2010年10月17日
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カテゴリ: Life-Tracks
ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」を読み終えた。

特に「新しい何か」がそこにあったわけではない。
でもブレイクスルーとは、「新しい何か」と出会うことではなく、
何かと接して、「新しい何か」が内側に生まれることを言うのだと思う。

4歳の頃から中学3年まで続けていた「公文」を思い出していた。
今思えば、「公文」はある意味、「モチベーション3.0」の権化のような学習法だった。
決まった教材があって、それをひたすら反復する。
その部分だけ切り取れば、相当につまらない。
しかしダニエル・ピンクの3つの要素を借りると、そこに違う世界が見えてきた。


とにかく教材をひたすら進めていく公文は、時間と場所を選ばない。
疲れたら止まればいいし、わからなかったらもう一度やればいい。
小学3年だからって、小学3年相当を繰り返す必要はない。

中学に入ってからは、部活後に公文に行っても、
疲れ過ぎて、2時間ひたすら寝ただけで何もせずに家に帰って来たこともあった。
教室となっていたお寺の本棚に置かれていた、古びた鉄腕アトムを読んでいたら、
教室が閉まる時間になっていたこともあった。

先生は、特に怒らなかった。
それが公文のやり方だから、だ。

一方で学校では、授業中に寝ていても、三国志を読んでいても、
先生は怒った。それがまぁ、学校なんだろうけれど。


赤ペン先生みたいな人がそれを見ながら、○×をつけてくれた。

でも途中からそういう人はいなくなって、「解答例冊子」が自分に渡された。
要するに「"答え"を見てもいい」のだ。
そもそも僕のやっていた「国語」なんて解釈の仕方で答えなんて変わってくるし、
最終教材の「P」か「Q」かは、


問題と答えを渡されて、「さあ考えて!」と言われること。
たぶんくだらない受験のためではない、
本当の「学習」がそこにあるのではないか。

2.熟達(マスタリー)
ピンクの言う「ゴルディロックス(熱すぎず、冷たすぎず、難しすぎず、易しすぎない課題)」。
それをピンポイントで差し込んで来るのが公文だった。

一斉テストも、勝ち負けも、特にない。
時折、ささやかなプレゼントはあったが、
そのために頑張るというほどの豪華さでもない。
ただ少しずつ、登っていっているという感覚。

井伏鱒二に出会い、今昔物語に出会い、そしてデカルトに出会った。
石川遼選手の言葉を借りれば、その瞬間、どんな時よりも、「ゾーンに入っていた」。
あの時、自分は勉強しているなんて、そんなに感じていなかった。

3.目的
中学に入って、勉強というものが、俄然つまらなくなった。
勉強はいい高校、いい大学、いい会社に行くためのもので、
そのためには「とにかく(この言葉は、言い訳が思いつかない時に大概使われる)
何も言わずに頑張れ!」と、誰に尋ねても言う。

当時、それに疑問を抱き、そして今、社会がそれ以上に変貌してしまい、
その無意味さにそれ見たことか!と感じている人も多いと思うが、
それくらい当時の「勉強」には、モチベーションを駆きたてるものがなかった。
いや、そういう教育システムが、今も続いているのかもしれない。

目的が存在しないのだ。
確かに公文にも、いわゆるゴールしかなく、目的はなかった。
でも、一歩一歩進んでゴールに向かっているという感覚があった。
少なくとも、無駄な競争による賞罰はなかった。

今の教育は、目的を作れているだろうか?

今日と言う日、この本を読んでいる瞬間、「ゾーンに入っていた」
それだけは、自信を持って、確かに言えること。

つまらない人生を送らないためにも、
「ゾーンを感じられている」自分でいたい。
「ゾーン」こそが、次の一歩を踏み出すために,大切なこと。





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最終更新日  2010年10月18日 13時18分16秒
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