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2023年09月12日
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カテゴリ: 病院






私の病院では必ず実習生に一人の患者さんを担当してもらい、自分が担当したケースのケース報告をしてもらうようにしています



今回担当してもらったのはがんの終末期患者さんでした



最初は転院調整で進めていて、親族と疎遠な方だったので身寄り無し患者さんの金銭管理と転院調整をメインで進めていたのですが、先週より状態が急変して急きょ転院調整をキャンセルして当院で看取る方針となりました



そこで支援内容も方針転換して終末期患者さんへのSWとして何が出来るかをテーマにして関わってもらいました



最初は会話の中で患者さんから出てきた仕事のこと等を聞いてみたらどうかと提案して、患者さんが昔行っていた写譜業の話をしてもらったりしていたのですが




そこから音楽が好きなのではないかと実習生なりに考えて、 病室で好きだった音楽を流してみてはどうか と支援のプランを立てたりもしてくれたのですが




そうこうしている内に​どんどん状態が悪化してきたのと、そもそも本当に音楽が好きだったのか(仕事も家族を養うために必死で働いていたから、別にすごく好きではないような話もしていた)を確認して、病棟と交渉して何で音楽を流すのかなど検討している余裕もなさそうな状況になっていることを実習生へ伝えました









実習生との面談を通して残された時間を少しでも有意義なものであったと感じてもらうためには、 面接における時間を少しでも楽しんでもらえるよう に出来るよう工夫してもいました





そこで話題のテーマを実習生側から絞るのではなく 趣味の話など患者さんが好きな話を好きなようにしてもらう ことで、美術や絵画好きだったこと、絵画をみてイメージをふくらまして作った音楽などがあること、患者さんがとても感銘を受けた音楽の話、ウクライナの国旗の由来など様々な話をしてくれました​​​





最期の二日間は呼吸困難感もあり酸素も付けている状況でしたが、実習生と話をする時は息苦しくなりながらも自分で呼吸を整えながらとても楽しそうに話をしている様子がとても印象的で、必ず面談の最後には「では明日はこのことを調べてきてください」と患者さん側からテーマを設定してくれて




実習生との面談を楽しみにしながら、自分自身にも明日実習生と話をする目標を立てて1日1日を乗り切ろうとしているようにも見えました




最終的には先週の金曜日に他界されたのですが、実習生の関わりが患者さんの終末期のQOLを高めたのは誰の目からも明らかで、最後のお見送りにも同席したいと実習生からも言ってくれたので葬儀社が迎えに来た時に一緒にお見送りをしたのですが




入院していた緩和ケア病棟の師長や看護師、医師からも「実習生さんが関わってくれたことで本当に患者さんが嬉しそうにしてくれました」と感謝の言葉もいただきました






亡くなる前日に患者さんへ「実習生に色々な事を教えてくれてありがとうございます」とお伝えしに行った時も「私の方こそこんな私の話を聞いてくれて本当にありがとうございます」と感謝してくれていました




今回の実習が始まって実は初日から面談に同行してもらっていた患者さんで、初日ではサークル歩行器使って歩いたりも出来ていた患者さんでしたが徐々に弱ってきて




頭は最後までしっかりしていたのですが最後の2週間ほどはベッド上から移動することも出来ずにずっと病室で過ごしていました













また人生の最後に若い人に自分の経験や体験を伝えていくことで、自身がこの世に生きた証を残すと言うことも終末期の特に男性の患者さんには多いように感じます






今回の患者さんは家族と疎遠だったので、終末期に入ってもこれまでの人生を振り返る機会も無ければ、話す相手もいませんでした





そこをSWの支援として振り返る役割を担ったことや、自分自身が学生に教えたり説明したりできることに意義を感じてもらえていたとも思います





患者さんとの死を通して学生自身も命について考える機会にもありましたし、ソーシャルワーカーは支援をする立場でありながらも患者さんから教えてもらったり学んだりすることも非常に多いと言う事も実感として学んでもらえたと思います





指導者の立場としては学生である実習生に亡くなりそうな状況の患者さんを担当してもらう事のリスク(精神的にダメージを受けたり、その後に尾を引く可能性も考えられる)も当然あるので、今回担当ケースを決める際に悩みもしたのですが










細かく情報提供をしながら進めていきました





最期の面談に関しては状態もかなり悪くなっていたので、必ず指導者も同席(主体は実習生)して面談をするようにしたり、最大の配慮は行いました




終わってみれば、この終末期の患者さんを担当してもらえたことで、過去一番の内容の事例報告になりそうなのと、実習生にとっても指導者にとってもこの上ない経験を与えてくれました




今回担当させてもらった患者さんは亡くなってしまいましたが、私にも実習生にとってもこの方が生きていた記憶はずっと残ると思います




実習生を受け入れてもらえて本当に良かったです




心よりご冥福をお祈り申し上げます





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最終更新日  2023年09月12日 06時49分59秒
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