家庭菜園・狩れ! 枯れ! アレ? 物語
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「齢○歳にして気管支喘息になってしまった……」 おっとっと、違った。これには語弊がある。正確には「齢○歳まで、自分が喘息持ちであることに気がつかなかった……」 が正解である。毎年春近くになると風邪を引き、何週間も寝込んでしまう。全然理由は分からなかった。単純に「年を取って体力がなくなったから」だと思っていた。昨年はついに何をやっても咳が止まらなくなり、たまたま会った実家の母に「あんたはどう考えてもオカシイ。今すぐ病院に行きなさい」 と怒られた。オカシイのはいつもだが、母のいう事を無視するとタタリがあるので、やむなくその日は休日であったが緊急病院に顔を出し薬を処方して貰った。何が入っているのかは不明であるが「咳止め」といわれた薬は覿面に効いた。ようやく夜眠れるようになり、体力がついたのかその後体調は快方に向かった。元気にさえなればその前のことはコロッと忘れてしまう。鼻からリンゴを出すよりも痛い出産さえもそうなのだから、その時の風邪のことなど、全く一年間思い出すことはなかった。 今年もまた春が来て咳が止まらなくなり、眠れぬ日が続いた。全身を襲う苦しみの中、治療薬ではなく、睡眠導入薬「グッスミン」を飲み、寝姿勢を色々変えどうやったら咳が一番楽になるかどうか実験している私は傍目馬鹿であるが、その時は何とか病状を良くしようと本気で考えているのである。 結論として横を向いて喉をぬらして寝ても咳自体は止まらず、結局は眠れず、ようやく荒れ放題の埋もれた記憶の海から昨年病院で貰った「咳止め」のことを思い出した。「あの、咳止め。あれさえ貰ってくれば私は元気になれるんだ……」 そういうことは早く思い出せ。 と思うのだが、自分の脳が相手なだけに文句をいっても誰も相手はしてくれない。結果「あんたは風邪ではなくて喘息!」と判定され呆然とするのであるが、考えてみれば旦那も息子も喘息持ちである。一緒に住んでいる私はうつされてしまったのだろうか?「喘息はうつりません。元々あなたがその因子を持っていて、それがハヤト君に出たのだと考えるべきでしょう」 そんな真面目な回答が欲しかった訳じゃなくて…… 薬で体調を調整しつつ、ようやく次の旅に出る気持ちになる。考えてみれば先に新潟に行ってから三ヶ月以上遠出をしていない。季節はもう冬から春になってしまった。今の時期はどこが一番素敵だろう。チューリップが咲き誇るハウステンボスに可愛い赤ちゃんが生まれている全国各地の動物園? 色々と欲は湧くのだけれど、今回は千葉房総館山の保養所に行く事にした。最近読んだ本に館山湾には黒潮が入り込み一年を通して温かく、喘息持ちにはとてもよ良い環境なのだという。黄色い菜の花に色とりどりのポピーの花。首都圏からの距離もそう遠くないことからまだ弱っている私の身体には丁度良いのかもしれない。「私も弱くなったナア」 多少自分が年を取ったことを自覚しつつ。○回目の誕生日の数日後朝六時に家族を起こし、また旅が始まった。
April 25, 2007