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ロブションと並ぶくらい東京での「チェーン展開」が東京で目立つ、ポール・ボキューズ。高級フレンチのファミレス化に一役買ってしまっている感はあるが、新国立美術館(六本木)の、宇宙的とも言える空間デザインの「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」は、一度は行く価値がある。新国立美術館は、故黒川紀章の建築だが、久々に行ったら、優美な曲線を描くガラスのエクステリアや、壮大な抜きぬけの内部空間、目を奪う逆円錐形の、カフェ・レストランを支えるコンクリート構造の重量感など、「すげーな、おい」と改めて感動を覚えた。ここの3階にあるのが、ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ。半角スペースと中黒の使い方が実にめんどくさい正式名の表記だ。リヨン郊外で50年以上3つ星を守っている料理界の天才、ポール・ボキューズ。その名を冠しつつも、円形の広々としたフロアにテーブルを、これでもかとぎっちり並べて高級感を台無しにするセンスとか、良く訓練されていて落ち度はどこにもないが、みーんな同じで、いっそもうロボットに給仕させたら? と思うようなサービスとか、「お値打ちコース」には、それなりに高級感のある素材を織り交ぜつつも、それはあくまでちょこっとでメインの魚素材なんかやっぱりスズキになっちゃうありきたりぶりとか、そこここに漂う「レストランひらまつ」ぶりが、どうもリピートしたい気持ちを萎えさせる。…と、思う人が多いのかどうか、日曜日のディナーというのに、お客は数えるほど。本当に、両手の指で数えたら余るぐらいの人しか来ていなかった。ご近所の西荻の個人経営の人気レストランのほうが、よっぽど人が入って、賑わっている。やっぱり日本人は雰囲気よりなにより、「味」にウルサイ民族だな、とつくづく思う。ぎちぎちに並べられたがゆえに、虚しさ倍増の空席を横目に見つつ、予約していたおかげか、曲線を描く外壁の窓に一番近い良い席に案内される。夕暮れと呼ぶには少しだけ早い東京の景色がパノラマ的に広がって見える。都会的な高層ビルだけでなく、木々の緑も目に入り、空気の澄んだ天気の良い日だったせいもあって、素晴らしい眺めだった。今回予約したのは「ルーヴル美術館展特別ディナーコース」。前菜はフォアグラのソテーとリゾット。フォアグラのソースはモリーユ茸を使ったものだとか。この高級キノコの風味は実は、あんまりよく分からなかったが、モリーユっぽい食感が多少入り、甘辛く、日本人の口に合う濃い目の味付けになっていた。リゾットとフォアグラ―のソテーの組み合わせは大好きなので、大いに気に入る。魚料理は、ブラックオリーブの衣をまとわせたスズキのポワレで、にんにくのクロケットが上にのり、トマトのセッシュの酸味とオレンジの風味をきかせたというブールブランソースの爽やかさが、良い出来だった。ブールブランソースはフレンチの醍醐味、と思うぐらい個人的には好きで、それぞれのシェフの作る味わいの違いをいつも心から楽しんでいる。けど、結局魚はスズキだし。火入れ具合も特筆することもなく。日本のフレンチでコースを選ぶと、魚はスズキばっかりで、もう飽きてしまった。ワインは重めの白を合わせた。肉料理は牛ほほ肉の赤ワイン煮。じゃがいものピューレにムーレット(ポーチドエッグ)までついて、お上品な見た目とは裏腹にボリュームがあった。まぁ、普通に美味しかったですよ、ハイ。しかし、牛ほほ肉のワイン煮も、よくあるメニューですでに飽きている。そのうえ、赤ワインのチョイスを失敗。シラー種を使った重めのものを選んだつもりだったが、味がない。昔の、シラー種=安くてまずいワイン、のイメージだったころのシロモノという感じ。単に個人的な嗜好だが、Mizumizu的にはハズレでがっかり。デザートはジュレをのせた桃のコンポート。バニラアイスとアーモンドのチュイル。バニラのそばにはフランボワーズのソースが薄くのばしてるのだが、ほとんど見えない。日本人はフランボワーズを好まない人も多いので、好きでない人は食べないで済むような配慮なのか? と思うぐらい少なかった。最後にティーバッグ感ありありの紅茶をいただいて、会計を済ませ、エレベータで1階へ。大都会のど真ん中の六本木とは思えないぐらいガランとして人がいない。しかし、夜の灯りの点った新国立美術館は、中から外を見ても、外から振り返って建物を見ても、実に壮麗で、凛と美しかった。半角スペースと中黒の使い分けが実にめんどくさいブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ。メニューを見るとアラカルトにフォアグラのソテーとリゾットもある。アラカルトだと3000円ぐらいだが、中途半端なお値打ちコースにするより、アラカルト一皿をゆっくり堪能するぐらいが、今のMizumizuには合っているのかもしれない。この得難い空間デザインを味わいに、またぜひとも家族で来たいもの。ランチだと美術館に来た人で混みそうだが、美術館が閉館したあとがこんなにすいているなら、東京の穴場と言っていいのでは?
2018.06.04
11月9日まで開催中のイタリアンレストランウィーク。駐車しやすい東京ミッドタウンのBOTANICAも特別メニューで参加中と聞き、行ってきた。BOTANICAは、ミッドタウン4階にあるひらまつグループの店。東京ミッドタウンは人が多いが、このフロアまで来ると静かで落ち着ける。ダイナースカードで支払えば、カクテルとミネラルウォーターが無料でサービスされる。食前酒のカクテルは洋ナシとハーブのカクテルだった。ノンアルコールもお願いできる。洋ナシは「すりおろし」といった風に果実感がふんだんで楽しめた。料理への期待がぐっと高まる。突き出しは、キタアカリ。これには少し意表を突かれる。表面がカリッと硬く、中はジャガイモらしくほっこり。こんな単純な料理でも、広い意味での「火入れの巧みさ」を感じ取れた。生クリーム(乳脂肪35%だとか)に塩をまぜてホイップしたクリーム、あるいはピンク岩塩を付けていただく。ホイップはおかわり自由で、パンにも。塩はやや強めだが、軽く上品な味わい。もともと生クリームは大好き人間のMizumizuは、じゃんじゃんつけて食べてしまった(これだけで凄いカロリーだろう・笑)。前菜は和牛のカルパッチョにボイル野菜と生野菜の組み合わせ。カルパッチョといいつつ、実際は「たたき」。臭みもなく、文句なし。そこに火を入れたアスパラの硬さと生野菜の柔らかさがいい塩梅。ドレッシングには卵も使われている。全体的に軽いが、バラエティに富んだ食感と風味が楽しい。う~ん、さすがにひらまつグループ。いいシェフがいるなあ。プリモ(第一の皿)はイカ墨を練り込んだタリオリーニ。モンサンミッシェルのムール貝も。カボチャのクリームソースということだったが、ソースはごく少量でその分味が濃縮されている。イカ墨の微妙な甘さとカボチャの主張する甘さ。どちらも個人的に大好きな味の系統だ。ムール貝もよく合う。ところどころにセロリの葉の青臭さが混ざる。好みが分かれるアクセントだが、Mizumizuには好ましかった。セコンド(第二の皿)は、氷温熟成氷室豚の肩ロースの炭火焼。しかし、このスマホ(非iphone)の写真はひどいなあ…(苦笑)。「スマホで写真撮るなら絶対にiphone」という巷の評判は、どうやら本当だ。お店のホームページから取った写真を拝借しよう。こちらのほうがずっとリアルに近い。豚の肩ロースなんて、そんなに期待していなかったのだが、これがまた驚きのおいしさ。炭火でこんがり焼いて、表面は香ばしく硬く、中はびっくりするほど柔らかい。脂の柔らかさとはまた違う味わいで新鮮だったし、火入れの巧さには、ひれ伏す思い。付け合わせはサルシッチャ(ソーセージのような腸詰)ということだが、細かく刻んでよく火を通したベーコンとしか思えなかった(笑)。和食のそぼろのような甘辛い味付けで、これまた非常に個人的嗜好に合う。柔らかめに火を通したグリーピースのやや青い風味がまた粋なアクセントに。ここのシェフは本当に、硬い食感と柔らかい食感の素材の組み合わせがうまい。ワインはグルナッシュ系をチョイスしたのだが、果実味ふんだんな酸味がプリモにはどんぴしゃり。メインに関してはもっと渋みの強い、重いものを合わせたかった。あまり飲めない体質が残念だった。こちらは「別料金になりますが」ときちんと説明されたあとに、Mizumizu連れ合い選んだチーズ(あとで見たら900円だった)。ハード系でまとめている。しかし、ミモレットがあまりに情けないなあ…。これじゃまるで削りかすみたいじゃないですか。ここまでケチらんでも…(苦笑)。デザートは、これまた大好きな「栗」。こんな感じでサーブされ、スープ(ソース)をかけてアッフォガート風にいただく。メレンゲのふわりと溶ける食感と、ローストナッツのかりっと硬質な食感、それぞれの風味の対比、薄いリーフ形のチョコレートのカカオの豊潤な味。甘露煮の栗そのものもこっそり隠れている。いろいろな食感と風味が楽しめるデザートで、これまた大いに気に入る。〆のエスプレッソに添えられてきた生チョコ。これはごくごく普通。ひらまつグループのレストランは、だいたいどこに行っても内装は高級感があるし、サービスもいいし、味も悪くない…のだが、どこか「突き抜けた」感じがないという印象だった。つまり、値段は高すぎることはないが、といって「お値段以上」の大きな感動もない。スタッフはみな感じがいいが、常連になりたいという感じでもない。常に及第点だが、二度・三度と行きたくなる店ではない。それがほとんど。だが、BOTANICAのシェフは違うかもしれない。ちょっとした素材の加え方に、小さな驚きが隠れている。その繊細な配慮が非常に日本人的。一応ジャンルはイタリアンだが、ソース使いにはフレンチの要素もあり、味付けには和の感覚もある。素材選びが、不思議と個人的な嗜好にぴったりだったのも大きい。また行こう、東京ミッドタウンのBOTANICA。暖かい季節ならテラス席も気持ちがよさそうだ。子供連れを歓迎する店だとかで、「子供が走り回っていてファミレスみたいになっていた」という口コミもあり、ちょっと心配したのだが、Mizumizuが行った夜は、子連れファミリーは1組だけで離れた席だったから、何も問題はなかった。上記の特別メニューは9日まで。興味のある方は、お早めに予約を(笑)。
