成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2011.06.14
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カテゴリ: バス産業
私自身も委員として参加させていただいていた 「バス事業のあり方検討会」の中間報告

報告書は、大きく、高速バスと貸切バスにパート分けされているが、取り急ぎ前者について見てみよう。ざっくり言うと、道路運送法による「一般乗合」のうち「高速バス」について制度を切り出し、「車両調達」と「運賃設定」を筆頭に柔軟な営業を可能にした新制度、通称「新高速」を作る(法改正まで必要かの判断は、まず省令以下の改正を行なってから)。そのうえで高速ツアーバス各社を「新高速」に誘導する。事実上、二制度の一本化である。なお、制度の詳細や、高速ツアーバスから「新高速」への移行(「移行しない」と言い張った場合はどうなるのか、など)について、いろいろ疑問や、<無理じゃないの?>というご指摘もあろうが、様々な検討を行なっているところなのでもう少しお待ちいただきたい。

念のため繰り返しておくと、私自身は決して「一本化論者」ではない。同一市場に対し別々の規制に基づき商品が提供されることを「一国二制度」で「不公平」という人はいるが、一般消費者として私たち自身が買い物をするうえで、そのような例はいくらである。最もわかりやすい例として、よく教科書に出てくる「リポビタンD(医薬品)とオロナミンC(炭酸飲料)」の話や、ビールと発泡酒の話をよく出すが、決して珍しくない。もし特定の事業者(例えば既存の高速路線バス事業者)が高速ツアーバス業態に転向しようとする際に障壁があるようなら、それで初めて不公平だというのが私の考えだ。

しかし、今回の検討会では、早々にその主張は引っ込めた。事務局(行政)から<「利用者が求める高速バスサービスのあり方」をまずは考え、それに合わせた制度を構築するべき>という叩き台が明確に示されたからだ。また、本来的には「高速ツアーバス側」の立場であの会議に毎回出席しているにもかかわらず、発言のたびに<既存の高速路線バス各社に、より柔軟な制度を与え、より積極的なマーケティング意欲を持つよう変わってもらいたい>という思いでいる自分自身をあらためて何度も実感したからだ。

<既存事業者にも高速ツアーバス転向の自由は担保されている以上は不公平ではない>などという「理屈」では何も変わらないことは、私自身がよく知っているのだ。「利用者が求める高速バスサービスのあり方」を考えようという事務局の呼びかけは、既存高速路線バスへの私自身の思いを実現するうえでも、大きなチャンスである。なお、上記は私個人の考えであって、高速ツアーバス連絡協議会の立場としては、当初から<安全性・公平性を担保しつつ、柔軟な営業を可能とし、高速バス市場の最大化を支援する「新制度」を時間をかけてでも構築する>べきだと主張してきた。議事録でご確認いただきたい。

さて今回の報告書では、「はじめに」の部分で、本件の背景が十分な文字数で語られている。特に、高速ツアーバス業態を巡る制度的変遷も辿ってある。一言でいえば、2002年の法改正までは、高速ツアーバス(当時はその名称はなかったが)の通年運行は制限されていたが、法改正以降、需給調整という概念がなくなったため、高速ツアーバス業態の通年運行も認められるようになった、ということだ。

この部分は決して私たちから要望して報告書に入れてもらったわけではない。事務局による案文に、最初から入っていた。そのことの意味を、関係者はよく理解する必要がある。

未だに高速ツアーバスを違法、あるいは脱法行為だと思い込んでいる人は多いが、2002年の法改正以降、事業モデルとして認められてきたものである点は、きちんと理解してほしい(事業モデルとして合法だと言っているのであって、改善基準告示など各種法令違反が一切なかったと主張しているのではない)。その背景には、道路運送法の理念の変化(需給調整と内部補助による路線バス事業者の経営維持からの脱却)がある。一体なぜ、道路運送法の理念はそのように変わったのか? そこを真剣に考えるべきである。需給調整と内部補助を続ければ、我が国のバス産業がどのような結末を迎えるか、想像すべきである。だからこそ、高速ツアーバス問題はバス産業全体にとって象徴的なのである。



同じことは、高速ツアーバス各社(企画実施会社、運行会社)にも言える。「規制強化」と反発することは、自らの事業を成長、永続させるチャンスと権利を放棄するに等しい。一部には、ハードルは低くないかもしれないが、それは、永続的に事業を行なうために絶対に越えねばならぬハードルなのだ。そして、そのことを各社に伝える責任が、私にはある。

明日以降、本ブログでは、各社の報道なども見ながら、報告の具体的な中身についてもう少し細かい点まで順次ご説明したい。名神高速開通による高速バス誕生、共同運行クローズドドアシステム制度誕生に次ぐ、我が国の高速バス事業の歴史の第三の転機を生み出すことができた点、それに自身が携わることができた点、多くの方々に心から感謝している。





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Last updated  2011.06.14 14:23:50 コメント(2) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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