sinokの【私情まみれの映画考察】

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November 3, 2010
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カテゴリ: 映画「さ」行
ここ一カ月の半分は出張しているという生活で、私のか弱い体は過労気味です。


ということで、世界が死んだあとのお話、『ザ・ウォーカー』です。
この映画は宣伝を見たんではなく、映画館にあったPOPでチェックしていました。
だからかな・・・ちょっと想像と違っていて、あまり楽しめなったなあと。

本来は、好きなんである。
文明崩壊後の世界とヒーロー、という設定は。
そして1冊の書物守るヒーロー!というのも気になる設定。
その昔、私はSFファンを詐称(笑)していた時代があったが、いまだにブラッドベリだけは好きだ。

だから多分、すごく哲学的な話を期待していたのだ・・・が。
映画が始まって、タイトルが表示される、そこで私は初めて原題を知ったんである。

THE BOOK OF ELI

・・・あ、聖書?
ELIって、エリ=イライジャ=エリヤ(預言者)だよねえ。
そこが分かってしまってからの立ち直りが遅かった。
遅かったというより、立ち直りませんでした、はい。
私は映画ネタとしてのキリスト教は好きですが、正面切って真面目に考えると、いや自分が大学で真面目に専攻して勉強したからこそ、あんまりこういう扱い方はしてほしくないなあ、と思うのです。
この映画における聖書の立ち位置は、信仰の対象というより、人心掌握のための武器です。
まったく、一神教ほど強力な武器はない。
別に多神教が平和だというわけではないですが、聖書とコーランほど、本来目的外に利用された本もないわけで。


それを補うために聖書を探し求めている。
聖書によって救世主のごとくふるまおうとしたのかどうか、それは不明だが、精神的基盤をもたない世界には、強力な武器となるだろうことは容易に想像がつく。
そして世界ただひとつ残った聖書を持つ男がデンゼル・ワシントン。
この男がまた聖書のためにすべてを犠牲にするような男。
これは、聖書のため、とわかると、日本人的には感情移入しにくいんではなかろうか?

彼は信仰をもつものだ。食事の際に神に感謝し、毎夜聖書を読む。
そんな男が、聖書の旅のために、ならず者に襲われた旅人を見殺しにする。
もちろん、それは誤ったことで、彼は映画の終盤で改心するのだが。

まあ大好きなレイ・スティーヴンソンが出ていたり、アクションがなかなかハイレベルだったり、人食い老夫婦がめちゃめちゃこのみだったり、褪せた色合いの映像など、好きな要素はたくさんあったんだが、あんまり乗れなかったこの映画。
それでもデンゼル・ワシントンが持ち歩いた聖書の、驚愕の事実には驚かされました。
ううむ、やはりエホバの神は一筋縄ではいかんね。







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最終更新日  November 3, 2010 06:28:35 PM
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