花屋モンタのほわほわ日記
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「Clair De Lune」 Alexis Weissenberg 例えば、静かな水面に小石を一つ放ってみる。小さな輪がゆっくりと広がっていく。水は穏やかに揺れている。 例えば、初夏の午後。 開けっ放しの窓のカーテンが風を孕んで緩やかにはためく。 小さな女の子が花を撫でようとしてお母さんにたしなめられる。「お花を触っちゃいけませんよ。」女の子は少しだけ顔を曇らせて、伸ばした小さな手を引っ込める。そして、バツが悪そうに僕を伺う。「大丈夫ですよ!」と、僕は年若いお母さんに笑顔で話しかける。小さな女の子に歩み寄って「触っても大丈夫だからね。」と、白いマーガレットを彼女の目の高さに持って行く。女の子はお母さんの笑顔を確認して、僕の笑顔を確認して、ゆっくりとマーガレットに手を伸ばす。「良かったね。いい子いい子するんだよ」お母さんの言葉にやっと安心して小さな手が花を撫でる。そして、舌足らずな言葉で「可愛いねぇ、可愛いねぇ」と、お母さんに満面の笑顔を向けた。彼女の笑顔はまるで花のように揺れている。花は花で、とても嬉しそうに彼女の小さな手で揺れている。街の色が少しだけ変わったみたいだ。自転車のチャイルドシートに乗せられた彼女は、照れくさそうに、はにかみながら「ありがとう」と言って手を振ってくれた。小さな手が柔らかく揺れるたびに、小さな笑顔が花のように揺れるたびに、僕の中の水面もゆっくりと揺れてゆく。初夏の心地よい風が僕に何かを運んできてくれる。 ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」は、僕の大好きな揺れ方をするのです。特に出だしの4小節は限りなく僕の幸せに近い心の揺れ方をする。それは、ふとした瞬間に僕の好きな空の色だったり、風の匂いだったり、好きな人を自然と好きだなと思えたりする事。分け合った綺麗な石や、分け合ったイチゴや、分け合った想いや、分け合った心が重なっていく事。そんな心のゆったりとした揺れ方に幸せを感じるのです。 それにしても、「亜麻色の髪の乙女」の邦題はちょっと頂けないなぁ・・・・。と昔から思うのですが・・・。ついでに、ワイセンベルグのジャケットも頂けないので、もうちょっと格好いい写真を最後に!! うん!ピアノ弾き!!
2010年06月05日
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