成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2010.01.05
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カテゴリ: 高速路線バス
九州産交バスの鹿児島・熊本~神戸線 「トワイライト神戸号」 の取扱が本日から始まった。これでようやく、高速ツアーバス、バスツアー(以上が「募集型企画旅行」)に加え、高速路線バス、定期観光バス、空港連絡バス(「乗合バス」)の「2業態5商品形態」がなんとか一通りそろったことになる。将来的には貸切バスのウェブ予約(チャーター)等やりたいことは山ほどあるのだが、当面はこの2業態5商品形態の商品の充実を目指すことになる。4年間かけて、ようやく私たちの事業の枠組みが整ったということだ。

このトワイライト神戸は、大都市側事業者が共同運行から撤退し地方側事業者の単独運行になってから10年以上も運行が継続されているわけで、大都市側の各事業者には失礼ながら、高速路線バスというのは大都市側での市場開拓はほとんどなされておらず地方側事業者の販売力に頼っていることを図らずも証明している。ウェブマーケティングによって大都市側での集客を補完すればより強い路線に育つはずである。合わせて鹿児島・熊本~神戸間では、私たちでは既に 南薩観光「シティライナー・ウェスト」 等の高速ツアーバスを取扱っている。南薩の「シティ」は3列独立シート・トイレ付きの専用車両(09年の三菱エアロエース)、地元では相応の歴史と存在感を持つ貸切バス事業者の自社運行ということで、一般利用者にとってはトワイライトと比べさほど遜色はない。空席検索結果画面で見比べてみると、価格は平日で1~2割、週末ではごくわずかだがシティの方が安い。それに対しトワイライト側は、「わかりやすい停留所で待てるので安心(一部は待合室あり)」「払戻手数料が安い」などの「ベネフィット(利用者が実感できる目に見える利点)」をアピールして対抗する。まずは1路線ながら、ようやく同じ商品棚で利用者が2業態を比較しながら予約できる形がスタートする。

この「ベネフィット」。最近、高速路線バス事業者の自社サイトで、ベネフィットを明記した例が散見される。ハイウェイバスドットコム内の 新宿~長野線のページ における、運行の多頻度さと便変更手数料無料の便利さや停留所のわかりやすさの訴求、 札幌~北見・網走線 の車内吊りポスター(北海道中央バスのサイトにも掲出)での車内設備の快適さの訴求そして「暖かい待合室」といった表現は、同路線での高速ツアーバスの台頭(北見・網走にも高速ツアーバス“らしきもの”が昨秋から登場した)を踏まえ、ベネフィットを「具体的に」利用者に伝えている。その方向性そして表現はこれまでまさしく私が申し上げてきたことそのものである。色々な所で私が申し上げてきた言葉が各事業者の耳に届いたのかは知る由もないが、ようやく高速路線バス事業者も「ツアーバスは許せない」という感情論ではなく、自分たちの商品とライバルのそれとを利用者目線で客観的に見比べた上で、自分たちが勝っている点を積極的に利用者に伝えようとし始めたということであり、大きな一歩と言えるのではないか。

彼らの次のステップとして取り組んでいただきたいのは3点。1点は、これまで高速路線バス事業者がこだわってきた「安全、安心」といった「目に見えない利点」をいかに可視化して、事業者の「こだわり」(こだわりのままだと単なる自己満足でしかない)を利用者の目に見える「ベネフィット」に変えていくか。いつも話しているように、高級ホテルのサービスのよさや料理のおいしさも、マンションの安全性(耐震構造など)も、本来は目に見えないもの。それを各社が工夫して可視化しており、バス事業者もぜひそれに挑戦していただきたい。もう1点は、上記のようなせっかくのベネフィットを、自社サイトや車内チラシで(つまり、自社のバスを予約しようとしている人や乗っている人に対して)訴求するのでは効果は半分でしかなく、高速ツアーバスを予約しようとしている人や高速バスに興味がない人にまで効率よく伝える方法をぜひ考えていただきたいことだ。

そして最後の1点は、商品作りそのものである。需給調整時代においては、ある区間に認可が下りる高速バス路線は原則1路線、せいぜい2~3路線であり、1商品でなるだけ広い利用者層に対応する「最大公約数」的「平面」的な商品作りが求められた。しかし今日、高速路線バスは要件さえ満たせば何路線でも許可、さらに高速ツアーバスもあるなかで、「無色」の「最大公約数」では埋没してしまう。利用者には男性/女性、ビジネス/レジャー、若者/年配、高級志向/低価格志向など様々な属性が存在するわけで、これからは各利用者のニーズになるだけ沿った特徴ある商品を各社がそれぞれに工夫することになろう。各社が、それぞれのニーズに細かく対応した商品を準備することで、従来の「最大公約数」「平面」「無色」では対応できず他の交通機関を選択していた人たちのニーズにまで応え、高速バス全体のパイを大きくする。以前の紙媒体による告知と電話による予約受付では、高速バスどうしの「色の違い」までうまく伝わらなかったが、ウェブの普及により利用者が手にする情報量が飛躍的に増加したことにより、利用者は「好みのバス」を「自ら選んで予約する」流れが、いま生まれようとしているのである。






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Last updated  2010.01.05 18:53:30コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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