昨日、メールマガジンのことを書いたら、自分が会員登録している高速路線バスの予約システムから、本日たまたまメールマガジンが届いた。この会社に限らず高速路線バスの予約システムからメールマガジンが届くのは初めてだ。感想は...
まあ、バス業界に「バス屋の常識」というのがあるように、ウェブマーケティングの世界にも「常識」みたいなものがあって、何でもかんでも送ればいい、というものではないでしょう?という感じではある。少なくとも、私のサイトであのような文面のメールマガジンを配信したりしたら、上司から何時間しぼられるだろうか。あと、蛇足ながら付け加えれば、「高速バスの予約システムに登録している会員」あてにメールマガジンを配信するのはリテンション・マーケティング(顧客の維持。離反防止。リピート促進)に有効なことは間違いないが、昨日ご紹介した私のサイトのメールマガジンは、リテンションよりは「新規客」を取り込むためのメールマガジン。ふだんショッピングや宿泊の予約で登録してくださった会員あてに「高速バスって便利ですよ、快適ですよ」とお伝えするのが目的だから、同じメールマガジンでも意味合いは違う。本当は、両方をバランスよく使い分けていかないといけない。
と、いろいろ書いたが、失礼ながらマーケティングという側面ではこれまで「待ちの姿勢」が目立った既存事業者が、このような「プッシュ型」マーケティングに注力を始めたという点は非常に意義深い。本業の鉄道や「平場」の路線バスでは、基本的に地域独占的に認可(現在は許可)が与えられるものだから、マーケティングに注力したから乗客数が増える、という相関は小さい。公共交通機関にとって乗客数の増減とは、景気の良し悪しとか、住宅開発が進んで沿線の人口が増えるとか、モータリゼーションが進展してバス利用者が自家用車利用に転移するとか、基本的には外部要因によるものだ。
だが、その感覚をそのまま高速バスに適用するとおかしなことになる。鉄道や「平場」の路線バスは、地域住民にとっては「知っていて当たり前」の存在だが、高速バスは残念ながら「知っているのが当たり前」の輸送モードとは言いづらい。特に大都市圏においてはなおさらである。だからこそ、利用者のニーズの把握とそれに基づく適切な商品設定、効果的なプロモーションといったマーケティング活動が欠かせないのである。もっとも、名古屋大学の加藤博和先生がよくおっしゃっているように、「平場」の路線バスにおいてマーケティング意識が十分でなければ、長い目で見れば路線バスという輸送モード自体の衰退を導いていくのも確かではあるが。
さて話は変わるが、高速路線バスの座席の販売を私のサイトで手伝わせてもらいたい、という既存事業者への営業は、一進一退である。一歩前進となるニュースをお電話でいただく端から、メールでネガティブなご連絡が入ったり...。ただ各社に共通して言えるのは、これまで私のサイトのことを「高速ツアーバス側の立場」、一言で言えば「敵」だと誤解なさっていた皆様が、そうではないということだけはご認識いただいている点だ。どちらかというと、論点は、「敵か味方か」論ではなく、「コストをかければ本当に空席を埋められるのか。乗車率が上がるのか」論に移行しつつある。もっとも、何席を私のサイトに販売委託するかは事業者がリアルタイムにコントロールできるわけだし(満席になりそうな便は自社販売のみ。絶対に満席にならなさそうな便だけ登録、など)、実際に予約が入った分にしか手数料は発生しないわけだから、無駄にコストが出て行く心配はないのだが(本当にメリットが無ければ、高速ツアーバスの全ての会社から販売委託をいただくことは無いと思うのだけど)。
いずれにしても、最初の1社、2社となんとかお話をまとめあげることと、その案件については徹底して実績を上げること。そして、まだお伺いできていない事業者にもなんとかツテを見つけてお邪魔して、こちらの考えをご説明すること。私たちの思いを実現するためには、近道はないのだろうと思っている。
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