リカーマンが行く!!

リカーマンが行く!!

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

リカーマン1号@ Re[1]:ちゃん付けの是非(10/28) ふょんさんへ お久しぶりです。お元気にし…
ふょん @ Re:ちゃん付けの是非(10/28) ことばを文字通りにしか受け取れない人が…
特許屋@ Re[2]:クリスマスソング(12/20) リカーマン1号さんへ  また時々 見に…
リカーマン1号 @ Re[1]:クリスマスソング(12/20) 特許屋さんへ お久しぶりです。 ご返事が…
特許屋 @ Re:クリスマスソング(12/20) 無茶苦茶 久しぶりに 楽天ブログ(楽天…

フリーページ

2006年01月09日
XML
カテゴリ: 最近読んだ本
今、農口尚彦さんの『魂の酒』という本を読んでいる。

農口尚彦さんというのは当代随一の名杜氏で、地酒ファンなら誰でも知っている石川県の『菊姫』で、
永年杜氏を勤めておられた方だ。
今は別の酒蔵で酒造りを続けておられるが、なにぶん現役の杜氏さんの生々しいお話なので、
現場で働いている者でないと分からないようなことも多くて非常に興味深い。

この本の中で、『菊姫』の当時の社長の商売の信条に触れられている部分がある。
社長は杜氏である農口さんに対し、良い原料をふんだんに使って、とにかく良い酒を造るように指示した。
みんなが頭を下げて買いにやって来るような良い酒を、だ。
良いものを造る代わりに一切の値引きやサービスをしないという、ある意味「殿様商売」でもあったが、


その当時は日本酒の消費量は右肩上がりで、とにかくどんな酒でも「造ったそばから売れていく」
という時代だったから、あえてそんな努力はしなくても充分に儲けることができたのに、だ。
しかしその後日本酒の消費量が落ち込み、同時に消費者の選別の目も厳しくなってくるに至って、
当時の『菊姫』の社長がいかに「先見の明」を持っていたかは、現在の『菊姫』の地位を考えれば
推して知るべし、だろう。

とにかく良いものを造ることに全力を注げば、必ず他人に認めてもらえる、ということが言いたかったのだと思う。
このことでふっと思い出したのが、一見全く異質な話かもしれないが、NHKの『紅白歌合戦』のことだ。

『紅白歌合戦』は今年(あ、もう去年だ)は司会にみのもんた氏を起用して背水の陣で臨んだ結果、
わずかではあるが視聴率を戻したと報じられている。
しかし私に言わせりゃ、多少うわべの数字が良くなったからといっても、根本的には何も好転しちゃいないのだ。

今に始まったことではないかもしれないが、このところの紅白は視聴率を気にするあまり、

その結果が、異常なまでの民放へのすり寄りと、人気本位の歌手人選、そしてなんだかよく分からなかった
『スキうた』アンケートだ。
こんな小手先の施策を続けていては、来年以降も先は見えている。

今こそ紅白は方針を大転換して、とにかく「日本で最高品質の歌番組」を目指すべきだと思う。
最近のように1曲ポンとヒットを飛ばせば出られるという安易な選考は改め、出場歌手を、


確かにこうすることで、一時的に視聴率は落ち込むかもしれない。
ただ「本当に良いものを作るんだ」という気概が、トップと現場の人たちの共通の認識として存在していれば、
外野の騒音に耳を貸すことなく、腰を据えた番組作りが出来るのではないかと思う。

要はこの姿勢を貫き通すことで番組自体のレベルを向上させて、歌手としてはどうしても出たい、
視聴者としてはどうしても見たい、と思わせるようなステイタスを勝ち取ることが大事なのだ。
残念ながら今の紅白にはそんなステイタスが微塵も感じられない。

もともとNHKには、良質な音楽コンテンツを作るノウハウも、作ってきた実績もあるはずだし、
第一民放と違ってスポンサーからのプレッシャーとも無縁だ。
民放には絶対に出来ないような番組作りをやらなければ、NHKとしての存在意義が無いではないか。

魂の酒





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年01月09日 20時53分06秒
コメントを書く
[最近読んだ本] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: