買収する米ワッツアップは2009年に米ヤフー出身のヤン・クームCEOが設立した。短文をやり取りするアプリを手掛け、手軽さが支持されてチャット・通話アプリでは世界最大の顧客基盤を持つ。競合他社とは異なり、広告を表示しない代わりに年間0.99ドルで利用できる。欧州や中南米などで利用者を増やしているという。
マホは13年に世界出荷台数が10億台を突破し、ネット接続機器の主役に躍り出た。フェイスブックもアプリの改良などに取り組みモバイル経由の利用者は9億4500万人に到達。広告収入に占めるモバイル向けの割合も13年10~12月期に5割を突破した。
米ネット業界ではスマホの出荷台数は新興国を中心に数年以内に年間20億台へと倍増するとの見方が有力。フェイスブックはワッツアップの買収でこの「次の10億人」を手にするための切符を手に入れた格好だ。
社員がわずか50人ほどの新興企業で、顧客の半分はまだ「無料サービス期間」とみられるワッツアップ。市場関係者の間には買収金額の高さや収益化の道筋が不透明なことを危惧する声もあり、19日にはフェイスブックの株価は下落した。しかし、クームCEOは「10億人規模の利用者を確保すれば収益化の道はおのずと開かれる」と話す。
スマホ経済圏の顧客を囲い込み、その基盤の上で様々なサービスを提供する。例えば広告、物販、決済。一つひとつは少額でも10億人規模ともなれば巨額な収益を生むビジネスモデルが築ける。
アプリでは楽天も無料対話で3億人の顧客を持つバイバー・メディア(キプロス)の買収を決めた。利益も出ていない新興企業に費やす買収額は9億ドルだ。まだ顕在化していない「有料顧客」をいかに囲い込むか。スマホを舞台に、ネット企業による顧客争奪戦が本格化する。
出典: http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD200OR_Q4A220C1EA2000/?dg=1
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