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2005/09/23
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カテゴリ: 日々のアレコレ
公開初日だった本日、朝一の上映で観て来ました。

ここからはちょっとストーリーも絡めてのお話になるので、
ネタバレ的 な内容になるかと思います。

これからご覧になる方で、楽しみにされている方は、すっ飛ばしてください。




病院の待合室で、入院患者と思われる小さな男の子に向かい
おちゃらけて相手をしている 寿俊 (まさよし)。

彼があと余命いくばくもない事など、誰が気づいただろうか・・・。


アップの 寿俊 究極の不細工な顔 で始まる。
なんだか照れくさくなってしまった。


そんな態度とは裏腹に、医師の話を聞く時の神妙な何とも言えない複雑な表情・・・。

薬袋を手にうつむき、肩を落とし、重い足取りで歩く。

それが死を直前に、残されたわずかな時間を生きる、彼の本当の姿。

旧友からの電話で突然の友人の死の知らせ。
火葬場で見送る彼の目に映る光景は、まさに数ヵ月後の 自分のその時 であっただろう・・・。

この数分の、まだほとんど台詞もない表情だけで演ずる、まさよしくんを拝見し、
役者になったな と思う。


地元の子供たちにも好かれ、ふざけている 寿俊

まさよしくん、 ”子供って時には好きだけど、時には嫌い” とどこかで仰ってた。
それを思い出し、口元が緩んでしまう。


月とキャベツ で銀幕デビューしてから8年の月日が流れ、
今年34歳になるまさよしくんだからこそ、この 鈴木寿俊

しかしヒロインである 由紀子 (関めぐみ)に終始 『おじさん』 と呼ばれることには非常に抵抗があった。

寿俊 自身も、自分の事 『おじさんはね』 とか言ってるし・・・。


原作、韓国版 ”八月のクリスマス” で主人公を演じていた ハン・ソッキュ は年相応で、
『おじさん』 と呼ばれてもなんら違和感もなかったのだけど。

寿俊 由紀子 の年齢差は、どう考えても10歳程度。

いくら、韓国版のリメイクとはいえ、ここまで忠実に再現しなくても・・・という私的感想。


映画全体的に、忠実な再現で出来上がったような内容だったけれど、
あと二箇所ほど、 ”ここまで・・・” と思う場面がある。


終盤、 寿俊 の病状が悪化し入院している事を知らず、毎日の様に写真館を訪れる 由紀子 が、
店舗の窓ガラスに石を投げて割ってしまう場面。


原作 ”八月のクリスマス” では、 韓国独特の感情の表現 というか、
ヒロインの役柄からみてこのシーンは別に違和感はなかったのだけれど・・・。

ヒロインがなんとも 男勝りで激しく 、こういう行動もありかな?と思っていたので。

”8月のクリスマス” 由紀子 は、遠慮せずズカズカと入り込んで来る様な気性で、
小生意気ではあるが、ちょっとまた違ったものがあった。


もうひとつは、 寿俊 が亡くなった後の 遺影 の場面。


襟元を正した自分の遺影をセルフで撮影するのだけど、
シャッターを切った後の次の場面 がいきなり遺影 なのだ。

突然死んでしまっている設定になっている。


原作を観ていて、 『これってあり?』 と非常に疑問だったので、
”あちゃー・・・ここまでもかよ”と。


寿俊 由紀子 の、お互いに心に秘めた淡い恋を表現する為に、
あえて悲しい涙涙の場面をオリジナルとして組み込まなかったのかもしれないけれど。

なんか、ちょっと泣きに行こうかなと思っていた私にとって
『いやー!寿俊死なないでー!』 という場面が欲しかった。


試写会を観た人から、 号泣 したとか 涙が止まらなかった とか、そんな感想を耳にしていたので、
この涙もろい私にはたまらなく耐えられない映画になるだろうと思っていたのに、
まったく 涙一滴 こぼれなかった。


