『危険な関係』
舞台は18世紀フランス、貴族社会の退廃ムードが漂う社交界。
そこに君臨するメルトイユ侯爵夫人( グレン・クローズ
)は、
恋人の伯爵が、清純な従妹の娘セシル( ユマ・サーマン
)と、
結婚するという噂を聞き、復讐のためにある策略を思い巡らす。
元恋人でプレイボーイのヴァルモン子爵( ジョン・マルコヴィッチ
)に、
セシルを誘惑させるのだ。
一方ヴァルモンは、貞淑の誉れ高いトゥルーベル夫人
( ミシェル・ファイファー
)を手に入れることに夢中。
それを聞いたメルトイユは、その誘惑に成功したら、
一夜の愛を与えると約束する。
豪華絢爛な衣装に身を包み、広大な庭のある豪奢な城に住み、
人々にかしずかれ、労せずとも欲するものは全て与えられると、
人は、恋するしか娯楽がなくなるのか。
その恋にも飽きて、恋を遊びにすることしか楽しみのなくなった、
貴族たち。
恋することすらも飽きて、他人の心まで玩具にしてしまう。
いかに人を自分の意のままに操るか。
それこそが、特権階級に君臨するものの究極の遊び。
昔の愛人ヴァルモンに、その手練手管を問われたメルトイユは、
「男は必ずモノにする。そしてその男に沈黙を守らせる」
言ってみたいよそんな台詞。
プレイボーイに無理やり処女を奪われ、どうしたらいいの!?
と泣きつく小娘に、「セックスは場数を踏んで磨きをかけないと」
それには賛成(爆)。
そういう文化がベースになってこその、恋のゲーム。
そのルールは、「本気になったら負け」。
本気で恋してはいけない。
嫉妬しても、それを見せてはいけない。
純粋な恋に落ちた頃を懐かしんでみせる。
それが甘い錯覚だと思い込もうとしてみせる。
そんな恋が楽しいのかどうか分からないけれど、羨ましい(笑)。
かなり疲れそうだけどね。
決して美形じゃないのに、強気で迫ったり脅してみたり、
泣き落としてみたりすがってみたり、あらゆる手を使って、
狙った女は逃さないヴァルモン。
ウブな生娘ユマ・サーマンがコロっといっちゃうのは分かるけど、
貞淑な妻ミシェルまで完璧に虜にしちゃったマルコヴィッチ。
あんなに頑なに拒んでいたのに、いつのまに恋に落ちたの?
しかも激しかったらしいし(爆)。
押さえつけられていた欲求が爆発しちゃった?
貞淑な妻を演じることに、実は飽きていたところに、
プレイボーイに口説かれてフラフラと…?
その「なぜ?」こそが、プレイボーイがプレイボーイたる所以か。
決して美女ではない(しかも年増(爆))グレン・クローズと、
キアヌだって、なぜキアヌが?だけど、それが恋の手馴れたる所以。
その「恋のスペシャリスト」の2人の、穏やかに見せかけた、
緊張感漂う会話ときたら。
見てるだけで胃が痛くなりそう(笑)。
復讐の道具にしたと思っていた男から、復讐され。
しかし、女の方が一枚上手だった。
そりゃそうだ。
女の方がズル賢い上に年上ときたら、男なんかに敵うわけがない。
男がその女に本気になることも計算済み。
しかし一つだけ、計算ミスが…。
遊びだと思ってても「愛してる」と繰り返し囁いているうちに、
本気になっちゃいそうだけど、そこのところをコントロールできなきゃ、
危険な関係はほんとに危険だと思った(笑)、映画でした。
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