成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.01.04
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カテゴリ: バス産業
謹賀新年。会社勤めなら社内の各部署に新年のあいさつ回りに忙しいところだろうが、今の私は全てを一人でやっている身。初仕事は12月分の領収書を整理することだった。

さっそくだが、本年、高速バス業界の動きの軸は、目前に迫った高速バスの制度改正だろう。1Q(3月まで)に省令改正、2Q(6月まで)をメドに施行というイメージか。実際の対応としては大きく2つに分かれる。「既存組」の高速路線バス会社にとっては、理論上は省令や通達が施行された時点で新制度の恩恵を受けることができる。グループ内の貸切バス事業者に運行管理委託を行なう、という軽微な例は夏の繁忙期にでも実現するかも知れない。「貸切バス型管理受委託」の本格活用は早くて年末年始の繁忙期がメドか。

また大幅に緩和される運賃制度、ひいてはレベニューマネジメント(ダイナミックプライシング)活用には、基幹システム(「発車オーライネット」など。自社予約エンジンとしての機能を含む)の改修が最低限必要だ。さらに運用ノウハウもある程度は作り上げる必要もある。どの基幹システム、どの事業者が最も早くRM対応してくるか、見ものである。

制度改正とは直接関係がないが、高速路線バス各社がこれまで「ツアーバスの親玉」と見てきた予約サイト(楽天トラベル、高速バスドットコム、じゃらんネットなど)への「誤解」は急激に解けていったようで、各事業者がどのようなスタンスでこれら予約サイトとの関係を作り上げていくのかも興味深い。ここで言う「関係」とは、システム上の要件、および事業上の条件(手数料率や提供座席のコントロールなど)のことである。

一方で、高速ツアーバス各社が、晴れて「移行組」となるためには、大きな2つのハードルが待ち受ける。まずは業界全体として、彼らが移行するために必要なバス停の確保を、各関係機関の力を借りながら実現させなければならない。これは非常に難しい問題をはらんでいる。理論上、最も過激なパターンが、海外に例があるようなアファーマティブアクション導入であり、具体的には既存事業者が私有地で運営するバスターミナルについても、一定の割合で新規参入事業者の受け入れを義務付けるというものだが、さすがにそれは現実的ではない。公道上の既存バス停についても、触らずに済ませられるならその方がいい。心理的には、「移行組」のためにバス停が新設されるだけでも「既存組」にとっては不満なのはわかるが、かといってそれを不満と騒いでは「パンドラの箱」を開けてしまい、むしろ既存バス停の維持や既存事業者間の「相互不可侵」の関係性維持にまで影響を与えかねず、現実的な「落としどころ」を関係者全員で探ることになろう。

同時に高速ツアーバス各社は、「一般乗合」として求められる安全性確保のために努力する必要がある。建前上は「乗合」も「貸切」も同じクオリティであるので(本来、あえてどっちが難しいかといえば「貸切」の方が難しいはずだが)、それは困難ではないはずだ。もっとも必ずしも現実が建前と一致しているとも限らず、会社によっては苦労するかもしれない。そもそも旅行会社の場合は、貸切バス事業者をM&Aする、あるいは合弁で新会社を設立する等、その「生き様」まで変える必要があり大変だ。しかし行政から個別に熱心に説明いただいたりした経緯もあり、各社とも対応準備に既に入ってくれている。

合わせて、高速ツアーバスが先鞭をつけ「既存組」高速路線バスがこれから追いかけるべき車両タイプの多様化の流れにとっては、夏に予定される新しい車両保安基準が障害になる可能性があり、よく情報を確認しながら、事業者サイドで対応を考えなければならない。また市場環境としては、国内線でのLCC(格安航空会社)参入も注視している。

さて昨日は夕方から古い友人たち3人と新年会。うち2人は大手路線バス事業者の社員であり、皆で高速バス発着風景を見学。Uターンのピーク日ということもあり、夜行(主に高速ツアーバス)の出発よりは昼行(全て高速路線バス)の出発と到着がダイナミックに続いていた。二重停車?も頻繁に見られ、上記友人がポツリ、<ツアーバスよりひどいよね>。もちろん、よくご指摘いただく高速ツアーバス集合場所の現状が、これをもって許されるとは露ほども思っていないが、冷静に現状を把握できる友人たちがあらためて頼もしい。本年の私自身の課題として、高速ツアーバスの各種現状の改善と「新高速」移行の段取りを確実にサポートするとともに、「既存組」に対しては、高速ツアーバスへの非難を、自らの変革先送りの免罪符にする悪しき習慣だけはやめるよう意見し続けたい。

もっとも、私がお邪魔するような事業者の経営者、担当者の皆様はそのような心配は既に一切ない。少し前まで、精神論さえしゃべっていれば評価もお金もいただけていたものが、そろそろ各社にお邪魔するたびに細かな施策の話になっている。私も具体的に成果を出さねばならないフェーズに入ってきたのだ。さらにそれは「ツアーバス側」にいたころとは違い、勢いよく攻めこめばいい、という立場ではない。守りに入るべき要素も多く、それでも個別の各路線を各事業者を、そして高速バス市場全体を拡大させていかねばならぬ。ただ、そのようなプレッシャーが、私自身もまた、成長させてくれるはずだ。



そのような転換点に携わることができる幸運にあらためて感謝しつつも、明日から続く重要なミーティングを前に、正月気分にひたっている時間はあまりない。





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Last updated  2012.01.04 11:50:50
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
京帝117@ Re:新宿高速バスターミナル(02/21) 私がカウンターに座っていた時は、空いて…

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