yamaneko*の読書空間

yamaneko*の読書空間

2011/09/29
XML
カテゴリ: ノンフィクション
311に関する
   読み応えのあるルポ




大津波と原発


粘り強い取材と深い洞察力が持ち味の佐野氏。

今回は時間不足といいつつも、東北と福島が負った傷の全容を知らしめてくれました。

昨今のノンフィクションライターには、取材先の言うがままにコメントを羅列して文章を構成

するような人も多くて物足りなさを覚えることもありますが、佐野氏は時に大胆なほど自分の

解釈を文脈に加えることもあり、それがまた作品に奥行きをもたらしています。



ノンフィクションだからといって、事実を書くだけではない。

事実とは、人が描写した時点で客観的ではありえない、既に観察者との関係性が始まっている



そんなことを想起させるほど、取材相手をどんどん掘り下げていって、そこから得たどんな感触

も見逃さない、といった貪欲さが感じられます。




まず、筆者が取材して感じたのは、津波の被害者と原発の被害者の違いでした。

地震と津波の被害に遭った人は、表情豊かにその様子を語りますが、放射能汚染は目に見えない

ため語るべきことがないのです。

またそこには一瞬で外界から降って湧いたように起こった天災と、地元の事業としても組み込

まれ、ジワジワと長期間にわたってその地を蝕んできて半ば人災ともいえる原発との違いもある

のでしょう。


そもそも、なぜ原発がこれほど日本にできるに至ったのか?そのムーブメントの高まりを筆者

はつぶさに追っています。

野心的な実業家と原子力を導入させたいアメリカとの思惑が絡まり、全国ネットのテレビや新聞



そしてなぜ福島でなければならなかったのか?

かつて塩田であったために土から塩が出る上、丘陵地で米作に向かない土地で、酪農しか用途

がなかったといいます。

そこに政治的な流れが加わって、東京に電力を送るための施設が福島に出現したのです。。


かつて高度経済成長に邁進してきた日本が残した置き土産が、すっかり忘れたころに封を開け



同じ轍を踏まないためにも、歴史を紐解くことが必要だと思いました。

人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011/09/29 10:30:27 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Freepage List

Profile

yamaneko*

yamaneko*

Free Space

yamaneko*さんの読書メーター

クリックで救える命がある。


いつでも里親募集中









Comments

Love しずこ ♪@ ☆ ありがとうございます ☆ ☆ はじめまして・・・天使になりたい お…
背番号のないエース0829 @ Re:「大丈夫。」蝶々(10/29) アクセスありがとうございました。 お住…
陽春堂@ Re:『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』小林 弘幸(09/26) 実際に自律神経バランスを測定してみると…

Archives

2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: