成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2011.07.11
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カテゴリ: メディア掲載情報
「バス事業のあり方検討会」中間報告書に関する報道記事が続いた。7月4日付『日本経済新聞』朝刊法務面の「高速バス ルール綱引き」と、7月11日発売 『週刊トラベルジャーナル』 の巻頭特集「高速バス事業に新たな枠組み」である。どちらもご取材のお手伝いをさせていただき、特に後者は私のコメントも大きくご掲載いただいた。

なお、前者の中で日本バス協会側のコメントとして、<現状の“一国二制度”どころか“一国三制度”になりかねない>と懸念が示されており、この件に関して何人かの方から質問をいただいたので誤解のないように一応説明しておきたい。たしかにこのコメントでは、「(既存の)高速路線バス」「(新制度に基づいた)高速バス」「(募集型企画旅行形式の)高速ツアーバス」という三制度が今後並立すると理解される恐れがある。が、ここでいう「一国三制度」とは、推測するに、「平場の路線バス(生活交通)」「新高速」「高速ツアーバス」の三制度を指していると思われる。関係者は、ミスリードを招く発言を控えてほしい。

たしかに細かい点を言うと、ごくごく一部の短距離高速バス路線(例えば大阪~有馬温泉、あるいは名古屋周辺やアクアライン系統に多い通勤要素の大きい路線など)において、「平場の路線バス(生活交通)」の制度と「新高速バス」制度が並立する可能性が無くはない。ただ一般的には、現在「一般乗合」の制度に基づき運行される高速バスは、制度改正に伴い自動的に「新高速」に移行される。そして生活交通において高速ツアーバス形式が認められないのは従来通り。したがって同一区間において「三制度」が並立する心配はない。

その上で、では一般的な高速バス事業において、高速ツアーバス形式は今後も残りうるのか、という点については、後者『トラベルジャーナル』が少し深く踏み込んでいる。まず規制のあり方として、<これまでの高速ツアーバスを禁止する方針は打ち出されていないものの、効果的な監査・処分を実施する>ことで<高速ツアーバス事業者には、乗合バス事業者の許可取得を求めていく>とする。その上で高速ツアーバス企画実施会社に今後の方針を取材したようだ。特に現在は純粋な旅行会社であって、「新高速」制度に乗っかるにはバス事業者に移行しなければならないオリオンツアーから、<「詳細が決まっていない段階での具体的な発言は控えたい」と前置きしたうえで、「(バス事業者への)移行も含め、前向きに検討中」>というコメントを引き出している。

なお記事では、オリオン社はさらに、<消費者メリットとして、準拠する法律が統一されてわかりやすくなることを挙げるほか、「受託する側の貸切バスは品質を引き上げる必要があり、消費者にとってよい商品が増えるのではないか」と、委託先の安全管理が強化されると予測>しており、同社が新制度の本質を正しく理解していることを示している。

この「明確禁止されたわけではない」点。今後、日経の記事が指摘するような「綱引き」が行なわれた場合(制度の詳細は関係者でこれから検討するのだが、極端に「移行組」が不利な扱いを受けるように制度が決まった場合など)においては、現在の高速ツアーバス各社のうち相当数が高速ツアーバス業態のまま残存する、という蓋然性は、たしかに全くないとは言えない。「制度の一本化」を望んだのは「既存側」であるにもかかわらず、いざ一本化しようとすると困難な条件を突きつけ一本化を阻止しようという流れが万一にも起これば、結果としてそうなってしまう恐れは、ある。もっともそれは「最悪の場合は」だ。

「のどから手が出るほど欲しかったバス停を得られる」(『トラベルジャーナル』記事中の私のコメント)ことを考えても、また高速ツアーバス各社もしゃにむに事業を成長させるフェーズはそろそろ脱却し、事業の永続、従業員の生活の安定を考える時期に入ることを考えても、彼らにとって今回の制度改正は「渡りに船」だ。既に高速ツアーバス連絡協議会では会員を集め国土交通省より新制度の説明を済ませ(来週の年次総会でさらに踏み込んだ説明をする予定だ)、私も渉外担当顧問として、事務局(楽天バスサービス)とともに会員から質問を受ける立場だが、今のところみな新制度移行に前向きだ。ハードルは決して低くないが、<みんな必死ですよ>、ある担当者の充実感溢れたコメントが耳に残る。

他方で、既存の高速路線バス事業者にとって求められる内容は、両方の記事に共通しており明白だ。<一方、規制緩和で経営の自由度が増す乗り合いバス側は、消費者の利便を高めるサービスを生み出すことが求められ>(日経)ており、<競争は加速しそうだが、ビジネスチャンスは広がる>(トラジャル)のである。



さっそく明後日、ある既存事業者からのご依頼で、役員から担当者まで対象に、新制度対応も踏まえた今後の戦略と戦術について半日みっちり講演&ワークショップである。この時点で、新制度活用に前向きな既存事業者が何社か存在するというのは心強い。まずは、従来の自分たちのやり方では掘り起こせていなかったマーケットを完全に掘り起こし尽くすこと。次に収益性を最大限に高め、それをさらなるサービスレベル向上に還元すること。新規参入に対する最大の防御は、陳腐なようだが、やはり「攻め切ること」なのである。





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Last updated  2011.07.11 10:14:44コメント(0) | コメントを書く


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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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