとの意見は、海外勢と全く同じでした。
それが無ければ勝てたかどうかは、神のみぞ知るですが。


帰りのバスを待っていますと、オーストラリアの関係者に、本当はディープインパクトが一番強かっただろうに残念だと慰められました。

「イッツ ベリー ハード トゥ ウィン ザ アーク ド トライアンフ」(凱旋門賞を勝つことは大変難しい。)と答えると、その関係者の奥さんに、「ハード トゥ ピック トゥー。」(馬券を当てるのも難しいわ)とすかさず付け加えられ、その場は大笑いになりました。

今年は、帰りのバスにちゃんと駐車場を確保されており、一昨年のバス 1 時間半遅れ、昨年のバスが競馬場前に停車できず、 2 キロぐらい離れた地点まで徒歩移動の教訓を生かし、改善されていました。

フランスギャロ、いや、欧米人全般にいえますが、「イッツ ノット マイ フォールト。」と、とりあえず自分の責任を否定する文句が常套句です。

しかし、その陰で自分たちの誇りにかけて改善はしてきます。

決して無責任なわけではありませんから、事なかれ主義でごまかそうとする日本人よりは、責任感はあると思いました。

その配慮により、会議出席者用のバスは定時に発車し、なかなか来ない無料バスを長蛇の列を作って待っていたり、とぼとぼと歩道を歩いて行く落胆を隠さない日本人サポーターたちを尻目にスムーズに進み、 19 時にはスクリブに着きました。
 前年は、同じスクリブに帰り着いたのは
20 30 分でしたから、トヨタではありませんが、十分カイゼンはされていたのです。







不思議なことに、2006年の凱旋門賞当日のロンシャンの画像がすっぽり抜け落ちていました。
午前中のサクレクール寺院参拝の映像はちゃんと残っていましたから不思議です。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Sep 21, 2025 04:04:00 PM
コメント(0) | コメントを書く
[世界の中の日本] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Calendar

Favorite Blog

輝いてます! yuu1325さん
小さな雑貨屋さんブ… マジョリンさん
Paris暮らし Flutiste Mariさん
ペットのホリスティ… Kar-Mo-Cha-さん

Comments

Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞8(10/04) 記紀とは違うヤマトタケルを興味深く拝読…
Yoko@ Re:ヤマトタケル異聞1(09/21) ずうずうしくリクエストをしたYokoです。 …
Yoko@ Re:ヤマトタケル?2(04/19) 21日のご返信に気が付かず、ご返信せずに…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: