アップルの「iPhone(アイフォーン)」を2008年に国内発売したのはソフトバンクだ。タッチパネル操作のスマートフォン(スマホ)は「日本人にはなじまない」ともいわれたが、わずか5年でスマホが主流となった。
スマホの登場により、海外でも世界シェア4割を誇ったフィンランドのノキアが端末事業で行き詰まるなど、世界の携帯市場の主役は従来の通信系の企業から米IT企業へと大きく変わった。
そうしたスマホに自社技術を残そうとしたのがドコモだ。「世界共通のiPhoneを皆で販売競争すれば通信会社の主導権が奪われる」と考え、米グーグルの基本ソフトをベースに独自機能を盛り込んだ。だが多くの利用者はiPhoneを求めて流出した。
ライバルに350万もの利用者を奪われたドコモは結局、iPhone発売を決断したが、経営判断が本当に問われるのはこれからだ。ドコモは新規契約台数の4割をアップルに約束したようだが、世界と同じ端末を売るにはサービスの見直しも必要だからだ。
携帯メールや電子商取引などはiPhone上でもアプリとして提供するというが、「おサイフケータイ」やワンセグ放送など独自の機能は、端末の仕様を変えなければ提供できない。放送のデジタル化に伴い、新たに携帯向けに始めたテレビ放送も同様だ。
ではiPhoneと独自技術の共存を目指すにはどうすべきか。まずは利用者に必要な機能はどれかを見極めることだ。日本市場に本当に必要な機能なら、他の携帯2社にも協力を仰ぎ、アップルに採用を求めていくべきだろう。
ドコモに端末を供給してきたメーカーにも戦略の転換が要る。通信会社が仕様を決め、メーカーが製造を担う護送船団方式はもはや通用しない。需要が見込める新興国など海外市場を狙い、政府もそれを後押しすべきだ。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59652190T10C13A9EA1000/
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