成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2009.03.30
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カテゴリ: バス産業
本日の神戸新聞に、 神姫バス社長のインタビュー が掲載されている。「バスは儲からない」と割り切った上で、それでも「バス会社には地域の足を守る責任がある」とし、記者さんは「本業以外で稼ぐしかない、と迷いがない」とまとめている。神姫バスは、私の出身地の事業者だから興味深く拝読した。写真でお顔を拝見すると温厚そうな方に見えるが、大変厳しい状況の中、様々な「副業」で利益を確保し経営を維持しながら、「本業」では姫路市交からの路線譲渡や全但バスの(救済)出資など積極的な様子が伝わってきた。

私自身、路線バス事業者で正社員として勤務した経験はないわけだが、学生バイト(それも5年間も。計算が合わないのは、バイトが楽しくて大学をさぼっていたから)や一愛好家(?)として路線バス事業者をずっと横から眺めてきて、「バス会社には地域の足を守る責任がある」という社長のご意見に賛同するというか、そんな路線バス事業者の思いに、(勝手に?)誇りを感じていたこともある。ただ、実際にホテル、そしてインターネットの企業で事業にたずさわる中で、その考えに疑問を感じ始めたというのが正直なところだ。

つまり、神姫の社長さんは「バス事業以外で利益を増やすしかない」と語り、具体的にはビルやマンション賃貸、介護、保育園などの事業を挙げておられる。ただ、それらはいずれも競合企業がいる世界である。今の時代、例えば普通のデベロッパー(仮に、例えば住友不動産)の賃貸ビルとバス事業者の賃貸ビルが並んでいたとして、高くても地元のバス事業者のビルにわざわざ入居する企業があるとは思えないし、介護など、介護保険制度が始まってなお事業者の利益率も従業員の待遇も低いことで話題になっている。どの業界も厳しい競争環境におかれていて、「副業の赤字」程度ならともかく「本業の赤字」を埋め合わせるために高い利益率を確保するなど、中長期的に見て現実的とは思えないのだ。自分自身がある程度その感覚がわかるだけに冷たい言い方を許してもらえれば、「事業をやれば客は来るだろう。客が来れば儲かるだろう」という、路線バス業界の古きよき時代の「甘さ」が、そこに見え隠れする。

もちろん、たしかに、社長が挙げておられるように行政施設の管理受委託等の分野では路線バス事業者の持つ信頼感は重要な意味を持つだろうし、創業当初から駅前など一等地に広い土地を所有している事業者は多いから、各事業での競合に対して全くアドバンテージがないわけではないとは思うが、それだけで今後も増え続ける平バスの赤字を埋めきれるとは思えない。一方、場当たり的な税金投入は、札幌市のような泥沼を生む。

解決策は、税金をもっとバス事業に入れることしかなく、だが、なし崩し的な税金投入は現状でも非効率な事業をさらに非効率にし、市民のコンセンサスが得られない。乗合バス事業そのものや、その路線を維持し公益性は確保しつつも、行政や事業者の努力によって効率化(経費を下げるか売上を上げるか)が進めば進んだ分、その分はちゃんと市民や事業者に還元されるようなインセンティブつきの新制度を、バス産業全体で早く研究し始めないといけない。合わせて、本当にバス路線が無くなるかも知れないという危機感を、市民に訴えないといけない。客観的に考えて、残された時間はそれほど多くはないはずだ。





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Last updated  2009.03.30 18:31:03コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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