成定 竜一~高速バス新時代~

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.03.01
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カテゴリ: 高速路線バス
ホテルで営業(セールス)の部署にいた頃、取引先に宅配便を発送する機会が非常に多かった。何度となく宅配伝票を書いているうちに、変な話だが伝票の書き方に異常にこだわるようになった。某大手宅配業者の伝票の受取人の欄は、4行分ある。相手が個人なら住所と名前だけでは余るほどだが、法人だとスペースが微妙に足りない時がある。その際に、長い住所や会社名、部署名や役職などから、どれをどのように「はしょる」か。

例えば「楽天」とか「JTB」とかいう大企業の本社に送る際は、住所はなるだけ簡潔に1行にまとめる。「1丁目12番」なら「1-12」。場合によってはビルの名前も省略。住所とは別に郵便番号なども記入しており、配送センターではそれらを機械が読み取り自動的に荷物を仕分けると聞いたこともあるし、それら大手企業の場合はわざわざ長々と住所を書かずとも、配送センターや担当ドライバーさんなら「この会社ならあのビルの何回のメールセンターに届けて…」というのをよく知っているはずだ。むしろ、それで余ったスペースに部署名などを丁寧に書き、会社に荷物が届いた後、社内で部署ごとに仕分けをする総務系の部署やメールセンターのスタッフにわかりやすいよう配慮するべきだ。

一方で、雑居ビルの上の方の階にあるような中小企業(例えば高速ツアーバス企画実施会社)あての場合は、住所やビル名とか、「●階」などというのも丁寧に書くべきだろう。むしろ、社内の仕分けは簡単だから、部署名などを簡潔にする。長い住所のどこで改行すれば忙しいドライバーさんが一目で理解しやすいか、など、こだわり出したらキリがない。

同じような配慮は、社内のスタッフに対しても必要だ。以前働いていた会社で世話になった財務経理部長が、<社内でも、前工程と後工程はお客様>と洒落たことをよく言っていた。フロントサイド(営業マンや現場スタッフ)は、バックサイド(経理や総務)に丸投げではいけないし、バックサイドはフロントサイドの動きをよくするためにはどんなサポートをすべきか心配りが必要だ。もちろん、「情けは人のためならず」。相手のことを慮ることが、結果として相手のミスを減らし自分の好成績やクオリティの高いゲストサービスにつながるし、相手も同じような配慮をしてくれれば、自分の仕事の手間が一つ減る。

高速バス事業でも、同じことが言える。もちろん、本社と現場、事務所と乗務員の関係においてそうするのは当然だ。その上で(朝礼のスピーチならここまででいいわけだが、このブログでは少し踏み込んで)あと二つ、「(これからますます重みを増す)予約サイトとの関係」と、「共同運行先との関係」について同様の配慮をすべき、とあえて書きたい。

楽天トラベルで販売する高速路線バス事業者が順調に増え(そういえば私の地元の 山陽電鉄 もついに登場)、高速バスドットコムやじゃらんネットでの販売も検討が始まったのは嬉しいことだが、それら予約サイトを「打ち出の小槌」と感じている事業者を時々見かける。<楽天さんに任せた>では売れるはずもないし、仮にそれでたくさん売れてしまったら今度は数年後に、<楽天に「搾取」されて安全面に投資ができない>などと泣き言を言うことになる。特集ページで露出したりメールマガジンで紹介したりして、予約サイト側が「売りやすい」商品、「売ってやりたくなる」事業者とはどんなものか、常に先回りして想像し、予約サイトとの関係性を構築していただきたい。

共同運行先とも同じだ。大都市側のハブになる事業者と、地方側事業者では置かれた環境も大きく違う。大都市側事業者にすれば、<多くの路線、共同運行先の「面倒」を見ている>という意識になりがちだし、事業全体における高速バス事業の占めるポーションも大きくない。一方で地方側事業者にすれば動きの遅い大都市側事業者にイライラしつつも、万一にも共同運行を解消されたりしたら東京や大阪に入れなくなるから何も言えない。

だが両者の関係は本当にそうなのだろうか? 何度も書いていることだが、高速バス利用者の内訳は圧倒的に地方在住者が多い。つまり、顧客を握っているのは地方側事業者なのである。考えて見て欲しい。「●●交通」(●●はだいたい都道府県名や旧国名)が仮に大都市側の共同運行先を「乗り換え」たとしても、●●県の乗客にとっては、<あ、東京のバス停の場所が変わったのか>程度の反応だろう。彼らは「おらが街の●●交通さん」に乗っているだけなのだから。大都市側事業者にとっては、顧客を握っている地方側共同運行先こそ、自らをご指名くださっている重要な「お客様」である。



さて一昨日に四国から戻ったばかりだが、東北の某社訪問に際し前日から高速バスを乗り継ぎながら北上中。こんなことをやっているから仕事が滞るんだと、もう一人の自分(と、これをお読みに違いない各クライアントの影)に叱られながらも、「現場感」だけは捨てられない。実はいま乗車中であるバスの事業者の社長さんには、来週、また出張してきてお目にかかるのだが(今日はたまたま乗っただけ)、実際にこの地を見て、乗って、何をお話しすべきか少し見えてきた気がする。それに高速の上り勾配では喘ぐエンジンをいたわりながらも、市内では勝手知った車線変更で回復運転に努める乗務員Eさんに拍手。窓の外では、一面に広がる真っ白な雪が、春の日差しを浴びてキラキラと輝いている。





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Last updated  2012.03.01 15:20:07
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
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