ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

2005年03月26日
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カテゴリ: 日本
ちょっと昔、ひやりとした経験をしたことを思い出した。

あれはもう10年くらいにはなるかなぁ・・・
いろんな新聞では、その時の時事ネタで意見を書く投稿欄の他に、お料理のことや主に女性のことの家庭欄にひっそりと枠組みされた投稿欄がありますわな。
そこに一度、父のことを書いて投稿したら、それが掲載された。
今はもっとそういうことにうるさくなって、それもきっと変わってしまったと思うが、その時のその欄には名前と年齢と住所も出された。
うちの近所の人たちやお父さんの友達なんかは「ちゃとちゃんがアレ出さはったんかー。ちゃとチチさん、ええなー」とわざわざ連絡してきた人もあったことはあったが、驚いたのは、それ以外のぜーんぜん知らない人たちの反応だ。
住所が出されていたとはいっても、それだけですぐに郵便が届くほど完全ではなかったのに、その投書を見た人たちの中の何人かから手紙が届き始めた。
その差出人はほとんど50代とか60代の女性と思しき達筆な字でしたためられたものが10通くらいは来たと思う。
「○月×日付けの△新聞の投稿を読ませてもらい、今どき、こんなお嬢さんがまだおられると思って嬉しくなって筆を執りました。」

「投稿された内容からするとまだお一人のようですが、実はうちに未婚の息子がおりまして・・・」
いやー、申し合わせたように「息子の嫁に・・・」というお誘いの手紙ばっかり。
投稿した時にはまさかそんなものが来ると思っていなかった私は1kmくらい後ろにヒイてしまった。
手紙ではなく、なんと電話までかかってきて、その内容も「一度、うちの息子と食事でも・・・」
こればっかりだ。
その時点ではもう結婚する気なんかさらさらない私は、しかたがないので、そのオバサマ連中に「非常に勿体ないお話とは思いますが、今のところは私自身がどなたかとお付き合いをさせて頂くことに関心がございませんので」と一つずつ書いて返した。
電話のほうは結構しつこく、週に1回くらい2ヶ月はかかってきたものもあったが、私は昼間は会社に出ていて留守なので、家で仕事をしている父が私の意を汲んで「いや、娘自身にその気がありまへんので」と言ってくれていた。
こういう時、私自身が関西なまりで
ひつこいんじゃ~~~
とかましたら、一発で終わったとは思うが、まあそういうわけにもいかない見ず知らずの方々なので、最低限に丁寧にはしておいた。

自分自身がもしも相手を探していたとしても、こういうお母さん連中の息子さんとは会いたくなかったとは思う。
本当はその中にすっごい上玉(!)がいたのかもしれないとは思うが、すでに30を大きく過ぎている私に、親がアプローチしてお膳立てしてくるような息子っちゅうのが私には信じられないし、だいたいその時のオバサマ方には、私の投稿が目新しく映っただけで、私に惚れこんだわけでもない。


「ちゃとさん、初めまして!この間の新聞の投稿にふと目が留まったのですが、とても優しい方だなぁ、一度お手紙を出してみたいなぁって思ったんです。」みたいな感じで始まるその手紙は字が大きめの金釘流で、なんと鉛筆書き。
これだけはあのオバサマ連と違うんだなぁと思って読んでいると「私も子供の頃に父が・・・ちゃとさんの投稿でそれを思い出しました」みたいにノスタルジーはいっている。
せっかく下さった手紙なので、これも返事を書いて出しておいたら「お返事ありがとうございました。とてもうれしかったです」みたいなのがまた来てしまった。
手紙の中には2枚くらい、同じ鉛筆書きのキレイなイラストが含まれていたのだが、そのイラストが2つともヌードだったのでちょっと驚く。
かなり上手には描かれているけれども、普通はこういうものをそこまで親しくない人には送らないんじゃないかと思っていると、手紙の中には自分の趣味なんかも書かれていて、そこに「ドライブ、お・さ・け、カラオケ」とある。

「私は41歳の男です。実は今、2年前に飲酒運転で起こした人身事故がもとで刑務所にはいっていて日中は時間があるので、新聞を読んだり、こんなイラストを描いて時間を潰しています。あと4ヶ月くらいで出所なので、機会があったらお会いしましょうね」と書かれていた。
ひえーーーっ
「まさみ」という名前と、文面に「私」と書かれていたところから、てっきり女性だと思っていたら、男性だった上に刑務所かいっ!
ドライブとお酒が高じてそんな場所から手紙をくれているなどとは想像もつかなかった。
驚いた私は、その手紙の住所になっているところを調べたら・・・本当にとある刑務所の所在地だったのだ・・・。
頭マッシロになった私は、放っておこうかどうしようか迷ったが、もう名前も住所も知られているのだ。
そういう意味で逃げ隠れはできないが、できる範囲でここでピリオド打っとかな、と必死になって「実はこの間の手紙では書きませんでしたが、来月の○日に結婚しますので、お会いするわけには行かないんです」と、真っ赤な大嘘を書いてともかく返事は出した。
その人が刑務所から書いてきたということ自体も驚きではあったが、手紙の内容自体に何かメンタルなものを感じてしまって縮み上がってしまったのだ。
いずれにしても、あっちは手紙の検閲もあるだろうから何かあったら証拠になるか、とかなんとか、いろんなことを考え、それから半年くらいの間は、家の近所に買い物に行く時でも、道々何度も振り返ったりしてびくびくしながら過ごし、おとんとおかんにも事情を話して「怪しいヤツは絶対に家に入れたらアカンで」と注意した。

それから別に「まさみさん」は何も言ってこなかったし、特にそれらしい脅威も結局なかったのだが、あの時に新聞への投書はやめてしまったように思う。(笑)





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Last updated  2005年03月26日 01時25分47秒
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王島将春@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
背番号のないエース0829 @ Re:初夢(01/03) 今回こちらのtitleです。 もしよろしかっ…
誰やねんっ20号 @ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) 御無沙汰しとります。 気がつきゃもう年…
べる@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) ってことは次は12月23日? 早くアジ…
yokko_888 @ おかえりなさ~い 一気に寒くなりましたが、ちゃとさん、お…
にゃんきち@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) アジアやオセアニアは日本から近いですよ…
ちゃと0508 @ panasea75さん パナセァさん、おこんばんは~~~。 そ…

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