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May 22, 2007
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カテゴリ: 演劇
友人が、日頃、お芝居を評するのに、「しょっぱい芝居」と言っているのを聞いて、

今回、「あ!これが、しょっぱい芝居ってことだ!」と納得しました。

「しょっぱい」、うーん。口にあわなかったですねぇ。

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えっと、自分でチョイスしたわけではありません。
ご招待を頂いたので、両親と行って来たのですが…。

=====
『星野哲郎物語 妻への詫び状』(「父への」ではない。念のため)

星野哲郎 さんの半生を描いた、自伝的作品。

全編懐かしの名曲に彩られ、途中にはなんと、
水前寺清子 さんが「 水前寺清子 」役で登場して生歌を披露!
(水前寺さんをデビューさせた先生なんだそうです。)

-----
それぞれのエピソードは、それぞれの曲を知ってて、好きなら、
バックステージ物として、乗れるのでしょうけど。

さすがに私の世代だと、別に思い入れないですしねぇ…。

-----
芝居としては…

台詞は冗長。話の構成も微妙。

-----
舞台は大げさで、お金がかかっていることは分かりますが、
別に、家のセットを、丁寧に、時代ごとに造る必要あるか?

その上で、場転に時間かかってるんだから、意味が分かりません。


=====
役者さんは、ベテランばかりで上手いのですけど、
それ以上でも、それ以下でもない。

水前寺清子さん役の水前寺清子さんが、気迫の入った演技で、
ステージシーンも、歌唱も見ごたえ十分でしたが…。

=====
えっと、これで3幕モノ?

オチをばらすと、奥様が亡くなられた後で、遺品を整理していたら、
浮気をした時に「焼いた」と言われていた、二人のラブレターが見つかって、
ああ。迷惑かけたな、悪いことしたな、と。

まぁ、それまでに、水前寺清子さんのデビュー・エピソードやら、
ヒット曲を思いついた瞬間を再現したシーンやらが挟まるわけですが…。

このラブレター、遠距離恋愛中に、ずっとやり取りしていた、
ほぼ2日に1通という濃密なもので、これはこれですごい。

すごいのですが…ストーリー全体が冗長すぎます。

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確かに、先生が作詞された曲は、びっくりするくらいメジャーなんです。

男はつらいよ 』の主題歌とか、『 黄色いサクランボ 』(「わーかい娘が、ウッフン」っての)とか、
兄弟仁義 』に『 兄弟舟 』、北島三郎さんにも、美空ひばりさんにも、書いていますし、
昔の名前で出ています 』とか『 アンコ椿は恋の花 』とかって、有名なんでしょ?

 →【 星野哲郎 】wiki

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それでも、その半生記を舞台にして面白いか、と言われると。

自費出版の自伝を読まされた、あるいは、
『私の履歴書』を芝居にした、そんな感じ。

=====
うーん。

私の方が場違いで、これを喜んでいるお客様を、
野田秀樹 」だの「 新感線 」に連れて行ったら、
「早すぎて分からなかった」「チータはいつ出るの?」とか言うんだろうな。

芝居自体のつくりは丁寧で、良く出来たお芝居ではありましたし、
幕の内弁当も上品で美味しかったので…。

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世代の差、というより、芝居に求めるものの差、なのかも知れません。

昔、後輩と話をしたことがありますが、私自身は、芝居に「非日常」を求めています。
「天才の日常」も、「等身大」に落としてしまえば、別に面白くも何ともない。

てか、「等身大の日常」なんかより、ずっとドラマチックな現実を、
私もあなたも生きているでしょう?

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本人は、「妻への詫び状」として、一大告白なのかもしれませんが、
正直「 そんな良い奥さんがいて、浮気なんかするなよ。 」です。

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芝居として、ストイックに組み立てるなら、
遠距離恋愛中、ほぼ毎日ラブレターをやり取りしていた
焼かれたと思っていた、ラブレターが見つかった 」という所にしか
ドラマツルギーはないのですから、それ以外のエピソードは不要。

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歌のバックステージで綴るなら、「妻への詫び状」なんかやめて、
あざとく、水前寺清子さんの新曲披露会にしてしまった方が、まだしも潔い。
「物語」として作り込んでしまうなら、チータと浮気してたことにしたって良いんです。

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何だか、歯切れが悪くて中途半端。

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まぁ、水前寺清子さんの生歌を聴く機会なんてないでしょうし(自分から行かないですもの)、
幕の内弁当も美味しかったですし、「しょっぱい芝居」とは何か、も学びましたし、
何より、そう、招待でしたから。

そもそも、招待されている対象が、私の両親より上の世代が中心でしたものね。
仕方ない、仕方ない。

-----
ちなみに父は、「 名取さんは美人だなぁ 」とご満悦でした。
…知らん。

=====

『妻への詫び状 作詞家 星野哲郎物語』
 @ 大阪松竹座  (大阪/なんば)

 日程:2007/05/05(木) - /23(木)

 脚本:岡本螢
 演出:山田孝行

 出演;田中建 / 名取裕子 / 水前寺清子 他
  ※ 関連HP→ こちら

  ★★★☆☆

 原作:星野哲郎「妻への詫び状」




※星野先生のオフィシャルページは こちら





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Last updated  June 21, 2007 11:21:34 PM
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RonaldBus@ Transforming your landscape with gorgeous blue stone slabs. Understanding the Benefits of Choosing …
mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
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