しかし、旧友である 亮二 (大倉孝二)を誘い、飲みに行った時に酔った勢いに任せて
『俺、時期死ぬんだ』 とふざけたフリをして告白する 寿俊

酔っ払い、ケンカ沙汰を起こして警察で事情を取られていた 亮二 の傍で、居眠りをしていた 寿俊 が、突然取り乱し 『俺は何もしてねえ!俺は悪くねえ!俺が何したって言うんだよ!』
と泣き叫ぶ場面。

心の中に溜め込んだものを酒の力で一気に吐き出したのだろう。


そして、もうひとつ、死と直面しつつも静かに穏やかな時間を過ごしていた 寿俊 が、ある晩
ベッドの上で布団を頭からすっぽり被り、 声を上げ壁を叩き付け号泣 していた場面には、
本当に胸が締め付けられる思いだった。


冷静を装っていても、 死に対する恐怖心 やりきれなさ が手に取るように感じ取られた。


布団の中に潜り込んでいるので、 寿俊 の表情は一切出てこないのだけど、
本当に彼の気持ちがダイレクトに伝わってくる演技だった。



父親が、 寿俊 の病状をおそらく妹の 純子 (西田尚美)と会話しているのを
帰宅した玄関先で聞いてしまった時、その場に居られなくなった 寿俊

何かを考えながら、夜の坂道を歩いていると焼き芋を買った後の 由紀子 に出くわす。

寿俊 の病気の事も何も知らない 由紀子 が、 寿俊 の表情を見て
自分の為に買った焼き芋を袋ごと渡す。

『これ、ホカロンの代わりに持ってるとあったかいよ』 と。

今まで、自分の行動に振り回していた 由紀子 が、初めて見せる優しさの表現だった。


この 由紀子 との楽しい時間を過ごす毎に、生きたいという気持ちが募ってくる。
だが、しかし自分の命は消えゆくものである為、決して思いを伝えることは出来ない。

由紀子 宛に書いた手紙も、投函されることなく箱の中にしまい込んでしまう。

終盤は殆ど台詞もなく、表情のみで演ずる場面が多かったけれど、
この 寿俊 の切ない思いが見事に表現出来ていたのではないだろうか。



写真館の全景と共に、今回の映画の為に書き下ろした ”8月のクリスマス” が流れ
クレジットに切り替わるが、曲が終わるまでずっとスクリーンを見つめていた。

館内の明かりが点ってからも、ちょっとだけ余韻に浸っていた。

正直言って、最初はどう感想を述べて良いのやらわからないと思っていた映画だったけれど、
時間が経つに連れて、 じわりじわりと感動を呼び起こしてくれる 、そんな優しい映画でした。






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最終更新日  2005/09/24 01:44:13 AM
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■コメント

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私も「8月のクリスマス」見ました。  
nika さん
初めまして、nikaと申します。


すずねさんの感想にとても共感を覚えたのでコメントさせていただきました。
見ている時は色々は思いがよぎって、冷静に見れなかったんですけど、まさやんの表情だけの演技はすごくよかったと思いました。

確かにもっとしっくりくる話の運びや台詞まわしがあったんじゃないでしょうか。
ちょっと暗転も多くて、見づらかった気がします。

でも雰囲気はとてもよくて、あとからあとから色んな場面を思い出してしまいますね。 (2005/10/08 11:57:00 PM)

Re:私も「8月のクリスマス」見ました。(09/23)  
nikaさん

はじめまして。

小説を読んでからだと、尚の事物足りなかったのではないでしょうか?

映画を観る前に、原作を読んでしまうと後悔してしまうこと多いですね。

僕の彼女を紹介します はまさにそうでした。

暗転が多かったのは、静かな時の流れを表現する為に大事だったのかもしれませんね。

リメイクとはいえ、もうちょっと日本人向けの作りにしてくれたら、もっと素晴らしくて良かったと思います。 (2005/10/09 01:00:28 AM)

Re[1]:私も「8月のクリスマス」見ました。(09/23)  
nika さん
すずねさん、お返事ありがとうございます。

韓国版見てないのにアレですけど、
ちょっと意識しすぎたんじゃないでしょうか。
小説は意識しているところが、
正確に伝わってくるので余計に、
今回のリメークは歯がゆかった気がします。 (2005/10/09 09:17:35 PM)

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