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『奇跡のタッチダウン 上 下』
著:ジョン・グリシャム
主人公リック・ドッカリーは、NFL所属のプロのフットボール選手。
3番手のクォーターバックとして、契約チームを転々とする彼は、
スーパーボウル出場をかけた一大決戦にて、
信じがたいミスを連発。
大怪我を負い、ベッドの上で目覚めた彼は、
マスコミやファンからも「カモ」と大ブーイングを受け、
所属チームからも解雇されてしまう。
どのNFLチームからも見捨てられてしまった末、心機一転、
サッカー大国イタリアのフットボールリーグのチームへ移籍する。
「Playing for Pizza」(出場料はピザで)と揶揄されながらも、
パルマで、イタリア料理にオペラ、そして恋によって、
自分自身を取り戻す。
残念なことに、アメフトにはまったく疎くて。
これが野球とか、少なくともサッカーの物語だったら、
もうちょっと身近に理解できたかも。
それでも、アメフトのスピード感、クォーターバックの憂鬱、
アメリカ人のアメフトに対する情熱、イタリア人の国に対する愛情を、
グリシャムのスピード感溢れるタッチで感じることができる。
リーガル・サスペンスの第一人者であるけれども、一転、
こういう軽快なストーリーもまた楽しい。
『スキッピング・クリスマス』
も、かなりお気に入り。
ストーリーはありがちな、落ち目選手の再起物語。
だけども、それだけで終わらないのが、グリシャムワールド。
血なまぐさい事件や、絡まりあう陰謀なんてのとは無縁だけども、
アメリカのフットボール界から事実上抹消された主人公を、
個性的な登場人物に周りを固めさせることによって引き立てる。
法廷劇にも負けないほどのスリリングな物語。
それにしても、イタリア料理の素晴らしいこと。
ジャンクフードの国からやってきた主人公リックにとって、
それは嬉しいカルチャーショック。
食事は単なるカロリー補給であるファストフードと対照的な、
最高の楽しみだとばかりに食事には最低2時間はかける、
イタリアのスローフード。
美味なるパルマのパルメザンチーズ、パルマハム、そしてワイン。
サッカー大国の中で、ただフットボールへの愛から無償でプレーする、
チームメイトたち。
それらのおかげで、次第にリックも変わっていく。
もちろんそこには、美女の登場も必要だけれども。
自分は自分のために、みんなは自分のために、だったリック。
新天地のイタリアで、違うものを見つける。
馬鹿げたことだと思いながらも、受け入れる。
1年の契約期間が終わった時、リックは果たして…。
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