妖怪日記

妖怪日記

2006年10月24日
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「大切なバカンス」


若くして逝ったあの女性が遺したものは


こうしてまだ私の中に残っていた。


彼女の声が、動く様が、作るものがとくに好きなわけではなかったし、


事実、


彼女の訃報を噂で聞いたときも


悲しい、とか、驚いた、といった感情ではなく、


「へえ・・・」といったとても軽いものだった。



けれど、





まるでもうすっかり忘れられたかのように


埃を薄くかぶり積み上げられた紙の束の中に、


あの場所で感じた切なさや、


流したか流してないか忘れた涙や、


全面フランス語で書かれたきれいなフライヤーは、


宝物とまではいかないけど


8年経っても大切なものとして埋もれていた。


それはまさに彼女がタイトルにつけた


「レ ヴァカンス プレスィウス ~大切なバカンス~」


みたいに。



自分がこの場所を離れる時が来て





彼女のように


家族以外の遠い誰かに残せるものはいったい何なんだろう。








演出・西田シャトナー
1998.4.16(木)→5.3(祝)
新神戸オリエンタル劇場





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最終更新日  2006年10月24日 01時30分45秒
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