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「カノン」はハッペルベルが作曲した超有名なクラシックの名曲。僕はこの曲が大好きで、特に12月になると無性に聴きたくなるのです。今は3月だけど、今夜はハッペルベルの「カノン」そして、カノンは僕が大好きな女の子の一番好きな曲。 人に思いを伝えるということは中々難しいもので、それが好きな人となると尚更。軽口はいくらでも言えるのだけれど、本当の気持ちを伝えようとすると言葉が喉に引っかかって上手く出てこない。そして、タイミングの悪い恋愛が一つ。彼女は僕のはす向かいにあるお店で働いていた。軽い挨拶から言葉を交わすようになって、いつしか彼女の黒い制服を目で追うようになっていた。明るく元気で、気が強く、それでいて、どこか頼りなげで寂しげな彼女の笑顔は水が地面に染みこむように僕の色を染めていった。初めて言葉を交わした日から、桜が咲き、雨がアスファルトを湿らせて、蝉の声も遠くに聞こえる頃、恋に落ちている自分に気がついた。 ゆっくりと、少しずつ。まるで、桜の花びらが地面に落ちていくように、柔らかな雨が空から静かに降りてくるように僕は恋に落ちたのだ。ときおり、目が合うと微笑えんでくれる彼女の笑顔はかけがいのない僕の宝物になった。自分の気持ちが大きくなるにつれ、反対に口から出る言葉は軽いものになっていく。そして、彼女と話すたびにもどかしさだけが残った。彼女は誰にも優しかったし、微笑みは僕だけのものではなかったから、本当の気持ちを伝えて関係が壊れるのが怖かった。それでも、僕は彼女と色んな話がしてみたかったし、何よりもその笑顔を自分だけに向けてほしかった。夏の日、思いきって知り合いの店に食事に誘った。待ち合わせに現れた彼女は少し恥ずかしそうで、その分いつもよりお喋りだった。綺麗な色のワンピースが背の高い彼女によく似合っていた。隣を歩く楽しそうな彼女を横目で見ながら、僕は久しぶりに幸せな気持ちで歩いた。いつもの見慣れた街が見知らぬ風景に見えるほどに。二人でお酒を飲みながら、くだらない話で僕らは笑った。頬を染めながら、一生懸命話してくれる彼女はいつもに増して綺麗だった。店の明かりを消してからは、知り合いも加わりとりとめのない話で笑いあった。終電もなくなり、お互い翌日の仕事のために、僕は彼女をタクシーに乗せた。深夜になり、暑さもずいぶんと和らいで火照った顔に夜の風が心地よかった。予期せぬ知り合いの参加で用意してあった言葉は言えなかったものの、僕は満足だった。彼女の笑顔や声、そのしぐさを思い出すだけで幸せで満たされた。 ・・・・と、ここまでは何か良い展開になりそうなお話なのだけど・・・・。数日後に彼女と電話をしていたら、僕の知り合いを好きになったと言われまして。もう、ショックでしたよ。一瞬、電話口で固まるくらいショックでしたよ。その後の会話を覚えていないくらいにね。だって、蝋人形みたいだったんだもん。んで、電話を切った後に僕は近くの公園に行って、死ぬほど笑った。死ぬほど笑った後で、やっぱり彼女のことが大好きな自分がいた。夜の風はすっかり秋めいて、涙を秋のせいにした。それから、タバコに火をつけて知り合いと並んで歩く彼女を想像してみた。悪くなかった。背が高くて、お洒落な僕の知り合いは彼女にぴったりのパートナーに思えた。二人の姿を想像すれば想像するほどに僕の気持ちは後退っていった。そして、フィルターの焦げる匂いで我に返り、僕は口笛を吹きながら部屋に戻った。その夜に限って、タバコの匂いがいつまでもまとわりついた。 カノンという曲は、いくつかの旋律が浮かんでは消えていくのだけれども、主旋律を聴きながら消えたメロディーを感じることができる不思議な曲。追いかけっこという派手なものではなく、今の旋律を消えた旋律が優しく抱きしめるような美しい曲です。決して交わらない旋律なのに、お互いが優しく見守っているような。僕はカノンを聴くと彼女を思うのです。そして、少しだけ幸せになるのです。今夜は3月だけどカノン。
2010年03月22日
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もし僕が、運良く庭付きの家を手に入れたらシンボルツリーはミモザにするのです大好きなんです夢のような花初めて見たときからこの花に夢中なんです。桜には特別な思い入れがあるのだけれど、植えるならミモザ春の風に気持ち良さそうに揺れているミモザを見ていると無条件に幸せになる そして、今日は僕にとって幸せなお客さん。御徒町では珍しい、本当に園芸好きなお客さん。年の頃は50歳くらいで、自分の知識を自慢することもなく、ただ植物について控えめだけど熱心に話してくれる。そんなお客さんは御徒町では珍しいのです。どっちかというと、花が好きな自分が好きなお客さんばっかりだからだいたい、花は人間に綺麗だと思われたくて咲いているわけではなくて、人間を癒す為に良い香りを発してるわけではないのです。彼らは、次の世代を残す事にしか関心がない。それを手助けしてくれる、様々な虫を呼ぶためだけに長い年月をかけて色をまとい、香りを振りまいてるわけなのです。花自体は植物の生殖器でしかない。