2014.11.05
東京ミッドタウンのすぐ目の前に、1年半の期間限定でオープンした「メルセデス・ベンツ コネクション」。1階がクルマを展示したギャラリーになっており、その脇にカフェがある。2階はレストランとバー。ある週末、2階のレストランでランチを食べてみた。ブッフェスタイルの前菜、メイン料理、デザートバイキングというスタイルで、設定価格もかなり良心的だった。レストランUPSTAIRSはモダンでスタイリッシュな内装。ドアを開けて進むと、クルマのデザインとのつながりを感じさせる機能的なフォルムのオブジェが出迎えてくれる。メルセデス・ベンツの店らしく、照明にブランドロゴであるスリーポインテッド・スターのデザインを施すなど、「これで本当に1年半しかやらないの?」と思うような力の入れようだ。バイキングの食事は基本的に好きではないのだが、この店のブッフェスタイルの前菜には驚かされた。本格的なイタリア料理で、どれを食べても素材の味がしっかり活きている。野菜はかなり厳選したものを使っているようだ。素材の調達能力からして並々ならぬ「コネクション」を感じさせる。2人で行って、スープランチとパスタランチを選ぶMizumizu+Mizumizu連れ合い。こちらがスープ。ミネストローネということだが、ぷっくり浮いた数々の野菜を味わう感じだ。こちらがパスタランチ。スープランチよりも、個人的にはこちらのほうがお奨め。テーブルに置かれたとたん、生のチーズの新鮮な香りが漂ってきた。缶入りのパルメザンチーズでは出せない香りだ。厚切りのパンチェッタはほどよくカリッと火が通り、トマトソースは少し濃厚。スパゲッティの下に、大きなイタリア茄子が隠れていた。たっぷりのオリーブオイルを含んだイタリア茄子は、まさにそのまま素材を味わってもらうためのもの。前菜もメインも、主役の料理は明らかに野菜。なので、野菜が苦手な人には向かない。Mizumizuは野菜大好き人間ではないのだが、ここの野菜が一味も二味も違うことはよくわかった。デザートバイキングも1つ1つは小さいが、味は凝っている。ガラスの棒にささっているのはパウンドケーキ。時計回りに、ガトーショコラ、かぼちゃのロールケーキ、フルーツタルト、ガラスの器に入っているのがフロマージュブラン。フロマージュブラン以外は、全部甘かった(苦笑)。だが、それにしても、この場所で、この種類と味で、この値段というのは驚く。もしかすると、レストランで儲けようと思っていないのではないかとさえ思う。つまり、あくまでメルセデス・ブランドに親しんでもらうための宣伝の一種で、レストランの採算は度外視なのではないかと・・・あるいは、オープンしたばかりだからリキが入っているのか?だんだんと「やっぱりこれじゃ、あまりに合わない」ということで、サービスする人が減り、品数が減り、味が適当になっていく・・・なんてことはないのだろうか?あるかもしれない。六本木で野菜中心の本格イタリアンを食べたいなら、早めに(?)行こう、「メルセデス・ベンツ コネクション」のレストランUPSTAIRS。しかし、1年半たったら、これだけカネをかけた内装のレストランをどうするのだろう? そんな心配までしてしまった。
2011.08.01
東京に進出するフランスの有名ブーランジェリーは、たいてい数年で賞味期限切れになる。最初はめいっぱい力を入れて、本店以上のものを提供するのだが、そのうちに、ナッツ類をねりこんだパンならナッツをケチるようになり、チーズをかけたパンならチーズをケチるようになる。天然酵母の保存もいい加減になるのか、パン生地そのものの味も落ちてくる。焼き具合も適当になり、いかにも大量に作って大量に売らんかなの態度に。さらに、パリではおよそ見ないような日本人好みのふにゃっと柔らかいパンが増える。だいたいこのルートをたどることになるのだが、赤坂サカスの「ドミニク・サブロン」はまだ、フランス人の定義する「高級ブーランジェリー」の味を保っている。まずはクロワッサン。パターの上質感が明確にわかる味。バターはたっぷりなのだが、決してアブラっぽくなく、噛み締めると甘い風味が広がる。これぞクロワッサンでしょう。近所にあれば、できたてが食べられてなおいいのだが、残念ながらその贅沢は赤坂近辺に住んでいる人たちの特権だろう。プティパン・ビオ・オ・ノア・エ・レザン。長ったらしい名前だが、要はクルミと干し葡萄を練りこんだパン。クルミもレーズンもこれでもかというくらい入っている。この状態、何年続くことやら? そのうちナッツも干し果物も量がガタ減りにならないといいのだが。ナッツと干し果物が大好物のMizumizu連れ合いは、このパンの大ファン。「果物はやっぱり、干したものがウマイよね」などと言う日本人、Mizumizu連れ合い以外では会ったことがない。この台詞を聞くたびに、横で「果物は生が一番ウマイでしょ」と思うMizumizu。ちなみに、Mizumizuには2人弟がいるのだが、下の弟(つまり末っ子)は、干し葡萄が大嫌いだった。子どものころ、干し葡萄の入っているお菓子が出ると、葡萄だけほじくり出して食べているのを見て、ガクゼンとしたことがある。レーズンだけバクバク食べる気にはならないが、アクセントとしてはいい味だと思うし、レーズン出しちゃったら、味が平板になると思うのだが・・・ そこまで嫌う理由がわからなかった。Mizumizuファミリーであそこまで干し葡萄を嫌っていたのは末っ子のみ。同じ家系で、同じ物を食べて育つのに、どうしてこういう差ができるのか。食べ物の好き嫌いは、まったく理屈では説明できない。ルヴァン種の天然酵母を使ったバゲット。非常に酸味が強く、Mizumizuは大好きな味。日持ちがするので、翌日はより深みのある味が楽しめる。歯ごたえもよく、噛んでいると顎が疲れるほど。噛めば噛むほど味が出る。こういうのがフランスのパンだと思う。年を追うごとに「エセ」になりさがっていく、東京進出した他の多くのパリの名ブーランジェリーの轍を踏むことなく、正統なフランスのパンの味を提供しつづけてほしいもの。ちなみに、例によって東京進出直後は長蛇の列が出来ていたようだが、今は休日でも並ばずに買える。本当に、日本人は飽きるのが速いなあ・・・
2010.07.18
初めてヨーロッパのドイツ語圏に行ったときは、食が合わずに困った。好きだと言える料理はほとんどなかったのだが、唯一気に入ったのが、オーストリアで食べたヴィーナー・シュニッツェル。ウィーンはドイツ語ではヴィーンと発音する。ヴィーナーとはウィーン風という意味。ただ、濁音を嫌ったのか、日本ではヴィーンをウィーンと書き、ヴィーナー・シュニッツェルもウィンナー・シュニッツェルという書くほうが多いようだ。一般に、訳は「ウィーン風子牛のカツレツ」とされ、正式には子牛を使うが、安価な豚で代用することもある。豚肉を使ったウィンナー・シュニッツェルは、「日本のトンカツ(ロース)を薄くしたもの」になってしまい、ブルドックのとんかつソースとご飯が欲しくなる(苦笑)。ちゃんと子牛を使ったものは、トンカツとは違った味わい。塩・胡椒のシンプルな味、たっぷりレモンを絞るのがいい。オーストリアではこればかり食べていた記憶がある。シンプルゆえに、当たり外れも多く、ハズレ――たいてい、肉はバサバサしていて、ボケたような味になっている――を引くと、「ああ、せめてここに、ブルドックのとんかつソース(←しつこい!)があったなら・・・」と日本を思って目をウルウルさせることになる。日本ではあまり人気がなく、出してるレストランも少ない。美味しいヴィーナー・シュニッツェルはなおさら少ない。そんななか、本場の一流店に混じっても遜色ないであろう、上等なヴィーナー・シュニッツェルを出してくれる店を見つけた。意外なことに、それはカフェ。昭和のまま時間が止まったようなレトロなショーケース。場所は日本橋の三越の2F、その名も「カフェウィーン」。名前からして、相当にレトロ。日本橋界隈は、まだ江戸の情緒がわずかに残る都内でも稀有な場所。ここの三越は、銀座よりもずっと老舗感がある。建物の風格が違う。客も少ないので、最近はおのぼりさんでごった返す銀座のデパートを避けて、日本橋の三越や高島屋に行っている。「カフェウィーン」の内装は、これまた「レトロ」。昭和の香りと言うのか、流行遅れもここまで極めればりっぱな様式美だと言うべきか・・・そもそもオーストリア全体が流行遅れみたいな国なのだが(失礼!)、カフェウィーンは、そのちょいくたびれたオーストリアの雰囲気をよく出している。新聞が置いてあり、老紳士が読んでる姿もかの地とまったく同じ。今どき「ウィーン」に胸をときめかせる日本人も少ないと思うが、かつて、ある年代の日本人にとってハプスブルク帝国の都ウィーンは、絶大な吸引力を持っていたに違いない。