「デジタル家電の領域で、当社は負け組になっている」。2013年3月期まで2期連続で7000億円以上の連結最終赤字を計上するパナソニック。津賀一宏社長は10月末の記者会見で、自社の現状を厳しく評価した。合理化などの効果で営業利益は前期の3倍強となる1400億円に回復するが、自動車部品などを除く主要部門で軒並み減収となる。
事情はデジタル家電のもう一方の雄であるソニーも似ている。今期は黒字化を見込むが、テレビなどエレクトロニクス事業の不振で12年3月期まで4期連続で連結最終赤字を計上。12年4月に就任した平井一夫社長兼最高経営責任者(CEO)の下で不採算事業の売却や人員削減などを通じた経営効率化を進める。
1ドル=80円前後という歴史的な超円高が定着し、日本企業はアジア勢に対して輸出競争力が大幅に低下した。国内の電力値上げなど、新たな負担も発生している。テレビ世界最大手のサムスン電子や同2位のLG電子など韓国勢との価格競争も激化。サムスンなどはウォン安を追い風に欧米市場でシェアを獲得した。
一方の日本勢は戦線縮小が続く。パナソニックはスマートフォンで米アップルやサムスンの牙城を崩せず、今春に再参入したばかりの欧州市場から今年度に撤退することを決めた。かつて世界最大手だったソニーのテレビ事業は今ではサムスンなどの後じんを拝し3位に沈む。現状、韓国勢の背中は相当遠い。
日本勢の不振の原因は外部環境の悪化だけではなさそうだ。パナソニックの津賀社長は「メーカー視点の技術開発に走り、顧客目線を忘れていた」と指摘。デザインなど、海外企業に劣る点があったと認める。今期4500億円の最終赤字となるシャープの奥田隆司社長も「良い技術があっても、マーケットに受け入れられるかどうかという取り組みが不十分だった」と反省する。
パナソニックは10月に本社部門をスリム化する組織改革を実施。「スピードを上げなければならない」(津賀社長)と意思決定のあり方から見直し、業績の立て直しを急ぐ。
ソニーはサムスンとの液晶パネル合弁事業を12年1月に解消。台湾勢などにも調達先を広げることでパネル調達費の削減を進める。さらに高採算が見込める大型の上級機種に製品数を絞り込むなどして14年3月期のテレビ事業黒字化を目指す。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXZZO50116680Y2A221C1000000/?dg=1
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