まったく夢のない話みたいだけれどね。でも、そういうことを全部わかった上で、花の美しさに魅了される人が本当に花好きなのだと思う。花屋が言うのも何だけれど、全く持って環境の違うところに小さな鉢に押し込められて、彼らにしてみればいい迷惑なんだろうなだから、花屋は自然を不自然な形に歪めて商売しているのだとも思うわけです・・・。だから、一生懸命に世話をしなければならんとです自分の環境に植物を近づけるのではなく、その植物の素性をきちんと知り、特性を把握して、自分が植物に近づいていく。真剣に植物と向き合うことは、ただ「可愛い、可愛い」ではなくて、植物と同じ目線で語り合うことなのだきっとね花束やアレンジは、花を束ねたり挿したりすることではなく、お客さんの思いを束ねたり挿したりすることだと思う。そこには確かに贈る人への思いがなければいけない。園芸は植物と対等に尊敬の念を忘れずに真剣に向き合わなければいけない。そう考えると、花屋も深いなと改めて思ったというお話でしたまぁ、何だかんだ言っても単純に花は綺麗なんだけどねんで、そのお客さんが帰った後で、小さな女の子がチューリップの鉢植えをジッと見ていて、目が合って微笑みかけたら、照れくさそうに「チューリップきれい」って走って行ったのさその、女の子が一番正解を知っているような気がして、敵わないなときっと、人間も花と一緒で根本的なところで美しいのだ
2010年03月11日
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今夜は音楽 いつの頃からか心の中に空洞がある。思い出せないくらい昔から。生きている現状が雨だろうと、晴れだろうと、そんなことにはおかまいなしに、心の穴は大きな口を開いている。そして、僕を待っている。僕は満たされることのない空洞と共に生活している。それはいま、この瞬間も。彼女の歌声を聴くとき、僕はそれを強く感じる。彼女が囁くとき、僕は海の中にいる。彼女が叫ぶとき、僕は空を飛んでいる。彼女を感じるとき、僕は親しい友達に抱きしめられている気分になる。彼女の心の中には、僕より遙かに大きくて暗い穴が口を開いている。どんなに素晴らしい音楽を創造しても、どんなにたくさんの賞賛を得ても、彼女の大きな穴を何かで埋めることは出来なかった。いつも彼女は暗い闇の中に呑み込まれてしまう。闇は決して彼女を放しはしないのだ。そして、両手で抱えきれないほどの孤独だけが残った。だから、彼女は歌うしかなかった。いっときでも闇の恐怖を紛らわすためには、絶望的な孤独を振り払うためには。深い穴の底に堕ちてしまわないように。例えば寒い夜、例えば雨の日曜日。自分ではどうしようもない感情に襲われると、僕は目を閉じて彼女の歌声に耳を傾ける。深い穴に堕ちてしまわないように。自分を救うために。 ということで、今夜は僕の好きなジャニスです。彼女の歌声を聴いてると正直こう思う。世の中、歌わなくてもいい人が多すぎる。もちろん、音楽の素晴らしさはそれだけではないのだけれど・・・・・。明日からはまた冬の日。風邪に気をつけて頑張りますそして、おやすみなさい
2010年03月05日
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の、タイトル通り、意外と好調なのです何が好調かって。最近、物覚えが良いのですよもちろん、植物のことなのですがこれが、びっくりするくらいの出来の良さんで、何を覚えるのかと言いますと・・・・。植物の種類って、もぉ~~~、頭から煙りが出るくらいにたくさんあるのです。それを昔々、リンネってぇ偉い学者さんが分かりやすいように分類分けしたわけですよ分類分けって山本山みたいってぇのは置いといて。間違ってたらごめんなさいよんで、例えば菊はキク科だったり、アジサイはユキノシタ科だったり、桜はバラ科だったりするのです。これに、ホントは~属がつくのだけれど。去年までは、これを覚えるのがホントに一苦労で、それこそ頭から煙りどころか味噌が飛び出るくらいだったのです。それがなぜか、なにゆえか、今年はスラスラ頭に入るのだそれに併せて、育成方法までスラスラスラ~~なのですよなんか、頭良くなったみたいな、誤解をするほどに。でも、考えてみれば、これは初めての経験ではなくて、ピアノを弾いてるときも同じようなことがありました。ある課題が弾けなくて弾けなくて、もう弾けなくて・・・・。んでも一心不乱で引き続け、ある日、朝起きたら突然弾けるようになってとかねそういうのって、ちょっとしたご褒美みたいで嬉しい話は戻りまして、別に~科が分からなくても花屋さんは出来るのだけれど(実際、切り花中心の花屋さんは知らない人が多い)~科と育て方をセットにして覚えると、植物全体が見えてくる・・・ような気がする365日、葉っぱを触って、土をいじって、花を見ればどういう状態なのか一発で分かるくらいまで行きたいなぁということで、苗もの専門な僕は遠い港を目指して航海中なのであります。それにしても、幸せ40越えてから学べる喜び仕事が楽しければ、人生の半分以上は楽しいのだから
2010年03月01日
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