客層もシニア世代が多い。隣りに座った老婦人は、マリア・テレジア・カラーのニットを着て、マリア・テレジア・カラーのバラ模様の入ったハンカチーフを膝にひろげ、ゴールドのイヤリングとリングを煌かせながら、1人上品に肉料理を口に運んでいた。Mizumizuと違って、フランス料理やイタリア料理よりもドイツ料理が好きだというMizumizu連れ合いは、この店の本格的なソーセージが気に入っている。パンやバターも何気なく上等なものを添えてくる。このあたりが老舗らしい。こちらが、Mizumizuお気に入りのヴィーナー・シュニッツェル。塩・胡椒の効かせ方が素晴らしい。レモンが多いというのもMizumizuの嗜好に合っている。浸すぐらいレモン汁をかけて食べたいのがMizumizu。脇にちらと写っているポテトサラダも、一見まったくフツーのポテトサラダだが、酸味があって非常に美味しかった。案外ダメなのが、意外にも、ここに来れば皆が注文するであろうザッハートルテとメランジュ。ザッハートルテはもっとコクがあり、甘みが強いものだと思うのだが、ここのトルテはシニア向けなのか、ずいぶんと味が薄い。いつだったか、オーストリアから帰ってすぐ、吉祥寺のケーキ屋でザッハートルテを食べてみて、味があまりに同じだったのに驚いたことがある。それに比べるとカフェウィーンのザッハートルテは甘さが控えめすぎる。生地も水分が抜けてしまったよう(作ってから時間が経ってしまったケーキの典型)。メランジュとは、コーヒーに泡立てたミルクを添えたもの――つまりは、ウィーン風カプチーノだが、どうもこれも水っぽい。こちらがイタリアの濃い味に慣れてしまったせいもあるかもしれない。だが、苦みが薄いこういう味のほうが、やはり日本のシニア世代には受け入れやすいかもしれない。こちらは、アインシュペーナー。日本人が「ウィンナーコーヒー」と呼ぶコーヒーの原型。別に今となってはどうということもない飲み物なのだが、惜しげもなく飾られた生クリームに、かつての貴族文化の面影を見る気がする。そして、ドイツ語圏でのリンゴのスイーツといえばコレでしょう。アプフェル・シュトゥーデル。薄い生地にリンゴを巻き込んで焼いた素朴なお菓子。レーズンの酸っぱさとシナモンの香りがアクセントになっている。左はブラウナー。要は泡だった普通のコーヒー。カフェウィーンでは、温め直したあと、甘くない生クリームを添えて供された。これは、コクのないここのザッハートルテよりはるかにイケる。銀のお盆、アールヌーボー風の装飾のついた銀のカトラリー、ゆったりとした椅子に小さめのテーブル・・・。パリでもローマでもロンドンでも東京でもない、まさしく、ウィーン風のカフェ。ウエイターの年齢層も高く、客の年齢層も高く、味は本場に負けない。こういう場所に気軽に行けるのも、東京で住んでいる人間の特権だろう。
2009.12.13
2002年「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー」で日本チームを初の優勝に導いたパン職人、菊谷尚宏。その彼が、今年10月北米ワイルドブルーベリー協会主催の「ワイルドブルーベリーレシピコンテスト」でべーカリー部門の優秀賞を受賞した。こちらがその作品「カレ・ド・ミルティーユ」。「カレ」の名のとおり、全体は四角いのだが、切ってみると、ブルーベリーピューレとクルミがふんだん。パン生地には自家製ルヴァン発酵種を使用。酸味が強いのかと思いきや、そこはさすが日本人ブーランジェ。酸味はかなり控えめで、ほのかに香る程度。基本的には酸味の強いパンを好む非国民チックなMizumizuなのだが、これはこれでほのかさが深いとうなる。ブルーベリーピューレも思った以上に味が控えめ。濃縮された味なのに上品。クルミもしかり。ナッツは歯ごたえのある素材なので、パンに入れると突出してしまうことが多い(それはそれで悪くない)のだが、このクルミはそれほど極端な主張をせず、パン生地のしっとり感を高める役割に徹しているよう。こんなにびっしり果実のピューレとナッツが入っているのに、味が酸味だけに偏らず、ナッツの硬さがさほど気にならず、すべてがうまく溶け合っている。パンの生地にうっすらとした甘みも感じる。一口食べてのパンチはないが、ジワジワと美味しさがわかってくる。パン自体も重からず軽からず、生地のふんわり感を残しつつ、噛み応えもあるところなど、まさに和洋折衷。すみずみにまで、「模倣をオリジナルに変える」日本人的感性を感じる。素晴らしいです。
2009.11.15
細い路地にゆかしい雰囲気の漂う神楽坂周辺は、ときどきぶらっと歩いてみたくなる。その神楽坂にほど近い丘の上にたたずむアグネス・ホテルは、ちょっとした隠れ家的な雰囲気。ここのフレンチレストラン La Colline は、コストパフォーマンスでは、都心のホテルのレストランとしてはかなり頑張っている。ランチは2500円(サービス料、税別)で、とても人気がある。(注:現在は3000円に値上げされたよう)前菜。肉と野菜のポトフのテリーヌ仕上げ、マスタード風味。見た目は爽やかにおいしそう。まずくはないです、もちろん。けど個人的にテリーヌってのがどうもネ…… フランス人はこ~ゆ~固めたような食い物が大好きなワケだが、どうも保存食に見えていけない。季節のポタージュは、インゲン豆のスープでした。上品に仕上げてあって文句はとくにないのだが(といいつつ)、もう少し野菜の風味が強くてもいいかな、と。日本の野菜はクセがないので、そのへんは仕方ないかもしれない。総評としては、マル。ポタージュの美味しいフレンチレストランは信頼できる。「サーモンの火入れを楽しんでください」と自信たっぷりに供されたメイン。サーモンが寝ているベッドは根セロリのピュレだそうで。ソースは赤ワイン風味。と、いろいろ工夫してるわりには、肝心のサーモンが生臭くて…… これはハズレ。見た目の美しさには文句ないけど、やっぱり材料をケチってませんか? 2500円のコースだもんねぇ。もう1つのメインは、ヒナ鶏のロースト、香草パン粉焼き。連れ合いがオーダーしたもので、Mizumizuは食べてないけど、ボリュームたっぷりで味も合格点だったよう。デザートはよくある盛り合わせ。もちろん、それぞれ美味しいです。飛び上がるほどではないけれど。東京のフレンチレストラン、それもランチとなるとこういう盛り合わせばっかり…… 日本人ってそんなに「ちょっとずついろいろ」食べたいのだろうか? 味が混ざっちゃってイマイチだと思うし、そろそろこのブリュレ系+焼き菓子系+アイス系+果物のワンパタの盛り合わせにも飽きませんか? みなさん。…と、味はあんまり褒める気にならないのだが、考えてみればこの立地でこの値段でコースを出すなんて、シェフにとってみれば大変な苦労だと思う。味も冒険を避けた日本人好みの日本風フレンチ。これだけ見た目を美しく作れるのだから、もう少し値段を上げて、その分素材を選んで自由に作らせて、このシェフの作る世界を味わってみたい気がする。ホテルのレストランで2500円(現在は3000円のよう)というのでは、たぶん作るほうにとっては制限がありすぎかも。ただ、値段を考えれば(3000円に値上げされたとはいっても)、一度行って損はしない。人気があるので、週末は予約必至。サービス係もフレンドリーでマル。一生懸命明るく振舞うお仕事、大変だろうなぁ。食事のあと、「いかがでしたか?」と聞かれて、まさか面と向かって、「見た目はきれいだけど、味は平凡だね」なんて言うわけにもいかず、「お値段考えると、大変満足しました」と答えてしまった小市民のMizumizuだった。
2008.11.21
オリエンタル・バンコクには自称アジア屈指のフレンチ・レストラン「ル・ノルマンディー」がある。アジア全体での位置づけはともかく、タイでは最高級であることは間違いない。というワケで一度行ってみることにする。メニューを部屋に持ってきてもらって、どんな料理があるのかチェックした。デギュスタシオン(その店のスペシャリテを少量ずつ出すコースメニュー)が中心のようだが、Mizumizuはこれは頼まない。単純に、食いきれないからだ。といってアラカルトはもっと量が多い。なので、パターンとしては2人で行ったら前菜を2皿頼み、メインを1皿撮って2人分に分けてもらう(それでもすごい量なのだ)。もうこの2皿でお腹はパンパンになる。アラカルトを見ると、ミルク飼育の仔牛があった。日本では成牛があまりにウマすぎるためか、仔牛にはほとんど誰も見向きもしない。だが、ヨーロッパでは間違いなく仔牛のほうが親牛より高級なのだ。パリの2ツ星(当時)レストラン「ギー・サヴォア」で食べた仔牛の美味しさは忘れられない。夢よもう一度、ということでメインは仔牛にした。メインがヘビーなので前菜はスープにしようと思っていたのだが、いざ店に行ったら、フォアグラのラビオリを強く薦められてそちらにしてしまった。デザートはあまり充実していない。タイではチョコレートモノはダメだと分かっていたのでフルーツ系にする。「クレープシュゼット」と「パイナップルのフランベ」が目を惹いた。でもシュゼットはオレンジで別にタイは産地じゃないし、日本でも食べられる。わざわざ食べ比べするより、あまり日本にはないパイナップルのフランベにしてみよう。午後7時半の予約で、時間キッチリに行ったら、なんとダイニングでウエイターが輪になって朝礼(朝じゃないけど)状態だった。なんだか、素人っぽいな~と思ったのだが、案の定(?)、ウエイターの面々は研修生レベル。とても緊張していて、英語もままならず、見ていて気の毒なほど。とにかく一生懸命なのはよく伝わった。