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2011年09月05日
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カテゴリ: お酒の話
もうすぐ「ひやおろし」の季節がやってくる。

ひやおろしが日本酒業界の看板商品として認知されるようになって、どれくらい経つだろうか。
その間我々は躍起になって、ひやおろしをアピールし続けてきたが、
最近ちょっとした違和感を感じるときがあるのだ。
いや、「違和感」と言ってしまうとちょっと違う、単に私の勘違いでもあるんだろうから。



「ひやおろし」という酒はどういうものか、今一度説明すると、

「冬の間に仕込んで搾った新酒を、夏の間蔵のタンクの中で熟成させ、

   旨味が乗ってきた頃を見計らって瓶詰めするお酒」


といったところが一般的な解釈だと思う。

私もこの解釈に沿ってお客さんにその都度説明をしてきたが、

実際に今まで私が気に入って品揃えした「ひやおろし」というのが、押しなべて熟成感があり、
お燗に向いていたりするものがほとんどなので、どうしてもそうなってしまうのだ。


ただここで注意しなければならないのは、「ひやおろし」と同じスペックで仕込んだ“通常商品”の方は、
ひやおろしよりもさらに熟成期間を長く設けているので、熟成度合でいえばむしろ
「ひやおろし」の方が軽めになる。

ちょっと説明が分かりにくくなってしまったが、例えて言えば「新酒」が「AKB48」だとすると、
「ひやおろし」は「吉瀬美智子」、「通常商品」は「木村多江」あたりだろうか。

要は「ひやおろし」は「通常商品」に比べて若々しいはずなのに、
説明上どうしても「熟成している」ことに言及してしまうわけだ。
そこにひとつのパラドックスが生まれてしまう。


しかし考えてみれば、昔は「しぼりたて新酒」の市販酒なんてなかったわけだから、

だから昔の人は「ひやおろし」をことのほか珍重したのだ。
言ってみれば、「ボージョレ・ヌーヴォー」みたいなものだな。

よし、決まった!
今年からのキャッチフレーズは、「日本酒のヌーヴォー」で行こう。





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最終更新日  2011年09月06日 17時22分46秒
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