『プリンス~英国王室 もうひとつの秘密』
20世紀初頭、世界が地球規模の大戦へと突き進んだ時代、
英国王室のジョージ5世とメアリー王妃との間に四男、
ジョン王子が誕生する。
ジョン王子は無邪気で愛くるしい少年だったが、生来の癇癪に加え、
いくつかの障害を抱えていたために、乳母のララと共に、
世の中から隔絶された生活へと追いやられてしまう。
第1次世界大戦が本格化し、ヨーロッパ中が混乱の時代を迎え、
ジョン王子の存在はさらに忘れられ、孤独な生活を強いられる。
そんな中、ジョン王子とララは王室に認められようと、
懸命の努力を続けていた。
てんかん持ちで発達の遅い息子を、持て余し気味の母。
たまに会う息子と、何を話していいか分からない父。
そんな弟を、決して遠くにはやらないと約束する幼い兄。
きっとよくなると信じて付きっ切りで世話をする乳母。
時は、第一次世界大戦の勃発の頃。
ロシアもドイツもオーストリアの王室も、イギリス王室と親戚なのに、
戦争が始まってしまう。
争いを起こさないようにと血脈を広げたはずなのに、
それでも止められない戦争が始まってしまう。
あなたにもドイツ人の血が入っている、なのになぜ、
戦争は終わらないのかとドイツ人捕虜に叫ばれ、
私は頭のてっぺんから足の先までイギリス人だとつぶやく王妃。
名前がドイツ系だから王家はドイツを支持しているのかと言われ、
家名まで変えなければいけない決断を迫られた王。
そんな混乱の中で、病気のジョン王子の存在はますます忘れられ。
健康に生まれ、将来を嘱望されている兄ジョージも、
海兵隊で辛い日々を過ごし。
抜け出してきたと弟の家を訪ね、兄弟2人でのどかに過ごすひと時。
みんなが僕らのことを無能だと思っているんだ、
一生かけて僕らを育てたのにムダだったと、乳母にあたる兄。
こうあるべきという子供の姿を奪われた悲しさが切ない。
多忙と混乱を極める王室の中で、ジョン王子が演奏会を開く。
その無垢な笑顔だけが救いだと、大人たちは気づく。
しかし、英国に亡命を要請していた、
ロシア皇帝ニコライ2世一家も殺され、
事態は引き返せないところまで来てしまう。
大きな歴史の波に飲み込まれてしまい、忘れ去られてしまった、
一人の王子。
もしかしたら彼のように、時代が時代ならば、
歴史を形作る一人であったかもしれないのに、
その存在を消されてしまった悲劇のプリンス、プリンセスは、
もっといたかもしれない、と思った映画でした。
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