ミシュランの格付けは、星がつけば何でもかんでもビックリするほど美味しいというわけではないが、サービスの評価は確かだ。星つきレストランで一番感動するなのは、魔法のようにワインのコルクをあけるソムリエだったり、影絵のように音もなく歩くウエイターの優雅な動きだったりする。あの洗練だけは、日本は絶対にかなわない。日本人は味にお金を払うことには慣れているが、ウエイターの職人技には無頓着だ。水をついでいて、あっこぼした、なんてことは(日本ではしばしばあるが)パリの星つきレストランではありえない。レストランからの眺め。チャオプラヤー川に浮かぶ屋形船。向こう岸の威圧感のある建物はオリエンタルと評価を二分しているペニンシュラ。アミューズブーシュは卵の殻を上だけ破って中に詰め物をした、よくあるパターン。ツナのなんとかだって説明だったけど、シーチキンとどう違うのだ? とチラっと思う味だった。アミューズブーシュは感動的においしい小品が出てくることが多いので、ちょっと期待はずれ。連れ合いがアルコールがダメな人なので、ワインはいつもグラス。1000バーツ(3300円)もする最高の赤ワインをチョイスしたのに、あまり美味しくなかった。ちょっと酸化したようなすっぱさがあった。酸味とは違うような気がした。どこかで熱にあたってしまったのではないかと思ったのだが、何をやるのもいっぱいいっぱいの感じの、素人っぽいウエイターさん相手に文句を言うのも弱い者イジメみたいで気が引けて、そのまま飲んだ。赤ワインの渋みや深みが感じられず残念。このレストラン、ペリエが全部タダだった。このサービスを考えるとワインのハズレも許せる。パンは美味しかった。アフタヌーンティーを試したときは、「タイには美味しいバターがない」なんて書いてしまったが、前言撤回。パンについてくるバターは間違いなくフランスの最高級バターでした。Mizumizuの前菜はフォアグラのラヴィオリ、黒トリュフ風味。トリュフはあまり風味がなかった。まあ、季節柄仕方ないわな。フォアグラ味のラビオリというのはユニークだと思った。とても美味しい。ソースはゴルゴンゾーラの香りがした。…って、イタリアンじゃないの? これ(苦笑)。連れ合いのザリガニを使った一品。ペンネ仕立てなのが、やっぱりイタリアンしてませんか?メインの仔牛。……ギー・サヴォアほどではなかったが、まあまあ。肉質はみずみずしくジューシーなのだが、ちょっと豚肉のようでもあり(笑)。そもそも量が多いわ。これで半人前ですからね。やっぱりラヴィオリじゃなくてスープにすべきだったかも。ソースもオーソドックスすぎて、古い。それと付け合せがフェットチーネだというのも、「なぜ?」という感じ。正統派のフレンチというより、イタリアンとのフュージョンになっている。フランス料理もイタリア料理も愛する者としては、肉とパスタが1つのお皿で共演というのには違和感がある。付け合せはジャガイモのピューレにしてほしかった、せめて。こちらはコースを選らんだ方用のワゴンデザート。個人的にはワゴンデザートから何種類か取ってもらうスタイルは嫌いなので、頼まないのだが、脇から見てる分には美味しそうで、目を楽しませてもらった。ドームのようなケーキはどうやって切るのだろう?Mizumizuデザートはパイナップルのフランベなので、ウエイターが眼の前で作ってくれる。やっぱりデザートはこれでなくちゃ。このレストランにいる唯一プロといえるウエイター(?)の白人さんが腕を振るう。けど、火をつけるのに100円ライターはいけませんね。火力もちょっと弱くありませんか。ホテル・オークラの迫力あるクレープ・シュゼットのフランベに比べると、とってもこじんまりしていた。やっぱり、えらいぞ! ホテル・オークラ。出来上がった焼きパイナップル。芯が少し硬く、周りはしっとりと火が入っている。バニラ風味のソース(他にアニス風味、黒コショウ風味とあって、選ぶのだが、バニラにしてみた)も香り高い。酸味と甘味が渾然一体となった素晴らしい食感と味わい。アイスはダメでした。「どう?」とお兄さんが聞いてきたので、「完璧、素晴らしい」と褒めちぎった。デザートを食べると、もうコーヒーも紅茶も入らない。支払いをすませて帰ろうと思っていたのだが、ミニャルディーズを出してくれた。それがなんと、ドライアイスの煙が下から出てくるという、よくわからない(苦笑)演出。写真左がチョイ煙ってるでしょ? これが下のドライアイスの煙。のっているのはプティフールとショコラ。しかし、どうにもお菓子自体がダサい。それにあまり美味しくない。タイの焼き菓子ってどうしてダメなんだろう。朝食にもどっさり焼き菓子が出るのだが、どれも味がイマイチ。日本が美味しすぎるのかもしれないが。帰りにチョコレートのお土産までくれた。もういいっちゅーの(笑)。帰りは白人のウエイターさんと女性のフロント係がエレベータまでエスコート。感じよく頑張っていた。けど……結論:タイではやっぱり、タイ料理を食べよう。前日に予約をしたのだが、席は入り口から2番目。奥の落ち着いた席はすべて白人。入り口に一番近い最悪の席には中国人かタイ人のおじさんとその愛人風の女性。つまり日本人ではないアジア人。予約の順番で、偶然だったのかもしれないが(経験的カンから言えば、偶然ではない。有色人種を末席に固めてるのだ)、人種で序列をつけているようで、こういうのもちょっと気に入らない。ヨーロッパでは返って、こういう経験はない。だが人気は確からしく、レストランは平日というのにお客でいっぱいだった。味やサービスが傑出して優れているというより、あまり競争相手がいないんだな、という印象。おわり
2008.06.26
ドイツで聞いた、「白ソーセージには昼の鐘を聞かせてはいけない」という言葉。朝作った白ソーセージ(ヴァイスヴルスト)は午前中に食べるのが一番おいしい。時間をおくと味が落ちる、ということだ。実はパンにもそれがいえるのじゃないかと思えるモノを売ってくれる店が、井の頭線の久我山にあった。「グードファリーヌ」。天然酵母を使った自家製パンを売る店。職人のおにーさんが1人で焼いて1人で売っている。主にハード系で、生地に隠れた酸味が絶妙。「1日たつと味がなじむパン」や食パンやバゲット類もあるが、なんといってもここの焼きたての「味のついたパン」は最高。焼き上がりの時間をチェックして行く価値があるほどで、事実、何時に何が焼きあがるか店先の黒板に書いてある。もちろん熱がとれてもおいしいのだが、なんといっても作りたてのおいしさは天にも昇るほど。特に気に入っていたのが、「ブリオッシュジャポネーズ」というアンコ入りブリオッシュだった。ところが、このブリオッシュジャポネーズ、このところ見なくなった。理由を聞いてみたら、なんとバターが品薄で入手できなくなったので、作れないのだという。別のバターを使えばいいじゃない… というのは、コダワリの店には言えない台詞なんだろう。「その」バターあってこそのあのおいしさだったのね。小麦をはじめとする材料の値上がりは本当に深刻だという。この店の菓子パン類(甘いという意味じゃなくて、味のついた、という意味ね)は平均1つ250円もする。買う側からすれば大変に高いが、1人で作っている超少量生産だし、そのくらいの値段をつけても、おそらくそんなに儲からないだろうな、と見ていて思う。「4月から値上げせざるをえない状況」だという。仕方ないと思う。それより売れ行きと経営が心配だな~。ここの職人さんは、結構まだ若い。ちょっと浮世離れした雰囲気もあるし(苦笑)、おいしいパンを作ることのほかは、あまり興味がなさそうな人だ。荻窪からだと結構遠いのだが、それでもできるだけ贔屓にして応援しなくっちゃ。こんなおいしい、「本当のパン屋のパン」を食べさせてくれる職人はなかなかいない。駅から近くもなく、売り子もおかず(経営上おけないのかも?)、およそ商売っ気はないが、だいたいこの店に来るのは常連さんばっかりだからなんとかなっている。夕方にいくと菓子パン類はほとんどなくなっている。常連さんはみんな、早めに買って早めに食べるものだと承知しているのだ。少なくとも3時までに行かないと、めぼしいモノは売り切れている。右上の黒っぽいのは「ノアカシス(くるみとカシス)のパン・フラヴァール」。周囲はかためで中はもっちり、カシスのねっちりした舌触りにさわやかな酸味、くるみの歯ごたえと香り。これだけのパンには、本場のフランスでもなかなかお目にかかれないぐらいなのだが、なんと材料のくるみが50%値上がりしてしまい、在庫がなくなり次第これも販売終了になってしまうという。職人のおにーさんは淡々と話すのだけど、うう… どんどん商品がなくなるじゃないの。ホント、大丈夫か、この店。もしかしたら、1人でいろいろ作るのが大変になってきたのかな。毎日毎日20種類近く1人で焼いて、1種類当たり1日わずか5つしか店頭に並ばないなんていうのもあるからね。フラヴァールから時計回りにブルーチーズとクリームチーズなどの上質なチーズのハーモニーが楽しめるプチパン、カレー味が個性的なカルツォーネ、シトロンといって自然なレモン風味が楽しめる菓子パン。どれもこれも、すばらしいとしかいいようがない。冷えてしまうと魅力は半減だけれど、それでもやっぱり何度でもリピートしたくなる味。グードファリーヌを紹介した本↓東京でみつけたおいしいパン
2008.03.06
