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この本の出版は1974年である。最初に読んだのは、図書館で単位のことを調べていて出会い、面白そうなので、そのまま借りて読んでしまった。その後10年ほどして偶然、本屋で見つけたので買って置いた。で、そのままになっていたのを、今日、読み返した次第である。その本は、「小泉袈裟勝」著の「歴史の中の単位」である。現在では、入手は困難であるが、同じ著者の手による「図解・単位の歴史辞典」が、目次から判断するに内容を引き継いでいると思われる。著者のあとがきにあるように、集めた資料の散逸を補う意味で著わした本である。物語的でも、ないし事典的でもない。この本を読んで、学習意欲が沸いたとしても、参考文献が明示的になってない部分も多く、苦労することになる。私見なのか証左あるのか、わかりにくい箇所もあるが、それはそれで、学習意欲をかき立てるに寄与するのかも知れない。扱われている単位は、近代以前のものである。それが「歴史」となっている由縁であろう。従って、電磁気の単位は出てこない。度量衡の話である。「度量衡」なる用語は、中国故事に語源がある。「長さ、広さ、大きさ、重さ」である。三つが四つという疑問は、「量」が、「広さ、大きさ」だからである。その話も本書に含まれている。著者は、「重さ」に質量を使っているが、やはり、「重量」とするべきであろうと思う。宝石の単位を紹介しておこう。もちろん、本書でも解説されている。ダイヤモンドは、カラットで計るが、このカラットは、「豆」から来ている。豆1個の重さのダイヤモンドが、1カラットである。何の豆かというと「キラト」という豆なのだそうである。日本の伝統宝石と言えば、真珠である。真珠は、カラットでは計らない。「匁(もんめ)」で計る。御木本真珠の世界進出に乗って、「もんめ」も海外進出を果たしているそうである。果たして、そうか、海外に行かれた方は、現地で確認するのも興味深いと思う。グラムで表示されているのか、それとも、匁なのか。
2006.04.30
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「キ-94」とは、旧日本軍が、アメリカのB‐29を迎撃する為に開発を進めていた軍用機のことである。その開発に関して、開発者自身の手になる書が「幻の高高度戦闘機キ94」として、三樹書房から発行されている。ふと眼に止まったので、衝動買いした。この手の資料本は、一旦、売切となると、そのまま絶版となることも多いので、買っておくに限る。紙質がいいので、ずっしりと重い。写真の質を高める為であろうか、医学書並みである。その為か、価格も2400円と、高めである。独創的な研究開発の扱われ方は、今も昔も、変わらないようである。日の目を見てゆく経緯も、今日に通ずるものがあるのは、興味深い。資料的価値、エピソード集、研究開発の導として、良い本であると思う。因みに、著者は、戦後は自動車開発に携わり、日本に自家用車時代をもたらした「カローラ」を生んでゆく。幻の高高度戦闘機キ94
2005.08.15
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久々の、再読を終えたところである。3度目か、4度目になるだろう。初めて読んだのは、邦訳が出て間もない頃に病床でのことである。その時の病とは、今も付き合ってしまっている。すなわち、ピロリ菌の「保全」に、多大の犠牲を払っている次第である。原著名は「Conservation and evolution」とあり、邦訳では副題の「種の保全と進化」の方が、内容を良く現している。どうも、邦訳の書名には首を傾げたいものが多いと思う。当時は、バイオテクノロジーの黎明期で、「遺伝子」という言葉が、今以上に、跋扈していた。それで、書名に持って来たのであろう、「資源」というおまけまでつけて。もちろん、資源のない国「日本」を意識してのことであろう。さて、この本は、「生物の多様性」が重要であることを理解するものの、「種の維持」という目的で、自然淘汰の過程に、人間が大きく関与することに対する疑念を考察するのに、大いに役立つ。[楽天市場]ブックオフオンライン楽天市場店1,089円【中古】 遺伝子資源 種の保全と進化/O.H.フランケル(著者),M.E.ソレー(著者) 【中古】afb
2005.04.16
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「藻緯羅」は、「もいら」と読みます。パソ通時代より「藻羅」として使っていましたが、ネットで勝手に借用するのも如何なものかと思うし、「もら」と読まれてしまうことも多いので、間に「い」を入れることにしました。そして、字のバランスと字意から、「い」は、「緯」に決めました。 借用元は、森茉莉の代表作と藻緯羅が思っている「甘い蜜の部屋」のヒロインである「モイラ」です。カタカナではないの? 疑問、ごもっとも。実は、「甘い蜜の部屋」は、「藻羅といふ女には不思議な、心の中の部屋がある」から、始まるのです。「モイラ」とルビがふってあります。因みに、ホリプロの浜ジュンは、「ルビ」の意味を知りませんでしたね、つい最近まで。 この小説は難解です。彼女の自叙伝と藻緯羅は解しているのですが、冒頭の「藻羅といふ女には不思議な、心の中の部屋がある」は、不思議な文章です。そして、小説は、「藻羅」でなく、「モイラ」で綴られるのです。冒頭の「、」の意味するところが、微妙に微妙ですし、「藻羅」との表現も微妙なのです。 森茉莉の他の作品では、「贅沢貧乏」・「恋人たちの森」は、読むに値する作品かと思います。全集もありますが、読む事は、鴎外に近づく事を意味するのかもしれません。次のような黒猫ジュリエットへの手紙もありました。甘い蜜の部屋
2004.11.27
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