アイスワインには目がない。アイスワインとはドイツ発祥のデザートワインで、凍った完熟葡萄から造られる。極寒の朝に行わなければならない葡萄の収穫は大変なうえ、果実を搾っても通常の葡萄の10分の1ぐらいの果汁しかとれない。だがら値段も高くなるのだが、その分、普通のワインにはない、濃縮された甘さと香りが楽しめる。ドイツではアイスワインはクヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート( Qualitatswein mit Pradikat)、つまり「肩書き付き上級酒」の範疇に入れられている。基準も厳しく、あくまで自然の寒さで凍ったものがQ.m.Pアイスワインだ。葡萄を人工的に凍らせて造るアイスワインとは明確に一線を画している。だが、そのドイツの正調アイスワインも、日本で買うと甘みの奥深さがなくなってしまっているものが多いのはなぜだろう。人工的に葡萄を氷結させたアイスワインはあまり飲まないのだが、ある日、ワインのセレクトでは信頼をおいている「ザ・ガーデン自由が丘」でおもしろいモノを見つけた。イスラエルのワイナリー、ヤルデン。ヨーロッパではいろいろな賞をとってる実力派らしい。ゴラン高原で作っているからハイツ(高原)ワインという。しかも、コレ、大好きな「不良少女」ゲビュルツトラミネール種じゃないの! これは珍しい。ラベルのデザインも美しいし、も~、買うしかないでしょう。「伝統的なアイスワインの手法で造った」と書いてあるが、ゴラン高原という場所の気候から考えて、人工凍結だろう。お値段もドイツのアイスワインよりはずっとお手ごろだった。こちらはワインのコルク。アラジンの魔法のランプのようなロゴが洒落ているし、コルクの質もよさそうだ。で、肝心のイスラエル産ゲビュルツトラミネールのハイツワインのお味はというと…一口飲んで、かなり驚いた。これは相当おいしい! ドイツの上質な天然のアイスワインのもつふくらみと奥深さは若干足りないかもしれないが、ベタつかない甘さと、舌のうえで変化しながら長く続く複雑なフィニッシュはゲビュルツトラミネールならではかもしれない。果実のような、花のような香りもよりいっそう濃縮されている気がする。色もオレンジ色の花のよう。デザートワインにふさわしい可憐さと華やかさがある。あまりの衝撃に、本家ドイツのアイスワインと比べてみたくなり、テキトーにQ.m.Pアイスワインを買って飲んでみたのだが、ハッキリ言って、そのドイツの天然モノより上だったかもしれない〈当然値段はドイツの天然アイスワインのほうが高い)。さらに、最近ドイツは温暖化の影響で、アイスワインができにくくなっているという。いやあ、ドイツもうかうかしてられないよね。う~ん、ザ・ガーデン自由が丘のワインの仕入れはやっぱり、なかなかだ。誰が選んでるのか、話を聞いてみたいぐらい(笑)。ヤルデンというワイナリーも注目しよう。これだけのアイスワインを造るなら、ふつうのワインもおいしいだろう。と、思って調べたら、さすが楽天、ちゃんとある。ヤルデンのハイツワイン。でも品質はどうだろう。同じワインでも日本ではどうも質にバラツキがありすぎる気がする。輸送のときに傷むのか、管理が悪いのか、原因はよくわからないのだが。ヤルデン ハイツ・ワイン [2003] ゴラン・ハイツ・ワイナリー (375mlハーフサイズ)個性的で上質なデザートワインには、やはりイルドフランスのチーズ、「ブリー」を合わせたい。見た目、でっかいカマンベールでしょう?それもそのはず、カマンベールはこのブリーから派生したものなのだ。ブリーの歴史は1000年とも言われているが、カマンベールはせいぜい200年ほど。むしろMizumizuとしては、なんで日本でカマンベールばかりが知られているのか、そっちのほうが疑問。個人的にはカマンベールよりブリーのほうが好き。ソフトな白カビの下に、なんともいえない上品な甘さが隠れている。カマンベールにはこの「隠し味」は、あまりない気がする。まあ、カマンベールもいろいろだけれど。カマンベール好きで、まだブリーを食べたことのないアナタ、「でっかいカマンベール」を見かけたら、ぜひ名前を確かめて。ブリーだったら、絶対に「買い」。
2008.02.13
シェ・マルコ(荻窪)には地元の常連しかほとんど知らない隠れた超人気メニューがある。自家製の生パスタを使った「ジェノベーゼ」。ジェノベーゼとは「ジェノバの」という意味。パスタではバジリコを使ったソースを指す。Mizumizuはジェノベーゼはあまり食べない。というか、ハッキリ言って嫌いだ。バジリコ自体は嫌いではないのだが、ジェノベーゼソースになるとバジリコの青臭さが強調されてしまうような気がする。なので、めったに(というか、ほとんど)食べないのだが、シェ・マルコのジェノベーゼだけは別。ここのジェノベーゼはガーリックをうまくつかってバジリコの青臭さを消している。サーブされたときに漂ってくるフレッシュなバジリコの香りとガーリックの香ばしい香りはハナマルものだ。そして細いけれど生だからモチモチとしたパスタの食感も素晴らしい。シェ・マルコでは他にはカルボナーラとボロネーゼも試したけれど、これらはハッキリ言って『並』。ジェノベーゼだけが傑出している。しかも800円とお値打ち。ビストロなのだが、なぜか自家製の生パスタも食べられるから女性が1人でも入りやすい。実際単独客はだいたいフレンチのコースではなく、パスタを食べている。なかでもジェノベーゼは「驚異のオーダー率(お店の人の弁)」だそうだ。もちろん、フレンチでも、正統派の郷土料理を出す店であることは間違いない。これなんて、エスカルゴ中のエスカルゴ。ここまでオーソドックスなのはいまやかえって珍しいかもしれない。実はこれを食べて驚いた。というのは、ディジョンでリベラシオン広場を見ながら食べたエスカルゴと味がまったく同じだったからだ。つまり、ガーリックの風味が強烈だったということ。白ワインとマリアージュさせることを考えてのフランス人らしい強い味付けだ。もしかしたら遠く離れたこの2つのレストラン、ディジョンの「ル・プレ・オ・クレール」と荻窪の「シェ・マルコ」のシェフは同じところで修業したのかもしれない。マルコのシェフはブルゴーニュの「エスペランサ」にいたというし、その可能性は高い。焼き林檎とアイスのデザートでは、アイスの上で羽を広げてる白鳥(??)が妙に気に入っている。なんというか、シャガールの絵に出てくるヘタウマの鳥みたい。アイスは濃厚な味ではなく、ジェラートのようなさっぱり系。通りにある看板はこんな感じ。とてもウマそうな店に見えない…(苦笑)。ラーメン屋やドーナツ屋とごちゃごちゃになった看板は、丼モノでも出す店みたいだ(再苦笑)。ある日のこと。ちょうど店から出てきたたら、看板の前で、若いカップルが立ち止まり、女性のほうが指差しながら男性に話しかけていた。「けっこう美味しそうだと思うんだけど?」男性は黙っている。Mizumizuがさっそくプッシュしてあげた。「今食べてきたけど、おいし~ですよぉ!」「あ、そうですかぁ。じゃ」といって、女性はうれしそうに男性を促して入っていった。男性のほうは苦笑い。お客さん一組ゲット!ジェノベーゼとスフレが美味しいことは、教えてあげる暇がなかった。ゴメンね。
2007.11.20
スフレは暖かくて、フルフルしていけなければいけない。そして器からこぼれおちんばかりに膨らんでいなければいけない――フランスのレストランでは、スフレは普通そういう食べ物だ。だが、日本ではそういう正調・スフレにお目にかかることのほうが珍しい。東京でフレンチレストランに行くと、デザートはたいていワゴンから選ぶ「盛り合わせ」になっている。あれもいただけない。デザートは1品でいいから、しっかり厨房でその場で作ってほしいのだ。この2つのMizumizuの不満を解消してくれるビストロが荻窪にある。「シェ・マルコ」。Marcoさんではなく丸子さんらしい。日本人シェフなのだ。Mizumizuの大好きなブルゴーニュでも修行したことがあるという丸子シェフの作るフレンチは、ちょっとクラシカル。フランスの郷土料理そのものだ。たとえば鴨の胸肉は赤ワインソースにいちじくと葡萄を使っている。Mizumizuは鴨のフィレが、だ~い好き。それも果物のソースと合せてほしい。そういう意味でも、マルコの鴨は好みのど真ん中を行っている(ただし、フォアグラのソテーを前菜に頼むと、ソースがほとんど同じになってしまうので注意・笑)。そして、イチオシのスフレはこれまたオレンジ風味ときている。これもど真ん中ストレートだ。一番最近行ったディジョン(ブルゴーニュの街)で、街の中心であるリベラシオン広場に面した高級レストランで食べたのだが、それは熱を入れすぎて中身が少し分離しているヘタクソなスフレだった。マルコのスフレはそんなことはない。しっとりと滑らかで、よく膨らんでいる。サーブされるときも、ウエイターの盆の上でフルフルしている。食べる前も、自分でコッソリとフルフルさせてみたりして(笑)。バニラの香り高いソース(左)をスフレのてっぺんを少し割って、かけて食す。容器にこびりついたところが、これまた美味しい。ウエイターにあまり見られないように気をつかいながら(笑)、スプーンで一生懸命こそげとって食べる。食後はもちろんエスプレッソでしめる。このノリタケのエスプレッソカップは口当たりが抜群。
2007.11.19
阿佐ヶ谷でアブルッツォ産オーガニックパスタを買ってすっかり気に入り、再度買いにいく。今度はファルファッレではなく、無難にペンネにしてみた。まとめてトマトソースを作ったあと、アッラビアータにすべく細ぎりの唐辛子を混ぜる。アッラビアータとは、「怒った」ということ。要するに唐辛子が入って辛いので、食べてるとカッカする、というような意味だ。別にカリカリに焼いたベーコンをそえて、ペンネアッラビアータ、ベーコン添えのできあがり。プレートは益子で購入したもの。窯元不明。ベーコンはカリカリに焼くのが好みなのだが、かなりの頻度で焼きすぎて炭になることも…(笑)。デザートとして、マスカルポーネチーズに黒蜜をかけて食す。これが案外イケる(苦笑)。ただし、日本のマスカルポーネは淡白すぎるので、イタリアから空輸したものにこだわっている。以前は1000円以上したけれど、最近はだいぶ買いやすい値段になってきたのがうれしい。
2007.11.16
イタリアはウンブリア州のエキストラバージンオリーブオイルを売る珍しい店が阿佐ヶ谷にある。その名も『ブオーノイタリア』、つまり「おいしいイタリア」。う~ん、あまりにわかりやすい!ここではエキストラバージンのオリーブオイルのみを扱っていて、試飲(試し舐め?)もできる。Mizumizuも舐めさせてもらったのだが、かなり辛くてスパイシーなオイルだった。相当個性的な味だ。個人的な好みとしては、ウンブリアよりもっと南、たとえばシチリアあたりの、本当にフルーティで油っぽさのないオリーブオイルのほうが好みなのだが、ここのオイルは「初めての味」に近かった。エキストラバージンは本当に奥が深い。バーリに住んでいる友人は近くの農場で直接半年から1年分を瓶に入れてもらって買うそうだ。阿佐ヶ谷の『ブオーノイタリア』でも、ほぼ同様の買い方ができる。1度買ったら、次からは瓶をもっていけば大きな樽から注いで入れてくれる。日本でここまでフレッシュなオリーブオイルを買える店も珍しい。こういうところが自転車で行ける距離にあるのだから、ありがたい。実はエキストラバージンは台所にまだ別ブランドのストックがいくつかあるので、オイルのかわりにパスタを買ってみた。こちらはアブルッツォのオーガニックパスタだという。Mizumizuは自家製の生パスタを好むので、イタリアのレストランでもイケそうなものは、乾麺のスパゲッティから自家製の生パスタに替えてもらうこともある。乾麺ってそんなに味違うかな? というのが正直なところだった。それでもオーガニックのファルファッレを買った以上は、チーズもキチンとパルミジャーノを摩り下ろさなくては!左のグレーダーは、もっぱらパルミジャーノおろしに使っている。お皿は旅先のスペインで入手したもの。壁にかけて売られていた。「これが欲しい」と指差すと、お店のおかみさんが、壁からとって、そこらの水甕でちゃっと洗って(笑)包んでくれた。作ったのは、「ベーコンとアスパラのファルファッレ」。マスカルポーネチーズでコクを出している。シダ模様プレートは伊万里の太一郎窯。太一郎窯は贔屓にいしてる窯元だ。ファルファッレとは「蝶」の意味で、文字通り蝶々の形をしている。真ん中でしぼってあるので、周りはやわらかく、中は硬い(いわゆるアルデンテな)コントラストのある食感が楽しめるのだが、「アルデンテなんて『西洋そば』の生煮え」だと信じている、信州出身の連れ合いからの評価はイマイチ。「このパスタ、真ん中が硬いね」と言われる。以前もそう言ってた友人がいた。テレビでも「ファルファッレは真ん中に火が通りにくいので注意して」なんてシェフが言っていた(苦笑)。Mizumizuとしてはこのパスタは非常に気に入った。普通の乾麺とは歯ごたえと味の深みが違う。ただ、イタリア式の茹で時間が書いてあるので、そのままだと日本人には「ものすごく」硬い。おそらくそうだろうと思って30秒余分に茹でたのだが、連れ合いには、まだ「真ん中が硬い」と言われた。ううむ、イタリア式アルデンテに慣れていない日本人相手には、ファルファッレは避けたほうが無難かな。
2007.11.15
大きな仕事が終わってホッとしたときなど、なんとなく足が向かう場所がある。御茶ノ水にある『山の上ホテル』。もちろん泊まりに来るのではなく、食べたり飲んだりするために来る。しかも、Mizumizuが贔屓にしてるのは、ホテルのフレンチレストランでもてんぷら店でもバーでもない。コーヒーパーラー『ヒルトップ』だ。「パーラー」なんていってるのが、そもそも相当のレトロ感がある。ここは少なくとも15年前からレトロだった。今もしっかりレトロ。いや、もうその域を超えて「アンティーク」かもしれない(笑)。いつもクルマで来て、立体駐車場に入れる。ペニンシュラと違ってバレット代はなし(笑)。でも、従業員がちゃんと誘導してくれるし、雨の日は傘をさしかけてくれる。それなりに親切で心のこもったお出迎えをしてくれているように思う。『ヒルトップ』の入り口にあるアイアンの門扉。職人の手作りなんだろうな。それもだいぶ古い。水出しコーヒーの器材が置かれている。水出しも今ではそれほど珍しくなくなった。とはいえ、どこでも飲めるというほどでもない。エスプレッソとも単なるストロングとも違う、水出しならではの力強い苦味に対してMizumizuは、時々会いたくなる個性の強い親友のようなインティメイトな感情をもっている。こちらはイチオシのコヒーゼリー。水出しコーヒーで作ったしっかり苦いゼリーに、これまたしっかりホームメード感のある上質のアイスがのっている。アイスの量もケチってない。ここはカフェだが、コースの(というかセットというか)料理も用意されている。それもホテルとしては全然高くない。使われる洋食器は常にヨーロッパの一流ブランドのものだ。さりげなくヘレンドのシュガーポットが置かれている。これは和洋食かな。単品のステーキ丼。薄味で、シニア世代にも食べやすく作っているよう。スイーツも昔ながらのレシピで手を抜かず作ってある。オーソドックスでクラシカル。上の写真はサバラン。使われているお酒がよいものだということは、一口食べてみるとわかる。気安く入れて、値段もそこそこ。味は飛び切りとはいわないけれど、信頼できるレベル。そして、ここのよいところは、シニア世代がイキイキと集っている姿があることだ。東京は今海外の一流ホテルの進出ラッシュだ。レストランも次々新しいものができる。巷では「ミシュラン」の星をどのレストランが獲得するのか噂が飛び交っている。だが、そうした新しさを求めない、必要としない客層だっているのだ。『ヒルトップ』でくつろいでいるのはそうした層だ。『ヒルトップ』はめまぐるしさとは無縁の存在だ。昔からここにあり、昔からそれなりにはやっている。今だって、いつ行ってもちゃんとお客さんが入っている。お茶だけ飲むのもいいし、軽く食事をすることもできる。新聞も置いてあるからゆっくり読むこともできる。上質のお皿にしっかりしたサービスと味。リーズナブルな値段。常に変化し、流行の最先端を求め続けるのも東京なら、こうした変わらない空間が、それを心地よいと思う人に支えられてひっそりと存在し続けているのも東京。東京は常に「ヤヌス」の顔をもっている。しかし、芦ノ湖にある『山のホテル』と名前が混ざってしまうのは、Mizumizuだけだろうか?(苦笑)山の上ホテル物語楽天ブックス
2007.11.11
その上質のパンに出会ったのは、北海道のザ・ウィンザーホテル洞爺が最初。このホテルは食事がおいしくてよく札幌からドライブがてらランチに行ったものだ。サミットの会場に選ばれたので、そのうちにイヤというほどテレビで見ることになると思う。「絶景」はいろいろ見てるつもりのMizumizuだが、ここの絶景は確かに凄いと思う。ただし、山の上なので、晴れることがあまりないのが玉にキズ。そのホテルで焼いていたのが、フランスで「パリNo1 クロワッサン」にも選ばれたことのあるエリック・カイザー氏の技法をそのまま日本で再現したというパンだった。たしかに、酵母に秘密があるというパリ生まれのそのパンを、最初の食べた印象は強烈だった。メチャうま。そして、そのときは北海道と東京に何店舗かあるだけの「貴重品」だった。だが、その後、なんだかやたらとショップが増えた。今では名古屋にも福岡にもあるらしい。それとともに、最初にうけた衝撃の美味しさは明らかになくなってきているように思う。とはいえ、上質のパンであることは間違いない。今でもときどき白金に買いに行く。「買いに行く」というよりは、近くまで行ったときに寄って買ってくるという感じかな。このカイザー日本を立ち上げたのは、あんぱんで有名な木村屋の何代目かだという。商売としてはとてもうまくいったらしい。だが、ラーメン屋やケーキ屋と同じく、支店が増えれば増えるほどインパクトがなくなっていくと感じるのは単なる気のせいだろうか?たとえば、真ん中奥にあるチーズのかかったパンは、最初のうちは、分厚いチーズが横にまで流れて「耳」になっているものもあった。今ではチーズはこの薄さ。「え? チーズかかってる?」という感じだ。左のパンオノワはクルミの入ったMizumizuお気に入り。クロワッサンよりこちらのほうが好み。右はパンノアゼットショコラ。その名のとおり、ヘーゼルナッツとチョコレートチップが練りこんである。他にも、イチジクの入ったパンなどもあるのがいかにもフランス風。ヘーゼルナッツとイチジクは日本ではなぜかあまり人気がない。パリでは定番だ。カイザーはそうした「パリの風味」をパンにたっぷり詰め込んでくれている。ナッツ類やドライフルーツ類の使い方の巧みさ、チョコレートの濃厚な味などは、さすがパリの名店の面目躍如といったところだろう。機会があったら1度お試しあれ。ショップリストは以下。http://www.maisonkayser.co.jp/pages/5.SHOP.html
2007.11.09
南イタリア、プーリア州の州都バーリ。ここに住む友人の家に遊びに行ったとき、最高に美味しいフレッシュチーズに出会った。それが「ブッラータ」。見た目はモッツァレラ・ブファラ(ふつうのモッツァレラより一回り大きい水牛のモッツァレラ)を5倍ぐらいの大きさにして、巾着にしたような感じ。味はモッツァレラよりクリーミーで濃厚。実際、切ると中から生クリームがじわっとしみ出てくる。ただ、まったく日もちはしない。スーパーフレッシュなチーズなのだ。そのブッラータを今日、なんと東京でついに見かけた! なんだかバーリでみたブッラータよりずいぶん小さくて、しかも「3000円!」。高過ぎるとは思ったが、バーリに行く予定もなし、思い切って買ってみる。「今回初めて入ってきたんです」と店員。家に戻って袋を開けてみる。んっ? ちょっと微妙なにおい? 賞味期限は明日になっているが、もしかして味は落ちてるかな~と覚悟して、とりあえず、食べる前にパチリ。で、ナイフで切ってみる。ところが生クリームが固まったようになっていて何も出てこない。一口食べてゲェ~!! となった。これは腐ってる! 後味の悪さが舌に残り、慌てて吐き出す。チーズ屋に電話したのだが、「ただいま電話に出られません。おかけ直しください」と留守電メッセージが流れて一方的に切れてしまう。店なのに、留守電対応で、メッセージも入れられないとは… ついさっき買ったときは(小さな店のクセして)、店員は3人もいたはずだ。しかも、ふだんから売り込みが非常に激しい店なのだ。完全に頭にきて、直接店に直行。クレームして返金となった。ブッラータはあまりに日持ちしないから、日本で食べたいというのはそもそもムリなのかもしれない。いくら空輸でも現地で食べるものほど美味しいワケはない。だが、3000円でモロに腐ったフレッシュチーズを売るとは何事だろう。そういえば(?)この店は、他店に比べて同じモノでも高い。パルミジャーノなんかは切り分けてからだいぶ日にちがたってるらしく色もよくない。ブッラータの賞味期限は明日だった。あれも、実はムリヤリ延ばしたのかな? ほかにも腐ったブッラータを買わされた人がいるんじゃないかと気になる。痛んでしまってはいかに元来美味しいチーズでも食べられたものじゃない(当たり前か)。まあ、ブッラータなんて、知らなければ買わないだろうし、腐りかけを知らずに食べてしまって、「まずいチーズだな、ブッラータって」なんて思うこともないかな、とは思うのだが…
2007.09.27
南荻窪の、ほとんど住宅街の一角に「ドラマティコ」はある。漆喰の塗り壁にアルベロベッロの街の素描が飾られ、テーブルにはすべてコットンのクロスがかかっている(ランチどきでも)。まさにイタリアのリストランテの雰囲気だ。ランチはパスタ+パン+エスプレッソ(あるいは紅茶)のセットで1000円。パスタを生にすると300円アップとなる。もちろん、ここでは手打ちの生パスタがオススメ。パスタはキタッラという四角い切り口の麺。キタッラとはイタリア語でギターの意味。平たく延ばしたパスタ生地を弦を張ったパスタ切り道具の上にをおいて、圧力を加えて切っていく。特殊な道具を使うので、キタッラを出す店というのは案外珍しいと思う。切り口が四角いため、歯で噛み切るときに独特の歯ごたえを感じるのが特徴。ソースは季節ごとに変わるが、Mizumizuは「生ハムとブロッコリーのレモンクリームソース」にしてみた。レモン系のソースを使うパスタはイタリアでは、ときどきお目にかかるが、日本ではあまり見たことがない。ドラマティコのレモンクリームソースは、レモンピールも入り、酸味が強く効いていて素晴しかった。硬く塩辛い生ハムと柔らかくクタクタに煮たブロッコリーのほのかに甘い食感もよいアクセントになっている。さすがに荻窪のイタリアンの名店の名にふさわしい、プロフェッショナルな技の冴える逸品だ。ちなみにパンはライ麦パン。カリッとした耳にふわっとした生地。ライ麦の甘い香りが漂う。ひとつ食べ終わったら、おかわりももってきてくれた。Grazie!食後のエスプレッソはジノリのカップで。エスプレッソを常飲してるMizumizuにとってもかなり苦い。久々に砂糖を入れて飲んだ。
2007.09.05
もう10年以上前のことになるが、赤坂のHASHIYAというスパゲッティ屋によく行っていた。近くで働いていたからなのだが、そこのタラコ&イカは絶品で、ほとんどそればかり注文していた。職場が変わってからは行かなくなったのだが、吉祥寺のハモニカ横丁に「スパ吉」という自家製生麺のパスタを出す店の「博多明太子&イカ」を食べて驚いた。あのHASHIYAそっくりの味わいだったからだ。以来スパ吉に行くと、明太子&イカと決めているが、つい最近行ってメニューをのぞくと、明太子&イカの説明が以前と変わっており、なんとそこには「修行したHASHIYAの味」だと書いてあるではないか。かつて贔屓にしていた店で修行した人が、近所に店を開いてくれていたとは嬉しい。おかげでわざわざ遠いHASHIYAに行かなくても、同じ感動が味わえる。HASHIYAはネットで調べると、今でも人気があるようだ。ビルの地下1Fで、それほど広い店ではないのだが、行列もできるという。スパ吉もかなり頑張っている。手頃な値段で生パスタが食べられるとあって、いつ行ってもお客さんがいないということがない。ハモニカ横丁という、闇市の雰囲気を残す狭い路地にあるというのも、なかなかオツなところ。自家製生麺も美味しい。夏以外だと麺だけ売ってくれるので、家で生パスタを食べたいときに重宝している。欲を言えば、トマトソースはもうちょっと本格的なものを作ってほしいかな。
2007.09.04
梅雨とは思えない爽快な青空のもと、軽井沢までドライブした。木立の中で、春蝉とホトトギスが同時に鳴いている。ランチは、六本辻の一角にある一軒家のフレンチレストラン「ラ・ベルクール」へ。女性スタッフの礼儀正しいお迎えを受けて、メインダイニングに進む。2004年にできたレストランだというが、まるで長い歴史を刻んできたかのようなインテリア。年代ものの大きなオルゴールの音も本物。まずはアミューズ。トマトと白ワインのゼリー。ここに泡状にしたつめたーいトマトを、大きなアルミの容器を振ってシュワッとかける演出がある。硬くて少し青臭いトマトと、甘くて柔らかなゼリーの組み合わせに、ふんわりとしたトマト味のフォーム。「もうちょっと食べたい」と思うところで終了。それから、前菜があって、リードヴォ-(牛の胸腺)や小タマネギが入り、カリカリのベーコンが載せられたポタージュへ。お皿を飾るのは乾燥赤ピーマン。リードヴォーのねっとりとした舌あたりと硬めに茹でた野菜のシャキシャキした食感の対比が楽しめるよう考えられている。それはいいんだけど、ポタージュがちょっとぬるかった。メインは鴨を選択。ソースはポルト酒… というのが古臭いな~ と思ったら、やはりおとなしい味だった。鴨は一度軽くローストして、スパイスをふり、また再度ローストするなど、調理の手は込んでいるよう。それに鴨自体の肉の触感はキチンと生かされている。皮と肉の間の脂肪の感じまでちゃんとわかる。しかし、やはり鴨といえば、フランスで食べたブルーベリーを使ったソースやカシスを使ったソース(これは当然ながら、ディジョン)があまりにおいしかった印象があるので、感動はほとんどゼロ。ただ、お皿を見ていただくとわかるが、付け合せはかなり凝っている。中に絹サヤなどが刻んで入っている、籠みたいに見える「容器」もちゃんとパリパリ食べられる。緑の野菜も土の香りがするような力強さがあった。ふんわりとしたポテト(そこにパリパリのチップス状のポテトを載せてる)の付け合せ、ズッキーニの皮を容器にして中身を刻んだ付け合せまである。ここまで付け合せに手をかけたメイン料理も珍しいのでは。ちなみに、連れの仲間は和牛とノドグロ(という魚)を選んだ。和牛はおいしかったよう。魚は少し生臭い感じだったとか。デザートはコーヒー味のアイスとババロア。アイスの上にのってる薄いチョコレートにご注目。Mizumizuはリヨンの街角のショコラティエで、この手のメチャ薄のショコラ(素材にベネズエラ産のカカオを使っていた)に感動して以来、日本でこれを作るショコラティエをずっと探しているが、まだお目にかかったことがない。パレファンよりずっと薄く、コーヒーとは「幸福な結婚」のパートナーだが、ちょっとでも熱いコーヒーカップに触れるとすぐさま溶けてしまうほど繊細。その意味では、この極薄ショコラを作ってくれたシェフに感謝したい気持ちになった。ちなみにこのデザート、コーヒーを主体にした味といい、お皿といい、南イタリアのサンタ・アガタにある星つきレストランで食べたのにソックリ。ちなみに、その星つきレストランは、味はたいしたことなかった。どうもMizumizuはミシュランとは意見が合わないことが多い。特にフランス以外では。第一のデザートが終ると、ワゴンデザートが運ばれてきた。地元のサクランボ、プルーンのコンポート、洋ナシのタルト、そば粉のブリュレなどから選べる。ここでワゴンデザートを選んだら、テラコッタのタイルを敷いたテラスの先に広がる、木に囲まれた庭で最後のデザートを楽しめる。天気もよくて、暑すぎず、寒すぎず、時期とタイミングは最高だった。ただ、惜しむらくは、クルマの往来の激しい道が近くて、かなりうるさいこと。イチオシは洋ナシのタルト。キメの粗い生地が最高に美味しかった(でも洋ナシの味はあまりしない)。そば粉のブリュレも出色。珍しい風味が楽しめる。ハーブティーに力を入れているようだが、ややイメージ倒れの感があり。普通にエスプレッソにしたほうがいいかも。コースの品数があまりに充実しすぎて、プティ・フールのフィナンシェとプチトリュフは「お持ち帰り」にしてもらう。慣れたもので、マチが三角になったこじゃれた小箱に入れてくれた。全体として、野菜にかなりこだわりのあるシェフだと思う。ただ、あくまで個人的な要望だが、もうちょっとソースに新しさが欲しい。前菜で頼んだホタテのベッドになっていた野菜のタルタルももうひとつで、ちょっと首をひねった。ただ、使っている素材の多さや手のかけ方にはアタマが下がる思い。ここまでいろいろ作らなくても、もうちょっと絞って力点を入れたほうが受けはよくなるのではないだろうか。
2007.06.19
荻窪の駅ビル、ルミネをエレベータで5階まで上がる。右側に向かって歩き出すと、フロアの中央にわりとオープンで大きな店がある。廊下から覗き込むまでもなく、いつもお客さんでいっぱい。お昼時には行列もできるほど。ここは本格(????)イタリアンが気軽に食べられると評判のラ・ヴォーリア・マッタ。名前がちょっと憶えにくいけど、「ルミネの上のイタリアン」で荻窪では通ってる。ピッツァにはナポリ風、ローマ(あるいはミラノ)風と日本で呼ばれる2種類がある。違いは生地の厚さ。もちもち、ふわふわ、厚手の生地がナポリ風。カリカリ、うすうす、クリスピーな生地がローマ(あるいはミラノ)風。「ピッツァは小麦粉を味わうもの」というピッツァの王道?から行けば、当然生地はもちもちで、トッピングはシンプルなほうがいい。ナポリで一番美味しいのは、やっぱりピッツァの元祖、マルゲリータだけど、これだと、トマトソース+モッツァレラチーズ+バジリコのシンプルなトッピングゆえに、素材のよしあしと生地の作り方・焼き方の腕がストレートに出てくるわけだ。ピッツァは当然ナポリが発祥の地だから、ローマ風ピッツァ(と日本で呼んでる)クリスピーな生地のピッツァは「ピッツァ・バリエーション」だと考えたほうがいいかもしれない。トッピングされた素材のハーモニーを味わうには、正調ピッツァだとちょっと生地が重すぎる。そのかわりクリスピーな生地では、サクサクした歯ごたえと食感は楽しめても、ふくよかな小麦粉の味わいというのは期待できなくなる。で、ラ・ヴォーリア・マッタのピッツァは、当然ながら、薪火で窯き上げる(イマドキ、ピッツァを売りにするなら、もはや当然の感もあるけどね)。直径約40cmとサイズも特大でお皿からはみ出して運ばれてくる。視覚的なインパクトもなかなかのもの。一番人気の、お店の名前を冠したPizza "La voglia matta"には、薄く切ったナスに生ハム、トマト、ルッコラまで載っている。薄い生地は、ホント、これ以上ないというくらい薄さを追求していて、塩味がピリッと効いている。ナスも芸術的(苦笑)なまでに薄く、なんというか、生地の一部になってる感じ、このナスが、しっとりした食感を元来カリカリの生地に与えてる。そこに塩気の強い生ハムと、ちょっと青臭いトマト、独特の苦味と風味が個性的なルッコラが加わる。これはこれで素敵なハーモニーだ。人気があるのは頷けるけど、正直、行列ができたりするのは「そこまでして?」と、ちょっと不思議でもある。80席というから、けっこう大きい店だしね。いつまでこの人気が続くんだろう(すでにもう、けっこう、長いけど)。駅ビルという立地のよさもあるかもしれない。ピッツァには確かに個性はある。けど、生パスタはないし、スパゲッティの味付けも「日本風」。前菜やそのほかの一品も、確かにおいしいんだけど、そんなに群を抜いてるとまでは思わない…。料理や味付けに「アタマひとつ抜けた感」は乏しいけど、といって、ハズレもない。アンティパストは何で、プリモはコレ、セコンドはソレで、ドルチェはアレ… みたいな正調リストランテの作法が面倒なとき、3-4人で料理を分けながら、気軽にワイワイ楽しむためにはうってつけのお店かも。· 杉並区上荻1-7-1 荻窪ルミネ 5F · 03-3393-1801 · 不定休(ルミネに準ずる) · 11:00~22:00
2007.06.11
ツム・アインホルン (ドイツ料理 / 六本木一丁目)ヨーロッパの春の味覚「ホワイトアスパラ」。日本でも最近は珍しくなくなりましたね。すでに春というより初夏といったほうがよい6月に入ったある日、ドイツ直送のグーなホワイトアスパラを食せるレストランが六本木にあると聞き、さっそくランチに行ってきました。早くしないとシーズン終っちゃうし。六本木1丁目から徒歩3分、六本木ファーストビルにある「ツム・アインホルン」。オフィスビルなんだけど、レストランはもちろん一般人も入れます。おお~! ものすごいジャンボサイズのアスパラ! さすがシーズン終盤。かなり育ったようですね。ソースはもちろんオランデーズソース(卵黄とバターをベースにしたクラシカルなソース)。ここのレストランのオランデーゼソース、ハッキリ言って、ドイツ・スイスでもここまで美味しいソースはなかなかないってくらいの出来栄えです。控えめながらいろいろなフレーバーが混ざり合い、そこにバターの香りがふんわりと効いてる。「本場」だと、インパクトのないサウザンアイランドみたいだったり、茹でて刻んだ卵白がやたら入っていてホワイトアスパラの食感が消えてしまったりするようなのも多かった。ここのは茹で加減も神経行き届いてます。「本場」のは、たいがい茹ですぎで繊維っぽくなってしまったのが多かったっけ。しかし、大皿にたった1本、というのは、「本場」では経験したことない(笑)。このレストラン、サラダのドレッシングもおいしかったです。ヨーグルト風味で。たしかに、この手のドレッシングのかかったサラダ、ドイツでよく食べた気がする。うーむ、「ソースの魔術師」と言っていいかも、ここのシェフ。HPによれば、六本木ファーストビルに入ってるドイツ企業のお偉いさんに、ここで出店するよう奨められたとか。味のわかるエグゼクティブだったんですね。外資系の企業が多いせいか、外国人のビジネスマンもたくさんいました。日本じゃないみたいな感じ。一般人も入れるとはいえ、ちょっとわかりずらいのが難点かな。しかし、ホワイトアスパラまで日本で美味しいのが食べられるとは… ユーロ高の折りも折り、ますますヨーロッパに行く理由がなくなっちゃう。
2007.06.09
この週末、芦ノ湖の「山のホテル」に行きました。I went to “Hotel de Yama” at Lake Ashi this weekend.このホテル、ツツジで有名ですが、ちょっと遅かったみたい。This hotel is famous for azaleas but it seemed that I was a little too late to come.ホテルのフレンチレストランでランチを取ることに。この季節はやっぱりテラスでしょう。うーん、このテラスはイタリアを思わせる雰囲気だな~I had lunch at a French restaurant there.In this season, the terrace (which is right beside the Lake Ashi) looked a suitable place to eat.ランチコースは牛肉のカルパッチョからスタート。白く見えるムースはガーリック風味。甘くはありません。えらくおいしいカルパッチョでした。肉の臭みもまったくなし。サラダは水菜。これは安いよね。(笑) でも肉といいコンビでした。薄くスライスしたパルミジャーノレッジャーノとカリッと揚げたガーリックチップスが素晴しいアクセントに。Now my lunch begins with a dish of beef carpaccio.This white mousse is made with garlic.The taste is more than I expected!キャロットスープはほんのりとニンジンの香りが。あまりダシの主張が強くなくて、自然でやさしい味でした。Carrot soup has a mild and natural taste.駿河湾の金目鯛にイカ墨のソース。絶品でした。やはり魚は日本が最高ですね。金目鯛の皮はカリッとしてるのに焦げてない。塩はやや強めで、甘みのあるイカ墨のソースとの妙なるコントラスト。Fresh alfonsino with sepia sauce tastes heavenly!After all, fish in Japan is the best in the world.デザートは、マンゴープリン(ココナッツソースがけ)にラズベリーのシャーベット。これもちゃんと果物の味がしました。シェフの腕の高さがよくわかるコースでした。これで4400円は安いでしょう。ともすれば、高級ファミレスになりがちなフレンチのランチコースで、最後まで手を抜いてない料理というのは、実はスゴイこと。ゼッタイお奨めのレストランです。行くべし!Mango pudding (with coconut sauce) and raspberry sherbet for dessert have “real” flavors of natural fruits.This lunch menu costs approx. 4,400 yen (including the service fee and consumption tax) Strongly recommended - I mean it!これからはバラのシーズンですしね。ちなみに土曜日、あっという間にテラス席も中の席もお客さんでいっぱいになってました。A season for roses has just begun.Note: Almost all tables were full when I visited the restaurant on Saturday noon.
2007.06.03
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